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改善へのシグナル?日中関係の現在地を探る
2026-10-05 11:34

改善へのシグナル?日中関係の現在地を探る

毎日新聞特派員や外信部長の経歴をもつ元RKB解説委員長・飯田和郎が、中国をはじめ東アジア情勢について、歴史的・文化的背景についても触れながら解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

日中関係の改善の兆しとして、元外相の岩屋毅氏が北京で中国の外相と副首相に会談した出来事を取り上げる。中国側の表現が「撤回せよ」から「是正せよ」「克服せよ」に変化したが、岩屋氏自身は中国の厳しい立場に変わりはないと慎重に語った。飯田和郎は、表現の変化は関係改善のシグナルというより、米中首脳会談後にトランプ大統領の提言を受け入れたことを示す中国から米国へのメッセージだと分析する。日中間にはなお多くの摩擦や今後拡大しうる問題があり、改善への道筋は見えていないと結論づける。

岩屋氏の北京訪問と「古い友人」
この時間は、日替わりコメンテーターが独自の切り口で、多様な視点を提案するCatch Up。 月曜日は、元RKB解説委員長で、福岡女子大学副理事長の飯田和郎さんです。
飯田さん、おはようございます。
はい、おはようございます。
さて、今日の話題ですけども、改善への出口が見えないと言われてきた日中関係ですけど、
昨年の11月、高市総理が、いわゆる台湾有事をめぐる国会答弁をきっかけに、日本と中国の関係が悪化して、修復の兆しが見えないとされてきておりますが、
ちょっとここに来て、違った局面も出てきたのかなということで、今日はそのあたりを分析するということですね。
はい、そのちょっと違った局面とは何を指すのかということですけど、
前の外務大臣岩屋敬史衆議院議員が、9月の末に北京を訪れました。
そこで、中国の要人2人と会談をした、このことを指すんですよね。
その2人とは、大木外相、加立法副首相なんですよ。
岩屋さんは、日本国際貿易促進協会、これ略して国防促というんですけど、
そこの会長として代表団を率いて北京に行きました。
この国防促というのは、日本と中国が国交正常化するその16年も前から、
中国との経済交流を図ってきた、日中間における民間の友好団体の一つでもあるんですよね。
つまりはその国防促も岩屋氏も、中国がよく使う表現でいうところの古い友人ということになるわけですね。
岩屋さんの前の国防促の会長が、今年6月に亡くなった河野洋平、元衆院議長なんですよ。
河野さんはさらに古い友人だったわけなんですよね。
この言葉の意味するところは、付き合いが長いというだけじゃなくて、
「撤回」から「是正・克服」への変化
中国を理解し、中国との関係を重視するということでもあるわけですよ。
高市総理の台湾友人発言以降、中国は日本との政府間交流だけでなくて、
民間交流まで一斉にストップしましたけども、そういう中で、今回中国を訪れた岩屋氏に、
現職の外務大臣、さらには副首相も会談に応じたということですよね。
岩屋さんは、高市内閣の前の石破茂内閣で外務大臣でした。
当時、大木さんとは外務大臣同士のカウンターパートだったんですよね。
一方の加律宝副首相は経済政策を担当します。
大木さんも加律宝さんも、中国共産党で言うと政治局委員というトップ20人余りいるんですけど、その一人であるわけなんですよね。
この2人は、9月下旬、習近平主席がワシントンでトランプ大統領と会談したけど、
その時、この2人も米中首脳会談に同席していましたね。
中国政治の重要人物である2人と岩屋氏が出会ったということですけども、
日本のメディアは、中国の要人2人が岩屋氏に発した言葉の言い回しに注目しているようですね。
言い回しのちょっとした変化なんですけど、大木外務大臣は岩屋さんに今、こんなふうに喋ってましたね。
今、急務なのは対話問題における指導者の誤った言動を早急に正すことだ。
一方の経済担当の加律宝副首相は岩屋さんにこう言ってました。
誤った言動を克服し、日中両国の経済貿易関係の発展を推進できると確信している。
2人ともこの誤った言動って言ってるんですけど、これは言うまでもなく、
高市総理が台湾有事は日本の存立危機自体なり得ると言及したことを指すんですよね。
表現の変化をどう読むか
中国外務省はこの高市発言に対してこれまでは撤回せよと繰り返してきました。
それが今回、大木外務大臣は誤った発言を早急に正す、つまり是正せよと要求したわけです。
