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「変えたいと思った、その先で ― 保育士カナさん(仮名)の人生ノート」/先生の人生ノート
2026-10-09 15:46

「変えたいと思った、その先で ― 保育士カナさん(仮名)の人生ノート」/先生の人生ノート

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担任から主任、後輩育成へと役割が変わる中で、自分なりの役割の担い方を模索した一人の保育士の選択を描きます。

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ほいくプラスは、保育に関わる人が、自分らしい保育を続け、互いに学び合えるつながりを広げるための場です。

このポッドキャストでは、保育士の等身大の声を届けることで、保育者同士の縁を育み、保育に関心を持つ人との新しい接点をつくります。現場で頑張る保育士の魅力と、実践に込められた思いを、より多くの方へ届けていきます。


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変えたいと思った、その先で ― 保育士カナさんの人生ノート
主任って誰がなっても変わらないよね。 以前、先生たちとそんな話をしたことがありました。
カナさん自身もそう思ったことがあったそうです。 毎日の保育に、行事に、書類、現場が大変なのはわかっている。
でも、保育士の業界ってどうせ変わらない。 そんな風に感じてしまうこともありました。
それから数年、保育士8年目になったカナさんは、 初めて、幼児主任という役割を任されます。
幼児クラスの先生たちをまとめるリーダーのような立場です。
これまでの経験や知識を認めてもらえたことは嬉しい。 一方で、これまでより責任のある立場になることへの不安もありました。
そして、カナさんの中にはもう一つの思いがありました。
自分が幼児主任になったのなら、少しでも変えたい。 もっと円滑に仕事ができるようにしたい。できる限り不平不満のない職場にしたい。
以前はどうせ変わらないと思ったこともある場所で、 今度は自分が変える側に近い立場になったのです。
けれど、思うようにはいきませんでした。
人の話を聞く。研修に参加する。学んだことを伝える。それでも変わらない。
幼児主任として私はどうしたらいいんだろう。
カナさんは何を変えようとし、その中でどんな役割を見つけていったのでしょうか。
カナさんが初めて幼児主任になったのは、保育士として8年目のことでした。
それまでに全年齢の担任を経験していました。
保育士として幅広い経験があり、知識もある。
新年度に向けた延長、主任、乳児主任との会議の中でそんな理由を伝えられ、幼児主任に抜擢されたそうです。
これまでやってきた仕事を認めてもらえた。そのことは素直に嬉しいものでした。
でも同時に、自分にできるだろうか。そんな不安もありました。
幼児主任になる前からカナさんには気になっていたことがありました。
もっと円滑に仕事が進められたらいいのに。
先生たちが抱えている不平や不満、クラスによって違う状況、うまく共有されない情報。
これまで自分も現場に立ちながら、もう少しこうなったら、と感じることがありました。
だから幼児主任になったカナさんは、先生たちとのコミュニケーションを大切にしようとしました。
先輩にも後輩にも話を聞く。パートの先生にも、どう感じていますか?と積極的に聞きに行きました。
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幼児クラスだけではありません。
幼児主任や主任、園長にもこまめに報告、連絡、相談をする。研修にもたくさん参加しました。
そこで学んだことは、会議で先生たちにフィードバックするようにもなりました。
それまで、研修で学んだことを会議で伝える機会はあまりありませんでした。
だからこそ、学んできたことを共有すれば何か変わるかもしれない。
そんな思いもありました。
会議で話すと先生たちは聞いてくれます。
そのときは理解してもらえたように感じる。
けれど、何日がたつとまた依然と同じような状況に戻っている。
伝えたのにどうして変わらないだろう。
もっと伝えたほうがいいのか。もっと自分から動いたほうがいいのか。
幼児主任としてどのように立ち回ればいいのか。
少しずつわからなくなっていきました。
そんな中、幼児主任という立場だからこそ、間に入らなければならない場面も増えていきました。
