#1936. 「プロ」とは「公言すること」である
2026-09-17 16:42

#1936. 「プロ」とは「公言すること」である

【今日のひとこと】

英語史の専門家としてアウトリーチ活動をしていることについて,語源から考えてみました✨

【ハッシュタグ】

#heldio #hel活 #アウトリーチ

【参照URL】

https://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2026-09-01-1.html


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- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491

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7. 「#1607. 英語帝国主義から世界英語へ」 https://voicy.jp/channel/1950/j8ktxr4px3
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9. 「#1581. 歯科医学×英語史 with 無職さん --- 『英語史ライヴ2025』より」 https://voicy.jp/channel/1950/4th1404k03
10. 「#406. 常識は非常識、非常識は常識 --- 私の海外体験の最大の成果」 https://voicy.jp/channel/1950/8q0i86tmgp

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サマリー

本エピソードでは、「プロフェッショナル」という言葉の語源を掘り下げ、「プロ」とは「公言すること」であるという視点から、英語史のアウトリーチ活動における自身の役割を考察する。元々はラテン語で「前に向かって話す」という意味を持つ「profiteri」に由来し、信仰を公言して修道会に入る行為を指した「profession」が、時代と共に法律、医学、学問といった専門職へと意味を広げていった経緯を解説。現代における「プロ」の意味合いを語源に照らし合わせ、専門家として自らの知識を社会に表明することの重要性を説いている。

