先生はなんで怒らないの?/ 保育士の感動エピソード
2026-10-24 15:48

先生はなんで怒らないの?/ 保育士の感動エピソード

おたよりを送る

【ほいくプラスについて】

ほいくプラスは、保育に関わる人が、自分らしい保育を続け、互いに学び合えるつながりを広げるための場です。

このポッドキャストでは、保育士の等身大の声を届けることで、保育者同士の縁を育み、保育に関心を持つ人との新しい接点をつくります。

現場で頑張る保育士の魅力と、実践に込められた思いを、より多くの方へ届けていきます。

全国の保育士が運営するこの番組を聴いて共感したこと、考えたこと、もっと聴いてみたいテーマがあれば、ぜひほいくプラス公式LINEへお寄せください。

配信のお知らせ、最新の活動情報、保育に役立つ情報も公式LINEでご案内します。

▼ほいくプラス公式LINE https://utage-system.com/line/open/aRJZDaNGgpeM?mtid=fqKzB9YnhJTP

保育士の経験は、誰かの明日を支える言葉になる 。ほいくプラスのポッドキャストとともに、一人ひとりの保育の物語に耳を傾けてみませんか。

感想

まだ感想はありません。最初の1件を書きましょう!

00:00
先生はなんで怒らないの先生はなんで怒らないの 年長の a 君にそう聞かれたことがあります
私はその時掃除の手を止めて思わずえっと聞き返しました a 君はこちらを見ず色を塗るても止めず
紙に目を向けたまま足を小さくバタバタさせていました にっこり笑っているわけでも真顔でいるわけでもない
静かな表情でポツリと尋ねたのです あの言葉を聞いた時私はどう答えたらよかったのだろう
a 君はどんな気持ちでそう尋ねたのだろう その場面を思い出すと掃除の手を止めた自分と色塗りを続けている
a 君の姿が浮かびます 短い質問でしたがすぐには返事ができませんでした
今日は a 君の言葉とその後に私の心に残ったことをお話しします
a 君はお兄ちゃんとお姉ちゃんがいる年長さんでした 夏休みはお兄ちゃんお姉ちゃんがお休みということもあり
a 君も縁をお休みすることが多くありました 久しぶりに登園した日他のお友達は外遊びを楽しんでいました
宴廷からは遊んでいる子どもたちの声が聞こえてきます a 君にはまだできていない制作やワークが残っていました
そこで今の時間に一つだけやってみようかということになり a 君はお部屋に残って取り組むことになりました
私も一緒にお部屋にいました そこの絵を好きな絵で好きな色で塗ってね
先生は今からお掃除をするね そう声をかけて私は掃除を始めました
みんなが外で遊んでいる中 a 君は一人でお部屋に残ることになりました けれど寂しそうには見えませんでした
私と2人で過ごすことが嬉しいのかなぁと思うような様子がありました 足を少しバタバタさせてニコニコしています
色を塗りながら夏休みの間に何をしていたのか 誰と一緒にいたのかいろいろな話をしました
私は掃除をしながら a 君の話を聞いていました a 君は先生の気を引きたくて注意されるようなことをすることもありました
そんな時私は行動だけを見て注意するのではなく 今この子は何を求めているのかなぁと考えることもありました
もちろんその答えがいつもわかるわけではありません 年長クラスにはいろいろな思いを抱えた子どもたちがいます
私は担任ではなくサポートとして関わる立場でしたが その子の様子を見て声をかけたり一緒に過ごしたりすることを大切にしていました
03:02
久しぶりに会えたことが嬉しい a 君もこうして先生と一緒に過ごす時間を楽しんでくれているのかな
そんなふうに感じていました しばらくして a 君が声をかけました
ねえ先生 何
そう返すと a 君は色を塗りながらポツリと言いました 先生は何で怒らないの
私は本気を持ったまま a 君の方を見ました a
思わず聞き返しました a 君はこちらと目を合わせず髪に向かったまま色を塗っています
足や体を小刻みに揺らしながら静かにしていました その表情は笑顔とも真顔とも言い切れません
ふざけているようには見えないでも深刻な顔で訴えているようにも見えない 私は本気を持つ手を止めました
先生も a 君が危ないことをしたりいけないことをしたりした時はちゃんと叱るよ
