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2024-06-18 25:36

【発達障害01】用語のアップデートと診断の必要性 #55

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「発達障害」という言葉は米国には存在しない?今回で用語の定義から認識を揃えていけたらいいなと思います!


厚生労働省の図はこちらです!

【今回の内容】

発達障害という用語は古い / DSM(診断書)にはDevelopmental Disorder(発達障害)は消えた / 発達障害の診断は主観的であやふや / 最近の医療分野では「神経発達症」と呼ばれる / 「障害(disorder)」として見るのではなく、「状態群(conditions)」として見る / 早期診断するべきか否か


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【参考書籍等】

玉永公子 , 用語「発達障害」批判

湯浅大輝 , 子どもの発達障害が増えている?個性を摘む早期診断・治療は今すぐやめるべき

成田奈緒子 , 「発達障害」と間違われる子どもたち

石坂好樹 , DSM-5拾い読み

DSM-5

「障害」から「症」へ DSM-5からDSM-5-TRへ、何が変わった?

宮川充司 , アメリカ精神医学会の改訂診断基準 DSM―5 神経発達障害と知的障害,自閉症スペクトラム障害

黒坂真由子 , 発達障害大全 ― 「脳の個性」について知りたいことすべて

市河茂樹 , 外来で診る子どもの発達障害〜どこまでどのように診るか?

日本小児科学会雑誌 , 「地域における教育分野との連携」web 調査


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【ひとしの編集後記】

自分の特性を理解して合理的配慮を行うことと、自分にラベルを貼って自己肯定感を下げること。生活していると知らず知らずのうちに後者が多くなってしまうように思いました。このメガネを持てただけでも少し前を向いて生きていけそうです。人に対しても同様に接することを意識できたらいいなぁ、でも意識ができてないときは難しいんだろうなぁ、とそんなことを考えてました。参考文献が大量にあるので、この後文献を読むと理解が深まりそうで楽しみです。