「プロフェッショナル」の語源を探る
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史、英語語源ハンドブック、言語学ですっきり解決英語のなぜの著者の堀田隆一です。
去る6月10日、NHK出版新書、「英語史で説く英文法の謎。なぜ三単元のSをつけるのか?」が発売されました。
発売前増撮がかかりまして、今第2釣りが全国、つつ裏裏の書店に並んでおります。大変ご好評いただいております。ありがとうございます。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ、英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は2026年9月17日、木曜日。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日の話題なんですけれども、語源と私の英語史アウトリーチ活動を掛け合わせたような話題なんですけれども、
プロフェッショナル、プロを意味するこの単語ですけれども、深掘りしていきたいと思います。
プロとは、公言することである。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、本日の話題なんですけれども、プロフェッショナルという単語を深掘りしたいと思うんですね。
これプロフェスという動詞が元になっているんですが、このプロフェスというのは公言するということなんですね。
ここから派生した単語がプロフェッションでありプロフェッショナルなんですが、何を公言しているということなのか、このあたり迫りたいと思います。
私、このお聞きのヘルディオもそうなんですけれども、毎日のように英語史をお茶の間におもとに、英語史のコンテンツをいろんな形でお届けしております。
これを英語史のアウトリーチ活動、ヘル活というふうに界隈では呼んでいるわけなんですけれども、自分自身の肩書きについて考えさせられる機会が多いんですね。
私は大学に所属している英語史の研究者であり、専門家というふうに見られることが多いんですね。
専門家といえば英語では今日取り上げるこのプロフェッショナル、いわゆるプロということなんですよね。
大きなリスナーの皆さんも、日々何らかの分野のプロとして働いている方が多いのではないかと思われます。
ですので、ご自身にも引きつけていただいて、このプロフェッショナルとはどういうことなのか、プロプロと言うけれども、本来、元来どういう意味だったのか。
語源や言語を遡ることで、この単語が指す意味について、改めてここで立ち止まって考えてみたいというふうに思った次第です。
まず、プロフェッショナル、これはALという形容詞語尾がついているんですね。
ラテン語の語尾なんですけれども、これ結局形容詞なんですよ。
プロフェッショナル、専門職のという意味ですね。
専門職に就いている人のことも表す、つまり形容詞がそのまま名詞化した用法も一般的なんですけれども、
本来的にはALというのは形容詞語尾なので、プロフェッショナルというのは専門職のという形容詞なんですね。
これ自体は何からできているかというと、プロフェッションですね。
これ専門職ということになりますね。
このプロフェッションをさらに遡っていきますと、ラテン語の動詞、profitéryに行き着きます。
これは、公言するとか、公然と述べるという意味の動詞なんです。
ここからの発声語がプロフェッションであり、プロフェッショナルという関係なんですね。
では、このラテン語の動詞、profitéryについて分解していきたいと思うんですが、これはproという瀬戸字ですね。
それからfatéryという実質的な意味を担っている部分、この2つの要素からできていますね。
proというのは、これ前にということです。
なので、公然とといいますかね、前に話しかける、前に向かってという感じなので、公然とというニュアンスも出てきますね。
単語本体のfatéryの方はですね、認めるとか述べるという意味ですね。
さらにこれを分解しますと、語源的には話すを意味するfaryという語幹に行き着くということなんですね。
つまり、profitéryというのは、辞儀通りには前に向かって話す、前面に出て言い表すというのが発想にあるんですよね。
前に進み出てはっきりと物言いをする、何か勇ましいイメージはありますけれども、これを受け継いだのが英語の動詞professということなんですね。
この同じ語幹にやはり遡っていく英語としての動詞の形はprofessみたいになっていますけれども、
この英語professはですね、やはり意味は公言するということなんです。
「プロフェッション」の歴史的変遷
ここがまず大元の意味としてあるんだということなんですが、では次にprofessionあるいはprofessionalという本題ですね。
この単語が名詞形容詞の形で英語に入ってきたのは、後期中英語期なんですね。
大元は先ほど述べたとおりラテン語なんですけれども、そこからフランス語を経由して英語に入ってきます。
だいたいフランス語から入ってくるというのは中英語期ということなんですね。
この単語の場合、14世紀ぐらいなので中英語期も後半になってからなんですけれども、
英語に取り込まれたときの最初の語彙といいますか、つまり英語での使用ですね、professionあるいはprofessional。
最初に使用されたときの語彙は何だったかというと、実はですね、極めてキリスト教的な語彙だったんですよ。
そもそもキリスト教用語と言っていいぐらいのものだったんですね。
これは信仰を公言して修道会に正式に入ること、これがprofessionだったんですよ。
つまり正式に私はクリスチャンです。
そしてこれからですね、キリスト教の門に正式に入ります。
そして修道士になりますという、これを公言することなんですね。
正願を立てることという言い方をしてもいいと思うんですけれども、
修道士や修道女になるということは、信仰を人前で、つまり社会的に公言してそれを認めてもらうということにほかならなかったわけですよね。
人知れずひっそりと信仰を持つ、これだと本当に罪や罪気なんですね。
そうではなくはっきりと公にする、これがprofessionの出発点だったんですね。
つまりかつてのprofessionとは、職業的な聖職者、修道士になる誓いそのものを指していたという、
極めて特殊なキリスト教用語だったというところから出発しているのが面白いですね。
そしてこの手の宗教的な語義であるとか宗教的な単語そのものですけれども、
だいたい世俗化していくんですよ、近代にかけて。
そして現代にかけて、本来は宗教用語だったものが世俗化していくということは、