そういう時はしっかり伝えるよ 今は何も悪いことをしていないでしょ
そう話しました a 君は首を少し傾けて
と言いました それ以上何かを話すことはありませんでした
うーんと言った a 君は私の返事に納得したのか まだ不思議に思っていたのか私にはわかりませんでした
こちらを見て答えを待つ様子もなく色塗りを始めていました 私はその姿を見ながら今ここでさらに聞いて良いのか迷っていました
私は a 君の隣で色塗りを見守りながらどうしてそう聞いたのだろうと思いました
会話が途切れた後も急いで質問を重ねることはしませんでした 今思えばどうしてそう思ったのと聞くこともできたのかもしれません
ただその時は a 君が答えを求めているのか ふと思ったことを口にしただけなのか判断がつきませんでした
私は叱るときはしっかり目を見て叱るようにしています 友達や自分を傷つけること危険な遊びをした時
いけないことをした時にはきちんと伝えるようにしていました 叱るのは子どもを怖がらせるためではなく
何が危険なのかどうしていけないのかをわかってほしいからです 私はそう考えて関わっていましたが
その思いが a 君にどう届いていたのかは確かめられていません だから最初は私叱っているけどな
ちゃんと伝えているつもりだけどなぁと思いました それでも a 君の言葉が気になりました
私が伝えているつもりでも a 君には届いていなかったのかな 先生は怒らないと感じるということは私の叱り方が弱かったのかな
06:11
それとも叱られたという印象を強く残すのではなく 何がいけなかったかを伝えられていたのかな
どちらなんだろう a 君にとって怒るとはどんなことだったのでしょう
私が怒っていると思っている場面も a 君にはそう感じられていなかったのかもしれません あるいは私の言葉が穏やかだったからこそ伝えたいこととして受け取ってくれて
いたのかもしれません その時の私は答えを出せませんでした
今思い返してもあの時こうしていればよかったと一つに決めることはできません a 君は色塗りを終えるとできたと教えてくれました
私はできたねじゃあみんなのところに行こうと声をかけ 一緒に外へ出ました
a 君は他のお友達のいる宴廷へ行きました その後も a 君は登園する日もあればお休みする日もありました
私は年長クラスの担任ではなくサポートとして関わっていました そして翌月からは赤ちゃんの組の担当になり
a 君と毎日顔を合わせることはなくなりました それでも朝に会うと a 君は先生と言って私のところに来てくれました
私は両手を広げて a 君おはようと声をかけます すると a 君はにっこり笑って素直にぎゅっと抱きついてきました
そのぎゅーは朝に会った時の一度だけでした 会うたびに何度も抱きしめるのではなくその日初めて顔を合わせた時だけ
a 君は私が両手を広げるといつものように自然に抱きついてきました 私はその度に今日も元気に来てくれて嬉しい
今日も一日楽しんでねという気持ちを込めて a 君を抱きしめていました a 君はにっこり笑う可愛らしい男の子でした
朝のぎゅーでは先生に甘えたい気持ちを素直に表してくれているように感じました ただそれも私の受け取り方で本人がどう思っていたかは分かりません
それでも私は注意を受けるような行動の奥に先生に気づいてほしい 自分を見てほしいという思いがあるのかもしれないと考えることがありました
だから朝に a 君が自分から先生と呼んで抱きついてくれることは私にとって特別に 感じられました
何かをして注意されるのではなくただおはようとあってぎゅーっとする a 君との朝の挨拶には穏やかな時間がありました
09:04
私はその短い時間を大切にしたいと思っていました しばらくしてお父さんがお迎えに来た時のことです
a 君が靴下を履いていなかったことをきっかけにお父さんは厳しく怒っていました 言い方がきつく語尾も強い
a 君は下を向いていました声を出して大きく泣くのではなく 下を向いたまましくしくと泣いていました
担任の先生がどうしたのと声をかけてもお父さんはその声に反応せず 声を荒げていました
担任の先生と私は目を合わせお父さんが落ち着くのを待ちました その姿を見た時私は a 君が萎縮してしまうような叱られ方だと感じました
