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ひょっとして、妖怪古伝をお探しですか? いやね、私もこれからそこへ行くところなんですよ。
よかったら、ご一緒しましょう。江戸の時代から庶民に怖がられながらも、愛され続けてきた妖怪。
このポッドキャストは、そんな妖怪を毎回一つ取り上げて紹介し、
ここのオーナー自らが勝手に作ったバカバカしい妖怪の物語が聞ける。
それがこの妖怪古伝なんです。
さあ、着きました。私が扉をお開けしましょう。
袖引き小僧。
袖引き小僧は、埼玉県に伝承が残る妖怪である。
夕暮れの帰宅を急ぐ者の袖をくいと引く。
振り向くが誰もいない。
気を取り直して歩き出そうとすると、またも手がくいっと引かれると言われる。
伝承地での話では、袖引き小僧は元は落武者の霊であり、
落武者が通行人に助けを求めて袖を引いているとも言われる。
また、埼玉県の伝承によれば、貧乏な家の子供が道端の地蔵の陰で
友働きの両親の帰りを待っており、両親が帰ってきたので飛び出したところ、
両親は最近噂の盗賊だと思って殴りつけて死なせてしまい、
その子供の霊が袖引き小僧となったという話もある。
伝承では姿を見せず、道行く人の足止めをしていたずらをするようなことから、
容姿は不明である。
妖怪漫画家水木茂のイラストでは、黒い体に小豚のような顔をした妖怪の姿で描かれている。
二郎はもう全てが嫌になっていた。
先月、唯一の家族だった母が亡くなり、
昨日、結婚を約束していた彼女に振られ、
そして今日、会社で3年かけて取り組んできたプロジェクトの中止を言い渡された。
ああ、もう俺のやってきたもの全てなくなった。
もう俺の生きている意味ってあるのかな。
いっそこのホームから飛び降りれば楽になれるかな。
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ちょうど電車来たし、二郎は目をつぶり、
自分の体を重力に任せて線路に落ちようとして、
待って、誰かが二郎のスーツの腕を、
誰だ、電車来ちゃった、今はやめよう。
そうして二郎は電車に乗り、自宅のアパートへ向かって帰ることにした。
と、電車の中で見覚えのある女の子に声をかけられた。
先輩、プロジェクト残念でした。
あ、すいません。私、広報課の秋山楓って言います。
ずっと先輩のプロジェクトの完成楽しみにしてたのに、
ほんと見る目ないですよね。
絶対必要なプロジェクトなのに。
すいません、一人で暑くなっちゃって。
でも、私これからも先輩応援してますから。
失礼します。
楓は別の車両に移っていった。
突然でびっくりしたけど、いい子だな。
おかげで少し気持ちが明るくなった。
ありがとう。
次郎は電車から降り、自宅への暗い夜道を歩いていた。
また突然誰かが次郎の手を引っ張った。
すると目の前を信号を無視したトラックが走り去った。
おい、何度もおいらに手をやかすなよ。もっとちゃんとしろよ、次郎。
暗いのではっきりとはわからないが、不思議な小さな子が立った。
お前は誰だ?何で俺の名前知ってるんだよ。
へへへ。おいらのことはどうでもいいよ。
それより、さっきの女の子、お前に気があるぞ。
会社でもお前のことずっと気にしてるんだぞ。
何でそんなこと知ってるんだ。本当、お前誰なんだよ。
そうそう、明日会社に行ったらもう一度プロジェクトの件、部長に頼み込んでみろ。
何とかなるかもしれないぞ。
それと次郎、お前もう命を粗末にするなよ。
父さんもお母さんも悲しむぞ。
お前はまだこっちに来ちゃいけない。
そう言うと、その子は暗闇に消えていきました。
どうして両親のことまで。
もしかして、あなたは俺が小さい頃に亡くなった兄さんなのか。
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ありがとう、兄さん。
次の日、出社した次郎が部長にプロジェクトの継続のお願いに行くと、
会長の鶴の一声で収集を取りやめて、プロジェクトの継続が決まったと部長が笑顔で教えてくれた。
いかがでしたか、今日の妖怪話は。
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新しいお話は、毎週土曜日午後5時に公開になるらしいですよ。
もしよろしかったら、またこの場所でお会いしましょう。
それではまた。