先生たちから聞いた思いを園長に伝える。
園長から言われたことを今度は先生たちに伝える。
どちらの思いもわかるからこそ、片方の言葉もそのままもう片方に伝えるわけにもいかない。
どう伝えたらうまくいくだろう。
言葉を選んで間に入る。そんなことを繰り返していました。
どちらの言っていることもわかる。だからこそ、どう伝えればいいのか悩むこともありました。
そんな日が続く中で、なんで私がここまでしないといけないだろう。
そう思ってしまうこともあったそうです。
自分がなったら少しは変えたい。
そう思っていたはずなのに、実際には何も変えられていないように感じる。
変えたい気持ちがなくなったわけではありません。
でも、園長と先生たちの間に入り、どうにかしようとすることに、
かなさん自身も少しずつ疲れていました。
いつしかかなさんは理想を考えること自体が少なくなっていきました。
もっとこうしたい、ではなく、今日も何事もなく終わってほしい。
その日その日を無事に過ごすことをただ願うようになっていたそうです。
そんなある日、かなさんは保育とは別の業界で働いている仲のいい友人に
今感じていることを相談してみました。話を聞いた友人はこんな言葉を返したそうです。
考えすぎだよ。人の考えを変えることやこれまでの習慣を変えるなんて難しい。
だから視点をもう少し変えてみたら。
保育とは違う世界で働いている友人からの言葉でした。
その言葉を聞いて、かなさんはこれまでの自分を振り返りました。
06:05
先生たちの話を聞く。研修で学んだことを伝える。
どうしたら理解してもらえるかを考える。
それまでのかなさんは、人に代わってもらうことに力を使っていたのかもしれません。
では、人ではないものを変えるとしたら。環境を変えるって何を変えればいいんだろう。
かなさんはもう一度、自分がこれまで円滑に進まないと感じていた場面を振り返りました。
そして最初にしたのが、入次主任の先生に相談することでした。
クラスの先生たちの負担をもう少し減らせないかな。
情報共有ってもっとやりやすくできないかな。
園長先生には直接言いづらいけれど、現場では改善してほしいと感じていることもありました。
二人で話していく中で見てきたのが、毎日の保育体制を共有する体制ボードでした。
誰が見てもその日の状況が分かるようにする。
今このクラスは人手が欲しい。まだ事務作業が残っている。
そんなことも誰かを探して一つ一つ伝えなくても分かるようにしてみました。
大きな精度を変えたわけではありません。
体制ボードという毎日使っているものを少し変えてみたのです。
すると先生たちからこんな声が聞こえるようになりました。
見やすくなったよね。他のクラスって今こんなに大変だったんだね。
そして、今日こっちは余裕があるからヘルプ回れます。
そんな声も上がるようになりました。
金さんが、「もっと周りを見て。」と言ったわけではありません。
誰がどんな状況なのかが見えるようになったことで、
先生たち自身が気づき、声をかける場面が生まれていきました。
もちろん体制ボードを一つ変えただけで、すべてが円滑になったわけではありません。
金さんが思い描いていた職場にはまだ遠いところもありました。
それでも何も変えられていないと感じていた金さんにとって、
目の前で起きた小さな変化は嬉しいものでした。
人に代わってもらおうとするのではなく、環境の方を少し変えてみる。
友人からもらった一言をきっかけに、
金さんはそれまでとは違う方法を試し始めました。
用事主任として働く中で、金さんには別の役割も任されるようになっていきました。
後輩や新人の育成です。
この先、クラスリーダーとして引っ張っていける先生を育ててほしい。
新人の先生に仕事を教えてほしい。
そんな風に頼まれることが毎年のように増えていきました。
09:01
自分が保育をするだけではなく、今度は誰かに仕事を伝えていく。
でもここでも最初から思うようにいったわけではありません。
当時の金さんは後輩に対してかなりガミガミ言っていたそうです。
自分にはそれまで積み重ねてきた経験がある。
だから、これはこうした方がいい、次はこれをやった方がいいと気づいたことを伝えていました。
後輩にできるようになってほしい。困らないように教えてあげたい。そんな思いもありました。
けれど関わっていく中で金さんは思うようになります。
ガミガミ言っているだけじゃダメなのかもしれない。
言われたことをその通りにする。
それだけでは金さんがいないときにその先生自身が考えて動くことは難しい。
そこで金さんはすぐに答えを伝えることを少しずつやめてみました。
