#12-B 財務・税務時事ニュース:政策金利の利上げ&企業倒産件数の増加
2026-10-05 18:52

#12-B 財務・税務時事ニュース:政策金利の利上げ&企業倒産件数の増加

日銀の政策金利が31年ぶりの金利水準に、そして1ヶ月の企業倒産件数が14年ぶりの高水準に。中小企業の経営に直結する時事ニュースをわかりやすく解説し、企業として備えるべきことについても話しました。


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1998年生まれ、東京都練馬区出身。大学で学年ビリになる中、「どうせやるならてっぺん目指せ」という祖母の一言で公認会計士を志し、大学3年から2年でストレート合格。大手監査法人の金融部門で3年経験した後、税理士法人へ。現在は税理士と中小企業専属の社外CFOとして経営者の右腕として伴走中。2児(赤ちゃんと猫)の父として子育てにも奮闘中。

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サマリー

日銀の政策金利引き上げと企業倒産件数の増加を、中小企業の資金繰りに結びつけて解説する。政策金利から短期プライムレート、企業の借入金利へ波及する仕組みを説明し、金利上昇が支払利息だけでなく返済能力や新規融資にも影響すると指摘する。倒産件数は2026年8月に827件となり、その約8割が販売不振などの不況型倒産だった。金利上昇と倒産増加によって金融機関の選別融資が強まる可能性を示し、借入一覧の作成、金利上昇時の影響試算、債務償還年数の確認を勧めている。

