今日の流れはですね、2回に分けてお話ししようかなと思っているんですけれども、そもそも今までの融資には何が問題だったのか、じゃあ企業価値担保権って何なのか、
そして銀行の融資評価そのものが変わるその衝撃具合と、実際の現場の銀行員がどう見ているのか、この4つについてお話しできればなと思っております。
まずですね、そもそも従来の融資には何が問題だったのかという話なんですけれども、従来ですね、中小企業の社長さんが銀行からお金を借りる時には大きく2つのものが求められてきました。
これがさっきも言いましたが、1つ目が不動産などの物の担保ですね。
2つ目が社長個人の担保、これ経営者保障なんて言ったりしますけど、不動産などの物と社長個人の人、この2つの担保の柱で日本の中小企業融資は回ってきました。
これが何が問題かというと、まず先ほど言った不動産とか物が担保に必要ということは、不動産を持っていない会社だったり、無形資産が中心の会社、例えばですけれどもスタートアップとかで会社を始めたてですみたいな会社だったり、
IT企業やコンサル会社みたいな不動産を持っていないし、無形資産が中心の会社というのは実力があってもなかなか借りにくかったんですね。
つまりどういうことかというと、技術力だったりブランドですね、あとは顧客基盤といった目に見えない価値はこれまで担保としてなかなか評価されてこなかったんですね。
私個人的にもいくつかそういう会社見てきましたけれども、いいビジネスしてるのになという会社なのに不動産がないから融資が下りないみたいな会社は割と結構あります。
問題点の2つ目ですけれども、社長個人にリスクが集中しすぎるという問題があります。
先ほども言った経営者保証というのは、会社が倒れてお金返せませんとなったら経営者が個人的に払ってくださいと。
現金がなかったら社長個人の家も預金も全部持ってかれますよというような制度なんですけれども、これが昨今頻繁に行われております事業承継だったり事業再生といった部分のブレーキになってきたんですね。
例えばですけれども、事業承継で社長であるお父様から息子さんに伝えたいけれども、借金の経営者保証がついているから息子にも借金の保証を移動させることになると。
で、結局承継がストップしちゃうみたいなケースが割と多かったりするんですね。
また一度失敗した経営者が再チャレンジしづらいというのが今の日本の課題にも直結しております。
そして問題点の3つ目がですね、銀行側が事業を見なくなるという問題があります。
ここがですね、私的には地味に大きな論点というか、銀行さんと中小企業の社長さんがなかなか連携しない理由だと思っているんですけれども。
例えばですけれども、不動産担保があればですね、最悪銀行は貸したお金を回収できちゃうんですね。
でも、別に会社が倒産しようが、不動産売れば貸したお金が返ってくるからいいかみたいな感じになるんで。
銀行はですね、その会社の事業の中身に関心が薄くなるんですね。
なので、今実務上どうなっているかというと、貸した後はですね、定期的に決算書だったり試算表を見てモニタリングだけして、
業績が悪化してから慌てる、どう回収しようかみたいな部分が非常に多いんですね。
本来の銀行の役割というのは、企業のパートナーであるはずなのに、貸した瞬間にそこの距離ができちゃうので、
そういった部分が非常に私的にも業界的にも問題だったなというふうに思います。
これらの問題がですね、今回の企業価値担保権をきっかけにかなり大きく変わろうとしているというのが、今日の本題の一つです。
ではですね、企業価値担保権とは何かという部分をお話ししようかなと思うんですけれども、
ざっくり一言で言うと、会社の全ての財産、つまり事業をですね、丸ごと担保にする制度を企業価値担保権と言います。
どういうことかというと、不動産や在庫だったり、あとは売りかけ金みたいな目に見えるものだけではなく、
あと会計上の帳簿に載っているものだけではなくて、技術力だったり、ノウハウ、あとは顧客基盤、
あとは将来キャッシュフローだったり、のれんみたいな、全部を含めて一つの担保にするのが企業価値担保権と言います。
正式名称は事業者融資の推進等に関する法律なんて言いますけれども、
これが2024年の6月7日に成立してまして、2026年、今年の5月25日から施行ということで、かなりホットなものとなっております。
この企業価値担保権の仕組みの特徴を3つに整理していきました。
まずその特徴の一つ目が、先ほども言ったように担保の対象が事業丸ごとということです。