どうしたい?どうしたらいいと思う?
まずはその先生自身に考えてもらう。
金さんが考えていた方法とは違う意見が出ることもありました。
そんな時には、じゃあそれでやってみようかとその意見に賛同して実際にやってみることもありました。
もちろん考えた通りにいかないこともあります。
でも失敗した時には、だから言ったでしょ?ではなく、何がうまくいかなかったのか、
次はどうしてみようか、一緒に話し合うようにしました。
そんな関わりを続ける中で、ある2年目の先生に変化が見えるようになりました。
その先生自身が考えた保育をやってみたけれど、うまくいかなかった日のことです。
金さんが次の方法を伝える前に、その先生から言葉が出てきました。
今日はうまくいかなかったので、明日は別の方法を試してみたいと思います。
うまくいかなかったことを振り返り、次にどうするかを自分から考えていたのです。
仕事の進め方にも変化がありました。
自分の事務作業が終わるときちんと報告した上で、他にやることありますか?
今ならヘルプにも回れます、と自ら声を上げるようになりました。
以前は金さんがこうして?と伝えていた後輩が、少しずつ自分で周りを見て考えて動くようになっていたのです。
その後輩の姿は金さん自身が自分の関わり方を振り返るきっかけにもなりました。
幼児主任になったとき金さんは自分が周りを変えようとしていました。
後輩を任されたときには自分がきちんと教えなければと思っていました。
けれど自分が言葉で伝えるだけでは思うようにいかないこともありました。
12:02
体制ボードを変えたときには環境が変わることで先生たちの動きにも変化がありました。
後輩との関わりではすぐに答えを伝えるのをやめることでその先生自身が考える場面が増えていきました。
自分が前に立って全てを動かそうとしなくてもいい。
金さん自身も人と関わる中で自分の役割を少しずつ考えるようになっていたそうです。
ここまで歩みを振り返ってみると幼児主任になったばかりの金さんが思っていたのは、
自分がなったからには少しでも変えたいということでした。
先生たちの声を聞く、学んだことを伝える、自分から動く、それでも思うようにいかないことがありました。
後輩を育てる立場になってからも同じです。
できるようになってほしくて伝えているのに伝えれば伝えるほどガミガミしてしまう。
どちらも金さんなりに相手のことを考えての関わりでした。
でも、うまくいかない経験をするたびに金さんは自分の関わり方を少しずつ変えていきました。
先生たちに動いてもらおうとするのではなく、周りの状況が見える環境を作ってみる。
後輩に答えを伝えるのではなく、まずその人自身に考えてもらう。
すると、「今日余裕があるからヘルプ回れます。」と声を上げる先生がいました。
うまくいかなかった保育の後に、「明日はこうしてみようと思います。」と自分から次を考える後輩もいました。
担任から行事主任へ、そして後輩を育てる立場へ、役割が変わるたびに金さんに求められることも変わっていきました。
けれど変わったのは、役割だけではなかったのかもしれません。
自分が何とかしなきゃと前に立つことから、誰かが自分で考え、動き出すために自分に何ができるかを考えるようになったこと、それは最初からわかっていたことではありませんでした。
園長と先生たちの間に入り、「なんで私がここまでしないといけないんだろう。」と思ったこともありました。
後輩にできるようになってほしくってついガミガミ言ってしまったこともありました。
そのたびに、自分が何とかしなきゃと一人で抱えるのではなく、別の関わり方を試してみる、そんな経験を重ねながら金さんは自分なりの役割の担い方を探していきました。
新しい役割を任されたとき、ちゃんとやらなきゃ、自分が引っ張らなきゃと思うことがあります。
けれど、役割を任されるということは、一人で全部を背負うことではないのかもしれません。
15:01
そして、その役割をどうになっていくのかも、任されたその日に決まるものではありません。
迷ったり、うまくいかなかったり、時には関わり方を変えながら、少しずつ見つけていくものなのかもしれません。
今、あなたが担っている役割の中で、自分が何とかしなきゃと思っていることはありますか?
その役割を、あなたはこれからどんなふうに担っていきたいですか?
先生の人生ノート、今回は保育士かなさんの書いたいと思ったその先で、あなたのノートには今、どんな役割が書かれていますか?
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