00:10
はるか
ということで、今日は、発達障害とは何なのかという話をしていければなと思っております。
いいですね。 今回引用するのが、玉永公子さんの『用語「発達障害」批判』ということで、発達障害という用語をアップデートさせましょうということですね、今日は。
どうアップデートできるのかな? 前回、発達障害という言葉自体使うことどうなのかなという話もちょっと触れたんだけど、結論から言うと、発達障害という用語自体は古いんじゃないかなという主張なんだよね。
で、これどういうことかというと、発達障害という言葉は、もともとアメリカの精神医学界というのが定めた診断基準があるんだけど、DSMっていう、このDSMでもともとはディベロップメンタルディスオーダーっていうものを発達障害というふうに訳して日本で広まっていったんだけど、
これもうね、このDSMの診断書の中では、このディベロップメンタルディスオーダーっていう言葉、つまり発達障害という言葉、消えてるんよね、もう。
ひとし
もう存在してないんだ。
はるか
そうそう、もう改定されて別の言葉で使われているんだけど、日本語では英語版で消えたディベロップメンタルディスオーダー、日本語訳:発達障害という言葉を、あまり内容を明確にせず広まってるんじゃないかという主張がされてるわけだよ、この本の中では。「なるほど」と思って。
ひとし
消えたのは別の名前になったのか。
はるか
そういうことそういうこと。それは考え方が変わっているということも示唆しているんだけど、後にそれを話すとして、とにかく発達障害と聞いて、分かってるようで何のこっちゃと思うのは、こんな感じで曖昧な形で広まっているんだなということが少し見えてきた。
ひとし
なるほどね。なんかイメージさ、俺の周りだと発達障害っていうとADHDをイコールと思っちゃうような感じもあるよね。
はるか
ああ、そうなんや。
ひとし
そう、まあでもそういうわけでもないもんね。
はるか
そうね、ADHDっていうのも一つあるんだよね、診断名としては。だけど他にもあったりとかして、どんなものがあるかは知ってる?
ひとし
なんかLDっていうのはよく聞くね。
はるか
ああ、はいはいはい。LD:学習障害と呼ばれるものであったり。
ひとし
ただ症状とかはあんまり理解できてないかも。
はるか
厚生労働省のホームページから見たときに、これを発達障害として捉えた場合、どんな特性があるのかということがまとめられていて、
03:01
はるか
さっきひとしが言ってくれたADHDっていうのは、いわゆる多動:よく動くとか、衝動的に行動するっていうような特性がここには挙げられていたりとか、
LD学習障害っていうのは、読み書き計算っていうのが極端に苦手であったりとかっていうのがここには書かれている。
ひとし
うん。
はるか
あと知ってるものある?
ひとし
あと、自閉症とかもそうなんかな?
はるか
ああ、そうそうそうそう。自閉症とかもあって、これはコミュニケーションが苦手であったりとか、パターン化、こだわりとかがあったりするって。
これともう一個アスペルガーっていう風に分けられていて、これは言葉の発達の遅れはないんだけど、コミュニケーションに苦手意識持ってたりとかっていうふうなのが特性としてはここに書かれている、ホームページに。
だけど、これね、今の話を聞くとなんかすごい単純に分けられてるイメージになっちゃうじゃん。
ひとし
発達障害という言葉の中に、そういうさらに細かい分類があるみたいな印象を受けたね。
はるか
ね、なんかあるよね。あなたはADHDでよく動く多動性なんですねとか、衝動的に行動しますよね、不注意だよねみたいな感じではないのよ。
ひとし
へえ。
はるか
そんな単純なものではなくて、これ一つの診断名をつけられたとしても、他の特性とか健康状態と共存するのよ。
ひとし
あ、健康状態も。
はるか
そうそう、健康状態もかなりこれに関わってくるというところで、具体的に言うと不安障害とか鬱病とかっていうのも併発するっていうことがあって、
例えばADHDと不安障害が一緒に併発したりとかっていうのもあったり、あとはこのね、図を見たら分かると思うんだけど、ADHDと自閉症をかぶってたりとか。
ひとし
図はこれか。これは厚生労働省さんの図か。
はるか
そうそうそう。
ひとし
あ、これ概要欄に載せておくので是非図を見ながらお聞きいただければと思います。
はるか
ありがとうございます。あ、そうね、インスタサブスクの方もこの台本いつも載せさせてもらってるんですけども。
つまり、何が言いたいかというと、スパンスパンって分けられるものでもなくて、これは共存する、併発する可能性があるし、さらには強度が違うのよ。一つ一つの特性が。
ひとし
強度って、濃くその症状が出ているみたいな。
はるか
そうそうそう。その特性が濃く現れたり、逆にそんなにいわゆるグレーって言ったりするよね。白黒ではっきり分けられるんじゃなくて、そこにグラデーションがありますよっていうような強度もあるから、診断名一つ付けられたからっていうふうに単純化することは危ないよねっていうことが一つある。
で、この本の中でもぜんぜん自閉症もLDもADHDも一つ一つの状態ぜんぜん違ったやん。なのに発達障害という名前でひとまとまりにして対応すると、これはいたずらな概念の拡大とか拡散が生じてしまうということで、警鐘を鳴らしているということなんだよね。
06:10
ひとし
すでに複雑なんだなっていうのはわかってきたけど。
はるか
その感覚が大事で、インスタグラムにあなたはADHDですかチェックリストみたいな。これ3つ当てはまるからADHDだみたいな話ではないということだよね。