靴下を履いていないことが理由でも a 君にとってその強い口調がどんな風に届くのか 私は考えずにはいられませんでした
担任と目を合わせながら落ち着くのを待つ時間は長く感じられました その時私が a 君にかけてきた言葉や
叱る時に大切にしたいと思っていたことを改めて考えました その瞬間あの日の言葉が浮かびました
先生はなんで怒らないの もしかすると a 君は家庭での叱られ方と縁で私たちが伝える時の違いに子供なりの疑問を
持ったのだろうか そう思いました
でもそれが本当の理由かどうかはわかりません あの質問とお父さんに叱られていた姿がつながっていると決めつけることはできません
a 君があの言葉に込めた気持ちは本人にしかわからないことです 家庭の状況についても私には見えていないことがたくさんありました
いろいろな家庭がありそれぞれの生活があります 保育士が知ることのできる範囲には限りがあります
だからこそあの時もっと詳しく聞けばよかったと思う気持ちが今もあります どうしてそう思ったのと尋ねていたら
a 君は何か話してくれたのかな 家庭の様子を聞いてあげた方が良かったのかな
それとも言葉の理由を聞き出すのではなく いつも通り一緒に過ごすことがその時の私にできる寄り添いだったのかな
子供が話していないことをこちらから無理に聞き出すことが本当に寄り添うことなのか 今も考えます
詳しく聞くことだけが寄り添うことではないとも思います 子供が話したくない時に問いを重ねることが負担になることもあります
反対に何気なく口にした一言を流さず 先生は聞いているよという姿勢を見せることも大事です
12:07
今振り返るともしもう一度聞けるなら 家庭のことをいきなり尋ねるのではなく先生のどんなところを見てそう思ったの
と a 君自身の感じ方を聞いてみたいです 答えを聞いてもすぐに理由を決めつけずまずは
a 君がそう感じることを受け止める そんな聞き方もあったのかもしれないと今は思います
あの時の a 君は色を塗りながら静かに尋ねました 私は答えを返し a 君はうんと言いました
それだけの短いやりとりでしたでもその短い時間が今も私の心に残っています 保育士にできることは限られています
子どもがどんな家庭で過ごしているのか何を感じているのか 縁で見える姿だけですべてを知ることはできません
だからといってわからないまま何もしないのではなく目の前の子どもの小さな変化 に気づき日々の関わりを重ねていくことが大切だと感じます
同じ縁で過ごしていても子どもたちが抱えている思いや安心できる関わり方は一人一人違います だから私は決まった答えを当てはめるのではなくその日の表情や言葉を見ながら今この子にできることを考えたいと思って
います
縁で過ごす時間が少しでも安心して自分らしくいられる時間になるように
子どもの言葉を聞くこと表情や様子に目を向けること必要な時には伝えるべきことを伝えること そしてその子が先生と呼んでくれた時に受け止めること
家庭で起きていることを私たち保育士がすべて知ることはできません ご家族の思いをすべて受け止めたり家庭のことを代わりに解決したりすることもできません
でも a 君が縁に来てくれた時はその子の時間に100%の気持ちで向き合いたい 表情や言葉に気づき話してくれたことを受け止める
私にできることを一つずつ重ねていました 今の私には先生なんで怒らないのという問いへの答えは言葉だけではなく
毎朝の牛こそが答えだったのかもしれないと思います a 君が先生と呼んで両手の中に飛び込んできてくれる
その時私は今日も来てくれて嬉しいよ大好きだよという気持ちで抱きしめていました それが a 君の質問に対する本当の答えだったかは本人にしかわかりません
15:00
それでも縁で過ごす時間に私が伝えられた思いの一つだったのではないかと今は感じて います
叱ることは子どもの行動を止めたり危険を知らせたりするために必要な時があります そして叱った後もそのことの関係は続いています
朝の挨拶や牛の中にも大好きだよという思いを込めていました 特別な1日でなくても子どもと大人が交わした
おはようや朝の一度の牛が保育士の心に残り続けることがあります あなたが今日子どもと交わした短い言葉や仕草で心に残っているものはありますか
15:48

コメント

スクロール