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消えた外交官 中国を覆う「刺される」恐怖
2026-11-02 11:12

消えた外交官 中国を覆う「刺される」恐怖

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毎日新聞特派員や外信部長の経歴をもつ元RKB解説委員長・飯田和郎が、中国をはじめ東アジア情勢について、歴史的・文化的背景についても触れながら解説します。

田畑竜介
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サマリー

中国共産党第20期中央委員会第5回全体会議で、党内の腐敗撲滅と引き締めを掲げ、習近平氏への権力集中と4期目続投に向けた地ならしが進められたと解説します。中央委員会メンバーは2022年の376人から今回の出席者279人へ減り、33人の党籍剥奪が承認・追認されました。元外務省報道官で中央対外連絡部長だった劉憲長氏は、拘束・尋問の報道後に失脚したものの、理由は明らかにされていません。さらに、福岡・大阪の中国総領事を務めた外交官も帰国後6年以上消息不明とされ、外交官が理由不明のまま消える中国の不透明さと恐怖が語られます。

中国共産党総会と習近平氏への権力集中
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この時間は日替わりコメンテーターが独自の切り口で多様な視点を提案するキャッチアップ。
月曜日は元RKB開設委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和夫さんです。
飯田さん、おはようございます。
はい、おはようございます。
さて、先週の10月29日までの4日間、中国共産党の重要会議が北京で開かれていたということなんですよね?
そうです。
中央委員会総会と言うんですけど、正式名称は、
中国共産党第20期中央委員会第5回全体会議、文字にして21文字ですね。
そこでこのような採決が行われました。
全面的で厳格な党内ガバナンスを粘り強く推進する上での重要問題をめぐる決定。
なんかいかめしい感じもしますけれども、その全面的で厳格な党内ガバナンスってのはどういうことなんですかね?
まずは会議終わった後にコミュニティが発表されています。このように説明していますね。
中華民族の偉大な復興を実現するという戦略的な高みから、全面的な党内ガバナンスの重大な意義を深く認識しなければならない。
ますますわからなくなったと思います。
ここで指摘された党内ガバナンスとは、腐敗撲滅、党内の引き締めを指すんですよ。
要は汚職の根絶や失政能力、政治や政務を行う能力をさらに高めることを最優先しようということなんですね。
そういう姿勢を国民にはっきりと示そうということだと思います。
一言で言うと、現在の習近平指導部への権力集中、そして政権基盤のさらなる強化を図ったと言っていいと思います。
ただ今回の中央委員会総会を終えても、習近平氏の後継者を想定した抜擢人事とか、
次のリーダーが現れるということはなかったというのがメディアの見方ですよね。
ある意味、今回の総会は来年秋に開催する共産党大会。
そこで習近平氏の4期目続党に向けた地ならしと言っていいと思います。
そして習近平氏自身の権力維持を阻む要因を徹底的排除したのが今回であり、次の事実なんですよね。
今回の中央委員会総会では、中央委員会メンバー33人の統席剥奪処分を承認、または追認しました。
2022年に現体制の発足時には376人のメンバーがいましたが、今回の会議に出席したのは279人。
4年間で100人近い幹部が姿を消したことになります。
統席剥奪。お前は共産党員じゃないということなんですよね。
中央委員会総会というのは共産党全体、また国家の指導にあたる最高指導機関なんですよ。
そのトップにいる習近平氏は、自らメンバーを選んでおきながら、
橋本さんが今紹介してくれたように、わずか4年間で4分の1以上の委員の共産党席を剥奪。
つまり政治生命を完全に奪ったということなんですよね。
党籍を剥奪された外交エリート・劉憲長氏
我々の隣の国でそんなことが行われているわけなんです。
今回共産党の統席を剥奪された33人のうちの1人なんですけど、
共産党の重要部門である中央対外連絡部の部長だった、
劉憲長という人物もいるんですよ。
