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教育カフェテラスの時間です。進行役の水野太一です。 国内外の教育の話題を一つずつ取り上げて、二人で考えています。
アシスタントの高橋紗友香です。今日もよろしくお願いします。
今日は、これからの学校の設計図の話です。
こどもとITの9月8日の記事で、文部科学省が8月31日に公表した新しい学習指導要領に向けた審議まとめの素案を紹介しています。
学習指導要領は、教員採用試験の勉強で何度も読みました。今度の改定は私が先生になってから始まるのでしょうか?
小学校で全面的に始まるのは2030年度。中学校は2031年度の予定です。
紗友香さんが働き始めて数年経った頃でしょう。素案では、土台となる考え方として3つを挙げています。
主体的、対話的で深い学びを実際の授業に根づかせること、多様性の創設、そして実現できるかどうかを確かめることです。
多様性の創設は、以前この番組で不登校を減らした中学校のお話でも出てきました。3つ目の実現できるかどうかが入っているのは少し意外です。
そこが今回の特徴だと思います。まず大きな柱が、情報活用能力です。
これをすべての教科の学びを支える基盤と位置付けました。
今までは小学校ではどこで育てるのかがはっきりせず、中学校では技術家庭科の技術分野の一部、高校では主に情報科がになってきました。
小学校でどこで育てるかがはっきりしていなかったというのは実習でも感じました。タブレートの使い方は担任の先生ごとにかなり違いました。
それを核になる場所で育てる形に改めます。小学校は総合的な学習の時間に情報の領域を加えます。中学校は今の技術家庭科を分けて家庭科を独立させた上で、情報技術科という新しい教科を作ります。高校の情報科は内容をさらに充実させます。
家庭科が独立すると聞くとミシンのお話を伺ったかい思い出します。専門の先生が足りないというお話でした。新しい教科ができるとまた先生が足りなくなるのではないでしょうか。
鋭い心配です。素案も新しい教科や領域は先生に新たな専門性を求め、地域によっては担当する先生が足りないと認めています。そこで国が現場に任せ切りにせず、研修の充実、指導体制の確立、免許の状況の改善を柱にした計画を示しています。
授業の時間はその分増えるのでしょうか。今でも時間割はいっぱいに見えます。
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以前、オランダの学校の会で仕事の量を先に確かめるというお話がありました。時間を増やさないというのはそれに近い考え方でしょうか。
面白いのが、調整授業時数制度という考え方です。総授業時数は変えずに、学校の判断で、教科ごとの時間を最大15%まで増やしたり減らしたりできます。全ての教科で上限まで減らすと、小学校で138コマほど、中学校で128コマほど、週にすると4コマほどの時間が生まれるそうです。
生まれた時間は何に使うのでしょうか。私なら、躓いている子の学び直しに使いたいです。
その使い方も想定されています。一人一人に合わせた学びにあてる学習枠、教材研究や研修にあてる研究や研修のための枠のほか、今ある教科に上乗せしたり、学校独自の教科を作ったりもできます。単に授業を減らすのではなく、余白の時間を生み出すための仕組みです。
2028年度から、全国で先に始めることもできる方向で検討されています。
先生の研修の時間まで入っているのは嬉しい驚きです。余白という言葉は土曜日の働き方の回でも大事なこととして出てきました。
学校に裁量を戻すという点では、同じ方向を向いていると言えそうです。もう一点、生成AIの時代の深い学びについても書かれています。
AIを使うとしても、指示や問いを出すのは人間で、AIが出した大量の情報が正しいかどうかを見極めるには一定の知識の土台がいる、としています。
AIがあるなら、知識はもう覚えなくていい、という話になるのかと思っていました。
逆なのです。見極めるためにこそ知識が要ります。一方で、意味や理解を伴わない丸暗記や知識の量だけを競うような評価は、ますます価値が下がる、と捉えるべきだとしています。
そう言っていいでしょう。この素案は特別部会での了承を経て、広く意見の募集にかけられる予定です。
答申は2026年の冬、小学校と中学校の告示は2026年度末の見込みです。
今日の話で一番考えたのは、実現できるかどうか、という三つ目の柱です。
新しいことを足すたびに、先生の時間が本当に足りるのかを最初から一緒に考えてくれる学習指導要領なら、私は安心して現場に立てそうです。
何を学ぶかと同じくらい、誰がどんな時間で教えるのかが設計図に書き込まれ始めました。
今日は、新しい学習指導要領の素案から、情報活用能力と時間の使い方を見てきました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。次回もまたここでお会いできるのを楽しみにしています。