人っていうのはもっと複雑で、もっといろんなものが混ざっていて、簡単に単純化できるものではないんだという感覚がここでわかったらいいのかなっていうふうに思っていて。
もうちょっと沼にはめていい?
ひとし
まだいくんだ。
はるか
あと3段階ぐらい沼にはめますね。
そしてさらに言いたいのは、発達障害というふうに診断されるって言うじゃん。この診断もかなりあやふやであるという指摘もあるよね。
ひとし
そうなんだ。
はるか
これは中村賢竜さんという方のインタビュー記事であったんだけど、子供の発達障害が増えている個性を摘む早期診断治療は今すぐやめるべきというような記事があって。
これの中では、さっき言ったDSMという診断書の中では、お医者さんが患者の周りの人、例えば家族とか先生とかに聞き取り調査をして診断をするんよね。
本人が答えるとかっていうより周りの人が答える項目がたくさんあるということなんだけど、さらにね、内容もその子は多動性がありますかとか、周囲と合わせることができないこだわりがありますかとか、読み書きに困難さを抱えていますかとか、この質問を見てどう思う?理系だったひとし君。
ひとし
一番思ったのは、環境によって自分がどう見られてるか変わるけん、難しいよなと思って。
多分ね、俺のお母さんが俺をどう認識しているかと、俺の大学の友達が俺をどう認識しているかと、最近出会った人たちとかでね、相当見え方が違うとは思うよね。
はるか
めちゃくちゃ大事な要素が入ってきましたね。それも後の結論とか、主張のところにつながってくるんですけども。
ありがとう。ここではね、極めて主観的な項目だよねってことが指摘されている。
客観的、絶対的なデータとかではなくて、これはその人がどう思っているかという主観的な項目が並んでいるから、かなり曖昧だよねっていうことがここから分かってくる。
まさにひとしが言ってくれたように、環境によって変わるっていうのは誰しも感覚としてあるのかなというふうには思うよね。
09:04
はるか
だから成田奈緒子先生の『「発達障害」と間違われる子どもたち』っていう本の中でも診断がのちに変わるっていうケースも紹介されていて。
ひとし
あるよね。
はるか
だから絶対的なものではないということがここで分かるから。これけっこうな気付きじゃない?
ひとし
確かに。この時点でだいぶ気付きがあった気がした。
はるか
だいぶ気付きよね。
ひとし
そう、発達障害のこういう特性がありますって一度診断されたら、もうそれと一緒に生きていかなきゃいけないみたいなイメージけっこうあるよね。
はるか
そうね、まさにひとしがここでそんな話をしようと思ってなかったんだけど、ひとしが言ってくれたように環境とかによって困り感とかっていうのは変わってくるということだし、周りの人の見え方によってもそれが診断が変わるというケースがあるということが一つの大きな要素としてありました。
ひとし
いいねいいね、いま発達障害みたいな超変えられないものみたいな認識が変化しました。
はるか
はいはいはい、でもねちょっと難しい、まあ後に言うんだけど特性自体は変わらないとかって話します。ちょっとその複雑な要素は、困り感は変わる。
ひとし
はいはいはいはい、なるほど。
はるか
でもいい気づきよね、困り感とかその障害という言葉は変わるんだと思う。
ひとし
はいはいはい。
はるか
だけど特性っていうものは変わらない部分もあるから、ちょっといいね話したいけど。
ひとし
困り感は変わるのね。
はるか
そうそうそう困り感は変わるということでございました。さてさてここからが重要なポイントで、さっきさ発達障害って言葉消えましたよって話したじゃん。
じゃあ現在医療現場では、もしくはそのアメリカでは何と呼ばれているのかっていうことよね。
ひとし
はいはいはい。
はるか
ここからどんな風に考え方がアップデートされたのかっていうことが見えてくるから紹介したいんだけど。
村の方が論文とかをバーって集めてきてくれてわかったことなんだけど、最近の医療現場では発達障害ではなくて神経発達症と呼ばれることが多くなりました。
これの大きな転換点としては、さっき言ったDSM、診断書が改定されて、さっきは障害として、ディスオーダーとして捉えられていたのが、ここでは状態群、コンディションズとして見る流れを作ることが重要であることが示唆されていると。
状態群として見る流れ。これどういうことかっていうと、これはちょっとさっき論文に書いてあったわけではないんだけど、状態群っていうのを調べると複数の症状や特徴が集まったものということなんだよね、まず。
で、これは単一の症状、さっき言ったADHDだからこうとかじゃなくて、関連性がある症状が同時に現れることを意味するんだよね。
12:04
ひとし
はいはいはい。さっきも言ってたLDとADHDがどっちも出てることがあるよねみたいな。
はるか
そうそうそうそうそう。だからもう複数あるっていう前提として見ていくことが重要で、そして例えばでいくと、ADHDの人が不安障害や鬱病を併発するってことはよくあることなんだよね。
これはいろんな視点から見ることができて、まず医学的視点から見ると、ADHDと不安障害の両方に関連する遺伝的要因があるってことも研究であったり、遺伝的にそういうのが併発しやすいっていうのが示唆されていたりとか。
あとは考えやすいのは心理的要因で、ADHDの症状って結構強度の高い人とお話すると、かなり日常生活で大きなストレスがある。時間通りに行くなんて結構難しい。それによって不安発作が起きるっていう。