加律宝副首相は誤った発言を克服せよと言ったんですよね。
ですから、撤回せよからそれぞれ是正せよ、また克服せよに変わった。
この表現の変化をどう捉えるか。
多摩さん、日本語としてどんな印象を受けますかね。
若干態度としては難過しているのかなという印象がありますね。
そうですよね。
中国の政治手法によく見られることなんですけど、こんなことがあるんですよね。
つまりトラブルが生じている相手とは別の比較的会いやすい人、あっても差し支えのない人に対して、
目の前の人ではなくトラブルを抱えている相手にメッセージを送ると。
中国をウォッチする人たちは今回も同じ手法じゃないかと推測するわけですよ。
つまりこの場合、比較的会いやすい相手が古い友人である岩屋さん。
そしてトラブルを抱える相手は高市総理が当てはまると思いますね。
ということは、日中関係は良い方向に向きそうなのかどうか。
井上さんはどういうふうに解釈されますか。
いろいろメディアの評価ですけど、結論で言えば、
これが関係改善に向けた中国側のシグナルと前向きに評価するのはちょっと時期が早いんじゃないかという気がします。
そんなのを私個人は見立てを持っていたところ、その岩屋さんが中国から帰ってきて、先週の2日でした。
地元の大分県ベップ市で記者会見を開いてたんですよね。
ここから申し上げるのはOBS、大分放送のニュースサイトから引用するんですが、
中国友人2人が自分自身と会ってくれたことの会談に応じたことについて、岩屋さんはこんなふうに語っていますね。
政治局員の2人が会っていただいたこと自体、対話が途絶えていた状況からすれば一歩前進と言えるのではないか。
そして台湾友人に関する高市発言について、先ほどから言っている中国側の重大な表現、
すなわち撤回せよ、また国府せよに言い回しが変わったことについて、記者から質問されてこんなふうに答えていました。
中国側がどういう意図で言葉を選んだか判断する根拠はない。そうして厳しい立場に変わりはなかった。
友人2人に会った岩屋さん、本人が慎重な姿勢を示しているようですね。
中国側の態度に変化の兆しがある。そう評価するのはまだ早い気がしますね。
今、中国が日本に態度を難化させる必要があるのかということを考えます。
また、メンツを重んじる中国が自ら振り上げた拳を自分の方から下ろすのかということなんですよ。
私はいずれもないと思うんですよね。
先日、習近平主席がそこでの米中首脳会談を通じて、中国側としてはひとまず対米関係安定を維持できたと思います。
また、トランプ大統領からは中国は第二次大戦の同盟国だったという発言も引き出しましたよね。
これは中国との歴史認識を逸にするものだと思います。
一方の高石総理は台湾有事発言の軌道修正を図るような動きは、僕たちには表面的には見えてこないですよね。
そうですね。
じゃあ、中国要人2人が今回用いた表現の微妙な変化というのは何を意味するんですかね。
ヒントはですね、今から紹介するここにあるんじゃないかと私は思うんですよ。
ここで橋本さんに紹介してもらいます。
米中首脳会談後の日中関係
アメリカのトランプ大統領が9月24日、中国の習近平主席と会談した際、
中国は日本と台湾すべきだとの考えを伝えていたことが分かりました。
日本政府関係者が明らかにしました。
先週末の2日に日本の各メディアが報じたニュースなんですよね。
トランプ大統領が習主席に日本との対話をやってみたら、働きかけたというものなんですよ。
岩屋さんが中国の要人2人と会ったのは、このトランプ習近平会談の直後なんですよ。
中国要人が台湾友人に関する高市発言について従来の撤回せよをとりあえず引っ込めたのは、
実は中国からアメリカへのメッセージ。
もうちょっと言うと、トランプ大統領の提言はちゃんと聞いてますよ。
トランプさんの顔を立ててますよというメッセージかもしれませんね。
一方で中国側もいろいろな問題がある中で、日本側の反応を図ろうという意図もあるようにも見えますけど、
いずれにせよ日中間には今日紹介できなかった様々な摩擦、今後大きくなりそうな問題がたくさんあるんですよ。
ですから、この中国側要人二人の発言をもってして、日中関係改善への道継ぎが見えてきたと、私は思えないしまだ見えてこないですね。
日中関係の現在地について、今日は飯田さんに解説してもらいました。
飯田さんありがとうございました。
はい、ありがとうございました。
元RKB解説委員長で福岡女子大学副理事長の飯田和夫さんでした。
11:34

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