==今回の内容==
「あなた、本当にうれしのさんですか?」「そうですよ」「では、そのエビデンスを示してください」
開始3秒でアイデンティティを否定される男、うれしの。今回は便利な横文字――エビデンスを取り上げます。
「論文があります」は、実はゴールではなくスタート。専門家が言った、12人で試した、サルでは効いた、科学的根拠があります……全部エビデンス。でも、全部同じ強さではありません。
エビデンスピラミッド、GRADE、チェリーピッキング、怪しいサプリ広告を横目に、「結局、何を信じればいいんだよ」という沼へ突入。しかも最後には「強いエビデンス=あなたに効く」でもないことが判明します。
信じすぎてもダメ、疑いすぎてもダメ。科学とは、白黒をつける技術ではなく、どこまでなら言えるのかを見極める技術なのかもしれません。
==ダイジェスト==
本人であるエビデンスを示せ
「エビデンスがあります」だけでは足りない
エビデンスピラミッドとGRADE
「エビデンスがない=嘘」でもない
EBMと「あなたに効く」は別の話
==関連リンク==
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==出典==
GRADE Working Group — What is GRADE?
https://www.gradeworkinggroup.org/
Cochrane Handbook Chapter 14: Completing ‘Summary of findings’ tables and grading the certainty of the evidence
https://www.cochrane.org/authors/handbooks-and-manuals/handbook/current/chapter-14
Cochrane Handbook Chapter 10: Analysing data and undertaking meta-analyses
https://www.cochrane.org/authors/handbooks-and-manuals/handbook/current/chapter-10
Cochrane — What are systematic reviews?
https://www.cochrane.org/evidence/what-are-systematic-reviews
Oxford Centre for Evidence-Based Medicine — OCEBM Levels of Evidence
https://www.cebm.ox.ac.uk/resources/levels-of-evidence/ocebm-levels-of-evidence
Cochrane — Randomised controlled trials as a safeguard against biased estimates of treatment effects
Evidence based medicine: what it is and what it isn't — BMJ
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サマリー
この回では、本人確認のやり取りをきっかけに、「エビデンス」とは単に証拠や論文が存在することではなく、根拠の種類や信頼性まで見る必要があると説明します。目撃証言・防犯カメラ・DNAの例や、論文の査読、対象が細胞・動物・人間のどれか、人数、研究間の一致、チェリーピッキングなどを通じて、エビデンスの強さを比較します。エビデンスピラミッドが研究方法の種類を、GRADEが結果をどこまで確かめられるかを評価する枠組みとして紹介され、サプリ広告の「科学的エビデンス」や少人数実験、ビフォーアフター写真への注意も語られます。エビデンスがないことは直ちに嘘を意味せず、科学は白黒を断言するより「今の研究からどこまで言えるか」を見極める営みだと整理されます。さらに、質の高い研究で平均的な効果が示されても個人に効くとは限らず、EBMでは研究結果だけでなく医療者の知識・経験と患者自身の状況や価値観を合わせて判断すると説明します。最後に、「何について、誰で、何と比べ、どれくらい差があり、どれくらい確かなのか」という五つの問いを、エビデンスを聞く際の確認事項として提示します。
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