法律の条文を見ても財務者の、財務者というのはお金を借りる側の総財産が担保目的財産と言って担保となるわけですけれども、
似たものでLBOやプロジェクトファイナンスの全資産担保なんて聞いたことある人もいるかもしれませんが、
あれらは資産を1個ずつ担保にとる方式なんですけれども、
この企業価値担保権というのは事業全体を一括りとして担保化するという点で新しい仕組みとなっております。
そして特徴2つ目として、原則として経営者保障が禁止されるということです。
これはかねてから経営者保障はなくそうという動きが日本全体であったわけですけれども、
確か45%ぐらいが今経営者保障なしの融資になっているというような情報があるんですけれども、
肌感覚としてはもっと経営者保障をとっている融資があるんじゃないかなと思うんですけれども、
それでも55%は経営者保障がまだついているといったような状況になっているんですけれども、
この企業価値担保権は原則として個人の保障を求められないので、
風職など例外を除いて社長個人の家だったり、預金という部分は守られるようと。
あと先ほども言ったように事業承継したいけど保障があるからというふうに悩んでいた社長にとっては、
新しい選択肢になるんじゃないかなと思います。
そして特徴3つ目、これが銀行が事業を見ざるを得なくなるという部分があります。
これは銀行と中小企業の社長様にとって双方にとって大きな変化になるのかなと思うんですけれども、
担保が事業丸ごととさっき言ったんですけれども、将来キャッシュフローに関しても担保の中身に入ってくるんですね。
つまり事業価値が下がれば銀行も困るわけですね。
結局その会社を売ってもお金にならないというような事態が起こっちゃうので。
ですので必然的に財務制限条項、コペナンツといったりしますけれども、
そういった部分を綿密に設定して平時から経営の状態をちゃんと監視する必要が出てきます。
ですので業績が悪化する前に銀行と放つ機会が増えるため、早期の搬送支援みたいな部分が増えてくるんじゃないかなというふうに予測はしています。
今までの貸して終わりという部分じゃない関係性が制度として組み込まれているのがこの特徴の3つ目です。
そしてもう一つの特徴として、ここは少しマニアックな話というか複雑な話なので軽く聞き流していただいても全く問題ないんですけれども、
この企業価値担保権は構造的には新宅契約、新宅の制度を使った構造になっております。
どういう構造かというとまず委託者と呼ばれるものがお金を借りる会社のことを言います。
そして受託者と呼ばれるものが企業価値担保権新宅会社といって企業価値担保権を管理する人みたいなイメージで持っていただければと思うんですけれども、
受益者ですね。これがお金を貸す側です。
ですので受託者、委託者、そして受益者の3者構造になっているのがこの特徴です。
この3者構造になってはいるんですけれども、先ほど言った受託者、企業価値担保権を管理する会社の部分は
おそらくメインバンクが受益者、貸す側と受託者を兼ねて企業価値担保権を管理する形が主流になるんじゃないかなという風に予測はされています。
つまりですね、新しい会社を間に挟むのではなく、いつもの取引銀行がそのまま担保管理をしてくれるんじゃないかなと思っております。
そしてこの受託者が実際何をするのかという部分が皆さん気になると思うんですけれども、
普通の担保、不動産担保というのは基本的には設定したら、あとはほったらかしというか、ほったらかしというわけではないんですけれども、
定期的に価値がちゃんと残っているのかというような部分を確認して、もし担保を実行時に敬愛するくらいの感覚だったんですけれども、
企業価値担保権の新宅会社はですね、継続的に事業をモニタリングして必要なら支援するという部分が業務の中身なので、
具体的にはですね、借り手の経営状況を継続的に把握する必要がありますし、他の貸し手による個別の担保実行を停止させる権限の行使もできます。
またあとはですね、状況が悪化したときにはですね、早期の経営支援が求められますし、万が一担保権を実行するよという時には原則事業上等によって担保を実行します。
ですので、この制度自体がですね、経営搬送が一緒の中小企業の社長に搬送せざるを得ないような枠組みになっているので、
今回のこの企業価値担保権というのは従来の融資制度と比べてもかなり勝手的で新しいんじゃないかなというふうに思っております。
簡単に一言で言うと、今までの担保というのは回収するための担保ではあったんですけれども、今回の企業価値担保権はですね、生かすための担保といっても過言ではないかもしれません。