00:02
ひょっとして、妖怪古伝をお探しですか? いやね、私もこれからそこへ行くところなんですよ。
よかったら、ご一緒しましょう。 江戸の時代から庶民に怖がられながらも、愛され続けてきた妖怪。
このポッドキャストは、そんな妖怪を毎回一つ取り上げて紹介し、
ここのオーナー自らが勝手に作ったバカバカしい妖怪の物語が聞ける。
それがこの妖怪古伝なんです。 さあ、着きました。私が扉をお開けしましょう。
猫又。 猫又は、日本の民間伝承や古典の怪談などにある猫の妖怪。
大別して山の中にいる獣と言われるものと、人家で飼われている猫が年老いて化けると言われるものの2種類がある。
ツレデザングサにも、猫又が書かれており、飼い猫も年を減ると化けて人を食ったり、さらったりするようになると語っている。
一般に猫又の又は尾が2つに分かれていることが語源とされているが、猫はその眼光や不思議な習性により古来から魔性のものと考えられ、
葬儀の場で死者をよみがえらせたり、猫を殺すと7代までたたられるなどと恐れられており、
こうした俗信が背景となって猫又の伝説が生まれたものと考えられている。
ツレズレグサの一節
奥山に猫又というものがあって人を食うということだという人がいれば、山でなくてもこの辺りでも猫が年を減って猫又になって人を獲ることがあるとのことです。
というものもあり世間に広まった。
ある法師が夜遅く家に帰ってくると小川の近くで噂に聞く猫又が足元へすっと近寄ってきた。
そして飛びつき首のあたりを食おうとした。
驚き恐ろしくて力も入らず小川へとこの辺へ入った。
助けてくれ猫又だと叫ぶ隣人たちが駆けつけてくるとよく知った法師であった。
どうしたんだと言って川の中から抱き起こしてみれば立っていた犬が暗くても主人だと知って飛びついたものだ。
03:04
枯葉が散り始めた山里の秋。
人の良さそうな老人とやはりこちらも年老いた猫が日向ぼっこをしていた。
ミーお前が家に来てから何年が経つかの。
ワシの連れがなくなった春に迷い込んで来てからだからもう20年か。
早いものだの。
さて今日はあいつの命日じゃ。
墓参りに行くがミーお前はどうする?一緒に行くか?
老人と猫はゆっくりと山のふもとの墓にやって来た。
すると何やら森の中から黒い長い丸太のようなものが這い出て来た。
それは犬くらいなら丸飲みできそうな大蛇だった。
大蛇は鎌首をもたげ老人を見下ろした。
老人は猫のミーを守ろうとしたが大蛇のおっぽの一撃で吹き飛ばされ気を失った。
冬眠前に人間でも食らっておこうと里に降りて来たが。
ジジイか。まあ仕方あるまえ。
どーれ人の身にしてやる。
待て化け物。私の主人に手をかけようものなら私が許さん。
ミーの毛が逆立ちおっぽが二つに割れると身の丈は狼ほどの大きさになった。
ほうお前は猫またか。だが所詮は猫は猫。水人の力を得た俺には歯が立つものか。
まずはお前から食ってやる。
大蛇は猫またに噛みつこうと飛びかかったが。
しかし猫または飛びのきつつ大蛇の左目を爪で引き裂いた。
大蛇はうなり声をあげて後ずさった。
よくもやってくれたな。角だる上は本当の力を見せてやる。
というと大蛇は先ほどの三倍もの大きさになり足と角が生え竜となった。
なるほど。ならば私も山の神にいただいた力を見せよう。
そう叫ぶと猫またも牛より大きな白い虎となり周りに火の玉も飛び始めた。
ハハハハ、竜には虎というわけか。味なまねよ。
06:04
だが俺にはまだまだ大熊にも大蛇にも鬼にだって変形できる。
まだ猫またになりたてのお前にはそれはできまえ。
確かに私はそこまで変形できない。
しかし大蛇お前は小さな変物には変形できまえ。
ハハハハ、そんなことは簡単だ。ではトカゲにでも化けてやろう。
というと大蛇は竜の姿から小枝ほどのトカゲに変身した。
かかったな。そう言うと猫またはトカゲに飛びつき人の実にしてしまった。
ああ、気持ち悪い。後でセロガン飲もう。
おじいさん、起きて。老人は目を覚ました。
うう、み、み、大丈夫か。おや、大蛇は。
わしは夢を見ていたのか。
老人は猫と墓参りをして自宅へ帰っていった。老人の背中を見ながら思った。
おじいさん、まだまだ長生きしてくださいね。
私が人間だった時の分まで。それまでおじいさんのそばで私がお守りしますからね。
猫の身はすっかり元の姿に戻っていたが、おっぽだけは二本のままだった。
そのおっぽが楽しそうに揺れていた。
いかがでしたか、今日の妖怪話は。
もし気に入っていただけたのなら、フォローしてあげてください。
また、妖怪古伝へのご意見、ご感想は、この番組の概要欄を見てくださいね。
新しいお話は毎週土曜日午後5時に公開になるらしいですよ。
もしよろしかったら、またこの場所でお会いしましょう。
それではまた。