政策金利の引き上げと中小企業への波及
正しい財務、賢い税務。 この番組では、中小企業専門の社外CFOである深澤健太が、
ゼロから学ぶ会社のお金の話をテーマに、 中小企業の社長さんのためになる財務・税務の話をお届けします。
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この番組とも重なるような中小企業個人事業主向けの財務に関するお話をします。
10月29日木曜日14時から16時で参加費は無料となっています。 概要欄にリンクを貼っていますので、興味のある方は是非チェックしてみてください。
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全4回の参加も単発での参加も大歓迎です。
今日はB面ということで、僕が一人で話す回となっておりますが、
B面では今ですね、銀行融資完全マニュアルというシリーズをお届けしていますが、
前回に引き続いて1回お休みして、時事ネタをやらせてもらおうかなという風に思います。
ここ2週間ほどで中小企業の経営に直撃するようなニュースが2つほど出ましたので、
1つ目が金利、もう1つ目が倒産件数と、別々のニュースとしてこれら報じられていたんですけれども、
実際は同じような世界線というか、一方の線で繋がっているような事件ですので、
皆さんの会社の資金繰りに関連させながらその話をしようかなという風に思っております。
まず1つ目が日銀が政策金利を1.25%上げました。
9月18日にこのニュースが出たんですけれども、約0.25%の利上げになります。
6月の会合以来では約3ヶ月ぶりですね。
決定の会合においては反対票も2票入ったようですが、賛成多数でこちらの利上げが決まりました。
この1.25%という水準なんですけれども、1995年以来およそ31年ぶりの高さですね。
31年前、僕はまだ生まれておりません。
つまりどういうことかというと、今経営されている社長さんの多くにとっては実務として経験したことがない金利水準に入ってきているということですね。
なぜこの金利を上げたのかという部分なんですけれども、報道を見る限りですけれども、一番大きいのは物価の上振れリスクですね。
現豊かと円安、今年に入ってからドル円は1ドルあたり155円から160円台で推移しているんですけれども、輸入コストがずっと上がり続けているんですね。
ですのでそこを抑えにいく形でなんじゃないかなというふうに思っております。
面白いのは、8月の消費者物価指数は1.7%で、伸び率が4ヶ月ぶりに縮まっているんですよね。
目標の2%を下回っている状態で、それでも金利を上げにいったと。
つまり日銀は足元の消費者物価指数じゃなくて、先の上振れリスクを見て動いたんじゃないかなというふうに思います。
これが何を意味するかというと、物価が落ち着いたから利上げは打ち止めですというふうにはならない、そうとは限らないということですね。
次は今年の冬という見方も出ているぐらいなので、皆さんも金利が上がるという前提で自社の財務を組み立てるといったフェーズに入った方がいいんじゃないかなというふうに思います。
ここで整理しておきたいのが、政策金利と自社が払っている利息の関係ですね。
日銀が金利を上げましたと言われても、自分の会社にいくら関係あるのかってなかなかピンとこないと思うんですけれども、ここをつなげていこうかなというふうに思います。
まず第一弾が政策金利ですよね。今お話ししていた金利の部分です。
今回1.25%に上がったところなんですけれども、この政策金利というのは銀行同士がお金を貸し借りするときの金利で、我々消費者が直接払うものではありません。
次に第二弾目が短期プライムレートという通称タンプラーなんて言いますけれども、これは銀行が一番信用力の高い取引先に1年未満の短期の融資で貸すときの最優遇金利となっております。
そして第三段階目が皆さんの借入金利です。
中小企業の融資は今第二弾目のタンプラーに一定の上乗せをして決まっているものが非常に多いんですけれども、タンプラープラス1%とかみたいな感じで決まったりします。
つまり政策金利が上がるとタンプラーが上がる、タンプラーが上がると自社の支払い利息が上がるという順番で聞いてきます。
金利上昇が返済能力に与える影響
そのタンプラーが今どうなっているかというと、収容庫の再品値で2026年8月3日から年2.375%になっております。
2024年の9月時点では1.625%でしたので、2年足らずで約0.75%上がっていると。
0.75%くらいならそんなに変わらないのではないかと思う方もいるかもしれませんが、
借入り算額が仮に1億円あったとしたら、単純計算で年間の支払い利息が75万円増えると、5000万円なら37万5000円増えると。
これは利益からそのまま消えていっちゃう金額ですので、少なくない金額なんじゃないかなと思います。
しかも今回の1.25%への利上げはまだ反映されておりません。
タンプラー2.375%というのは、6月に制作金利が1%になったのを受けた水準です。
9月の利上げ分はここから確保が折り込んでくる可能性が高いと。
もう一つ、帝国データバンクが9月18日に出した試算があるんですけれども、
有利子負債のある約16.8万社を分析したもので、借入り利息が0.25%上がると、1社あたり年間で約46万円負担が大きくなると。
超低金利の世界というふうに今まで言われていたんですけれども、
そこから金利のある世界へというのは概念の話ではなくて、
実際に支払い利息という部分で、数字として皆さんの経営に直接インパクトを与えるような状況になってきています。
この話をすると結構な確率で言われることなんですけれども、利息も経費になるからと言っている社長さんも結構いるんですけれども、
これ半分正解なんですけれども、その半分はもうちょっとすごく危ない危険な考え方なのかなというふうに思っておりまして、
確かに支払い利息は損金になるんですけれども、法人税率をざっくり30%とすると、
75万円の利息が増加したら税金が22万5千円くらい減りますと。
だから実質の負担は52万5千円くらいですよというふうに考える社長もいるんですけれども、
計算としては合っていますね。
それでも52万5千円は実際にキャッシュが出ていっている。
経費になるというのは出ていく金額が減るという意味ではなくて、出ていった後に税金が少し下がるという意味でしかないので、
もっと大事なものが元本の返済というのは経費になりませんというのが皆さん一番念頭に入れてほしいもので、
多くの社長さんが混同されているところなんですけれども、
毎月銀行に返している金額のうち経費になる部分というのは利息の部分だけなんですよね。
元本の返済部分というのは経費でも何でもなくて、ただ毎月のキャッシュが減っているだけです。