日本の仏教用語などでもたくさんありますし、
英語、西洋の世界でもキリスト教用語だったものが一般化、世俗化するということは非常によくあります。
そしてだいたいそれが起こるのが近代英語記にかけてなんですが、
この今私たちが注目している単語もズバリそのぐらいの時期なんですよ。
中英語記の末期から近代英語記初期にかけて、
この宗教的な専門職と関わりが強いといえば強いんですけれども、
心学、法律、医学といった現在でも学識ある専門職、高度に専門的な職業ですよね。
これを指すようになっていったということなんですね。
こういう形で世俗化が進んでいったと。
考えてみればこの3つはですね、やはりキリスト教と関係が深いんです。
人々の魂とか権利、身体ということですね。
人間のあるいは人間社会の重い部分を預かる仕事ということでですね。
ただの仕事、職業とは別軸でですね、高度な専門的な素養が必要とされる、
訓練が必要とされるというところで、
ある種ですね、キリスト教に入るわけではないんですが、
誓いのようなニュアンスというのを引き継いでいるといってもいいと思うんですよね。
修道院に入るときの誓願がいつのまにか聖職に就くとき一般、
あるいは弁護士になったり医師になるというときの厳粛な先生へと形を変えていったということなんですね。
現代における「プロ」の意味とアウトリーチ活動
そう考えると現代でもですね、医師、弁護士、あるいは学問ですね、学術の等ですよね。
資格を得る際に公の場で先生を行う監修が残っていたり、
大やけに学位を授けられたりということで極めて公的な、厳粛な色彩が強いわけですが、
これは歴史を引きずっているといっていいと思うんですよね。
さらに時代が下がりまして、後期、近代、英語期になると形容詞としてのプロフェッショナルが
その道を制御とするという、いわゆる今のプロですよね。
アマチュアに対立するところのプロ。
ちゃんとそれでお金を稼いでいる。
そしてそれを職業としているというような意味合い。
さらにこの世俗化が進んだという言い方をしてもいいですよね。
この意味が確立してくるんですね。
大義語であるアマターですね。
これは愛好家との対比の中で、現在私たちがよく知っている
プロフェッショナル語感が定着していったということなんです。
極めて近現代的な対立ということになります。
ちなみにこのアマターという語ですよね。
これもラテン語で愛するを意味する動詞、
アマーレと語根を共有しています。
つまりですね、プロは公言する人。
アマチュアというのは愛する人。
この対比もなかなか興味深いと思いませんか。
好きだからやっているという人とですね、
公にそれを名乗ってなりわいとするという人ですよね。
似ているようでいて根っこにある発想はまるで違うと
言ってもいいのかもしれませんね。
こうして語源をたどってみますとね、
プロフェッショナルという言葉の根底には、
公言するという前に進み出てはっきりと物を言うという
行為があったということがわかるんです。
つまりプロであるというのは単にそれで
生計を立てているという手段、
生活の手段の話であるだけではないんですね。
自分はこれを専門とするものですというふうに
社会に向けて宣言する行為でもあったわけです。
歴史的語源的にはということですよ。
黙って腕を磨いているだけではまだ
プロフェッションとは言えないということですね。
誰かに向かってはっきりと表明して
初めてプロフェッションになる。
そういう含みが本来的にはあったということ。
これ語源を調べてですね、
私もわかってきたということなんですね。
さあ私自身振り返りますと
アウトリーチ活動という文脈でですね、
この語源の話考えてみたいと思うんですが
非常に示唆的だなというふうに感じています。
私は英語字の研究者であり専門家です。
自らの専門性を看板として掲げて
それを広く外に向けて表明していく。
研究所の中に閉じこもって論文を書いているだけでは
プロフェスしたことにはならないということなんですね。
こうしてヘルディオでお話ししていることもある意味では
私自身が英語字の専門家であるということを
日々皆さんに向かってプロフェスし続けている
そんな営みなのだろうと思います。
もちろんですね、自分は専門家だみたいに
ガンガンと前に押していくということに
そば優さとか、こんなにガンガン述べていいものだろうかという
ちらっとそこの違和感といいますかね、恥じらいといいますか
ない、ではないわけなんですが
このように実際上アウトリーチして
公言といいますか、英語字を広めていくという活動をしている以上
これは私は英語字の専門家です、研究者ですという立場を
はっきりさせていく必要はあるだろうというふうに考えています。
アウトリーチ活動というのは単なる広報活動ではないんですね。
むしろプロフェッショナルであることの本質そのものなのかもしれません。
そうした営みこそがまさにプロフェッショナルという語の
語源に忠実な姿だと言えるのではないでしょうか。
何も語源にこだわる必要がないという考え方もあるわけなんですが
今回語源をひもとくことで新たなプロの一面、側面というのが
私も見えてきたなという感じがする次第です。
皆さんもぜひご自身のプロフェッショナルという言葉の意味ですね。
この機会に見つめ直してみてはいかがでしょうか。
何を専門としそれをどのように講源していくか
そんな問いを今日は皆さんにも投げかけてみたいと思います。
新刊紹介とエンディング
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
プロとは講源することであると題してお話しいたしました。
私も改めてこの語源をかみしめながらですね
日々のヘルディを配信続けてまいりたいと思います。
皆さんどうぞよろしくお願いいたします。
最後に絶賛発売中の新刊書なぜ3単元目撃マップ企画のお知らせです。
全国のリアル書店で本書を見つけましたら
町と書店の名前を添えてなぜ3単元が置いてありましたよとお知らせください。
私がグーグルマップ上にピンを立てていきます。
日本地図をなぜ3単元で埋めていく。
英語紙をお茶の間に広めていくというのが企画の趣旨です。
また読み終わった方いらっしゃるかと思います。
ぜひですね読み終わった後は
Amazonレビューなど各種のプラットフォームで本書のレビューご感想もお寄せいただけますと幸いです。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように
英語史研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日。
16:42

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