この私も含めて、北京に駐在した日本人都会の多くとも交流のあった人物で、
この統席を剥奪という知らせを聞いて、私もいろいろな思いが心の中で巡っています。
その劉憲長氏というのはどういう方なんですか。
外交官なんですよね。
2001年から2009年まで中国外務省のスポークスマンとして活躍してきました。
テレビのニュースで映像がよく流れる方は皆さんご存知だと思うんですけど、
テレ会見で国内外のメディアからの質問に答えるスポークスマンだったわけですよ。
首脳会談などにも同席していました。
彼はその頃はまだ40代だったから、中国外務省でも若くから抜擢させたというわけなんですよね。
このコーナーでもよく使いますけども、戦狼外交って言葉を使いますよね。
戦う狼って書くんですけど、
習近平時代になってから見られる中国の外交官による攻撃的な外交姿勢を指してきました。
その中でもとりわけ外務省のスポークスマンの過激な発言が日本のメディアにもよく取り上げられてましたよね。
確かにリュウケンチョウ氏がスポークスマンを務めた頃も激しい口調や内容は時にはあったんですけど、
相手の国や相手の国家元首を愚弄したりするようなことはなかったですよね。
公の記者会見以外の場でも我々とは付き合いがありまして、付き合うたびに誠実な人柄が伝わってくるってことも多かったですね。
今紹介してくれたのが中国外務省での仕事ぶりでしたけども、
それが中国共産党の組織での仕事に転じたってことなんですか。
そうですね。エリートなんで、やがて共産党の中央対外連絡部長に抜擢されました。
これが今から4年前、2022年のことなんですよね。
この中央対外連絡部っていうのは、共産党の党の外交、つまり外国の政党や政治組織との交流窓口なんですよ。
例えば日本となら、中国共産党と自由民主党といった党同士の交流をするとこなんですよね。
そこのトップであるリュウさんが勤めた部長っていうのは大臣クラス。
そういうエリートですから、このリュウ県庁氏はやがて外務省に戻って、外務大臣になるんじゃないかと言われてきた逸材なんですよね。
そのリュウ県庁氏だったんですけど、昨年の8月にアメリカの新聞が当局により拘束されて尋問を受けてるっていう報道がありました。
確かめはなかったんですけど、ほどなくして別の人物がこの中央対外連絡部長のポストについてたんで、失脚したのは明だったんですよね。
なるほどね。中国共産党の中央委員会のメンバーであれ、党席を剥奪されるわけですけども、そのリュウ県庁氏は何をして党席を剥奪されたんですかね。
はっきりはしないんです。明らかなのは習近平氏への忠誠が欠けていたってことだと思いますね。
今は身柄の自由を奪われて厳しい尋問を受けていることだと思います。これは確かだと思いますね。
消息不明となった中国外交官と不透明さ
同じ中国の外交官ではこんなこともあったんですよ。
ここ福岡の中国総領事だった外交官が、2020年のことですけど、福岡から大阪の総領事に転出したんですよ。
福岡の総領事から大阪の総領事。
大阪の総領事の方が格上なので、僕たちもよく付き合ってたんですけども、私もとても喜んだんですよ、その英天王ですね。
だけどそのわずか9ヶ月後に中国本国に呼び戻されて、もう6年余り消息不明なんですよ。
何らかの容疑に問われて、中国当局に身柄を拘束された。もっぱらそういう噂で、私の知る中国の外交官たちも、その元総領事の話には絶対に触れませんね。
私のスマホにはこの元総領事の携帯番号が残ったままで、当然通じないってことなんですよね。
何があったのかっていうのは気になりますよね。
ただその問題っていうのは、中国当局が一切説明をしないっていうことの方が問題なんじゃないかなと思いますけどね。
おっしゃる通りです。不透明さですよね。個人が犯した不正なのか、それとも政治の清掃に巻き込まれたのか。
私自身付き合ってきた外交官が次々と理由も明確じゃないまま消えていくっていうのは、とても複雑な思いなんですよね。
今日紹介した最高指導機関のメンバーである中央委員であれ、総領事経験のある外交官であれ、役職の上下に関わらず、いつ摘発されるかわからない。
そんな恐ろしさが、今の中国を支配しているんだと思いますね。
ここまで元RKB開設委員長で、福岡女子大学副理事長の飯田和夫さんでした。飯田さんありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
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