じゃあ元本は何で返しているのかというと、返済原資は税引き後の利益に減価消却費を足したものとなっております。
これは深澤税務の第1回でも説明させていただきましたけれども、
もう一回言いますけれども返済原資というのは税引き後の利益に減価消却費を足したもの。
これが1年間で返済に回せる金額の上限となっております。
利益が出ていてもですね、税金が払った後に残る残高がですね、そもそも少なければ返済で詰まっちゃいますよね。
そして金利が上がるとこの構造がさらにきつくなります。
どういうことかというと支払い利息が増えると税引き前の利益が減りますよね。
ということは税引き後の利益も同時に減るということは返済原資が減ります。
金利上昇というのはですね、支払い利息がただ上がるというわけではなくて、
自社の返済能力そのものを削ってくるということを皆さん覚えておいてください。
この前の深澤ゼミでも話しましたけれども、債務償還年数というのは借り入り残高を返済原資で割った年数ですけれども、
これが10年超えちゃうと新規の融資はだいたい厳しくなっちゃいますという話をさせていただいたんですけれども、
金利が上昇して返済能力が減っていけば、次に借りられる可能性も削っていっちゃうということになりますね。
企業倒産件数の増加と背景
さて、2つ目のニュースに行こうかなというふうに思うんですけれども、
こちらは倒産件数の話です。
2026年8月の全国企業倒産は定額データバンクの集計で827件と、
前年の同じ月が751件でしたので、10.1%の増加ですね。
3か月連続で前年を上回っています。
東高商業リサーチの集計ですと830件なので、同じような水準となっております。
注目すべきはですね、8月で800件を超えたのは2012年以来14年ぶりという点ですね。
8月って思い休みがあるので、例年は件数が比較的落ち着くような月になっているんですけれども、
その8月で800件を超えてくると。
1月から8月の累計が7199件。
前年同期が6710件ですので、7.3%の増加と。
このペースだと2026年は2年連続でですね、年間1万件を超えるというような見込みだそうです。
これ中身見ていくともっとはっきりしてくるんですけれども、
倒産の収入で一番多かったのが販売不振で659件。
売りかけ金の回収なんなども含めた不況型倒産というのが667件で全体の8割を占めています。
つまりこれ特殊な事情で潰れているわけじゃなくて、単純に売れなくて資金が尽きて潰れていると。
もう一個がですね、僕気になったデータがあるんですけれども、
価格転換率が39.9%。
今年の2月の調査では42.1%だったので下がっているんですよね。
皆さんも多分消費者として感じている部分が多いと思うんですけれども、
コストは上がり続けているのに値上げが結局追いついていないんですよね。
しかも転換率が落ちているということは、値上げのスピードよりも
仕入れ価格の上昇スピードの方が早いということですね。
それからまたこれは経営者ご自身の話なんですけれども、
経営者の病気だったり死亡を収入とする倒産がですね、
1月から8月の累計で268件と。
前年同期が297件ですからかなり増えています。
事業承継の準備がないままそういう状況になっちゃったというような会社がですね、
それだけたくさんあるということで、
これはこれでいつか一本やりたいなというふうに思っております。
金利上昇と選別融資の連動
東京商工リサーチのコメントにこういう一説があったんですけれども、
秋口以降資金需要が活発になる時期に入るけれども、
金融機関は次第に選別融資を強める可能性にあるという風な
コメントがありましたのでご紹介させていただきました。
じゃあ私は今まで2つのニュースをご説明させていただきましたけれども、
これらのニュースがどう繋がるかという部分なんですけれども、
まず金利が上がる。
そして銀行の調達コストが上がる。
で、銀行は貸し出し金利を上げると。
一方で倒産は増えていて、
しかも不況型、売れなくて倒産するというものが8割だと。
銀行から見れば貸し倒れリスクが上がっているということですよね。
金利上昇局面で貸し倒れが増えていると。
銀行がどう動くか。
貸す相手をより選ぶようになります。
これが先ほど言った選別融資という言葉ですね。
全体の融資額を減らすというよりかは、
出すところには出して、出さないところには出さない。
というような差がかなり開いていくんじゃないかなと思います。
選別の基準なんですけれども、
これまで話してきた債務、償還年数であったり、返済原資であったり、
要するに過去の決算書なんですよね。
特別なものは特になくて。
だからこそ借りられるときに借りておくという話に戻るわけなんですけれども、
銀行融資完全マニュアル第3回の借りるタイミングの回でも話していますし、
先日のゼミでもゲームを使って皆さんに体験してもらいました。
条件がいい時期に枠を確保していた会社と困ってから駆け込む会社で、
この先1,2年、ないしは3,4年だったり5年あたりで、
相当な差がつくんじゃないかなというふうには思っております。
中小企業が行うべき試算と備え
ということで、難しいお話が続いちゃったんですけれども、
最後にまとめますと、
政策金利が1.25%に上昇したと。
これは31年ぶりの水準です。
タンプラは2.375%で、2年足らずで0.75ポイント上昇していると。
で、倒産は8月で827件。
そのうち8割が不況型。
金融機関は潜物を強める局面に入っております。
皆さまぜひですね、借り入れを今している方はそれを一覧化してみて、
仮に利率が1%上昇したときにどのくらい影響があるのかを試算してみてください。
あとは債務償還年数を実際に計算してみて、
ちゃんと10年以内に収まる残高になっているのか、
追加入手を行う場合は何年になるのかというのをぜひやってみてください。
最後に告知をさせていただきたいと思います。
10月18日深澤ゼミの第2回をやります。
テーマがまさに今日の話の続きで銀行融資となっております。
参加者の皆さんに銀行員の立場になってもらって、
実際に決算書を審査してもらうワークをやろうと思っております。
今日の話が少しでも気になった方はぜひご参加してみてください。
詳細は概要欄のホームページ深澤ゼミのページにあります。
そしてB面は次回からまた銀行融資完全マニュアルのシリーズに戻ります。
正しい財務賢い税務、お聞きいただきありがとうございました。
番組への感想は、
ハッシュタグ正しい財務賢い税務でXに投稿いただけると嬉しいです。
また概要欄にありますホームページで授業内容やセミナー情報などについて紹介しています。
それでは次回もお楽しみに。
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