みんなが当たり前に時間通り行くっていうのがその方にとっては難しくて、で、明日時間通り行けるかなとか、明日うまくいくかなっていう不安が併発するっていうのは起こりやすいことであったりとか。
あとは行動の影響で、ADHDの特性としてタスクの先延ばしとか締め切りを守ることが難しいっていうようなことがあるから、これが結果としていっぱい溜まっちゃって不安感引き起こすとかっていうこともある。
だから遺伝的にも心理的にも行動の結果としても不安障害で併発しやすいとかっていうようなことがあるんだと。
つまりどういうことかっていうと、障害っていう言葉を使うと、これはイメージなんだけど、固定的であったりとか否定的なイメージを持たれがちなんだけど、状態群として捉えることで、この特定のラベル、「はい、ADHDです」とか「LDです」とかっていう特定のラベルに縛られることなく個別によって違うんだ。
何が絡み合ってるかっていうのが違うんだ。で、こういう時はこういう支援があるよね、とかっていう風に本当に個によって支援の焦点を当てることができるっていうのが違いなのかなとは思ったね。
ひとし
群として見るんじゃなくて、一つの障害として見ていると、その障害にはこうした方がいいみたいな単純な解決策みたいなのが行われやすいけど、群で見ることでもっと複雑だから個別に考えましょうっていうことが理解しやすいと。
はるか
理解しやすいんじゃないかなっていうこの考えのアップデートは、必要なんじゃないかなとは思いました。さて最後に行きます。最後この議論を紹介して終わりたいと思っています。早期診断するべきか否か。はいはいはい。ここまでで診断名とかいう話があったりしたんだけど、
15:01
はるか
ここからは親御さんに対して自分の子供を早いうちから、幼いうちから診断して、その発達障害ということを明らかにするべきかどうかっていうことを議論している記事があったので、これを紹介しようかなと思っています。
引用は黒坂真由子さんの『発達障害大全』っていうものと、あとはインタビュー記事ね。「子供の発達障害が増えている〜個性を摘む早期診断治療は今すぐやめるべき」というもので、まず反対派から早期診断しない方がいいでしょという反対側から行くと高橋孝雄先生という前にも紹介した小児科医の方なんだけど、
この方が言うにはなぜ反対かというと、親の早期心配を煽るだけで逆効果ではないかと。親の焦りが子供にも伝わり自己肯定感を低下させるんじゃないかという主張がありました。
ひとし
そうね。親御さんは何に焦ってるのかというと。
はるか
例えば発達障害だと診断を受けると、うちの子はちょっと普通と違うんだな、だからこのまま将来困っちゃうんじゃないかなとかっていうふうに心配したり。
子供へ心配してどうにかしようというふうに焦っちゃうと、子供に伝わって自己肯定感下がっちゃうねとかいうふうな話があったり。さっきの自己肯定感が下がるんじゃないかというところも、これは俺が思うことなんだけど、発達障害っていうラベルがそもそもその子にアイデンティティに影響を及ぼす可能性っていうのは十分あるなというふうに思っていて。
ひとし
そうよね。
はるか
で、本来だったらできることも、自分は発達障害だからできないとかっていうラベル付けで自分の能力を過小評価するってことはあるんじゃないかなっていうふうには思っている。で、高橋孝雄先生が言うには、DSMでのチェックリストのうち何項目当てはまるかみたいな感じよりは、お子さんとか家族が日常生活で本当に困ってるかどうかをしっかり見極めることが重要であると強調している。
ということで早期診断反対派の意見を一部紹介させてもらったと。
ひとし
もう今の聞くとやっぱ確かに早期診断はしない方がいいんじゃないかって思っちゃったけど、ちょっと賛成派の人の意見も聞きたい。
はるか
なるほどね、大事。これはするべきかしないべきかみたいな、なんかそんな二項対立の考えというよりは、どちらにも共通して大事にしたい考え方があるからそこを捉えたいんだけど。賛成派として本田秀夫先生のお話がありました。精神科医の。
早期発見早期療育という言葉がありますが、私は最近早期発見早期ブレーキと呼んでいます。
18:01
はるか
子供の発達が遅れていると親や周りが焦っていろいろと教え込もうとして結果的に残念な結果になることがある。
そうでなくてむしろ成長がゆっくりなんだからゆっくり教えようというふうに思って、むしろ早期発見することで親が焦るのを抑えられるんじゃないかと考えているという話をしていて。
ひとし
あるよね、確かに。診断が出ることでこの子が能力が低いみたいなふうに見えていたところから、そういう特性なんだっていうのを理解してその子にあったことをやれる環境を作れるよね。
はるか
そうなったらいいなということなんだろうね。だからインタビュアーの黒坂さんの考えとしてはどっちも反対のようで実は大事にしていることは同じで、それは過剰な早期介入はやめようということ。診断を受けるべきかどうかはどちらの方が親としてのびのびとした子育てをしやすいかということにかかってくる。
だからこの目的は日々の困難を緩和したり当たり前の日常生活を送ることだよねって。そのために診断をしないようにするという考え方もあるし、診断してその子にあった支援をしようというふうなこともあるということで。
共通しているところは過剰に焦って早期介入しようとするんじゃなくてその子にあった支援ができるといいよねってことを2人ともおっしゃってるんじゃないかと俺は思ったね。
ひとし
なるほど、本題じゃないけどさ、この反対派の人の意見だけを聞くともう完全に反対になっちゃうのよね。賛成派の人の意見聞くとやっぱ賛成になっちゃうっていうどっちもちゃんとロジックを持ってるけんさ、なんかもう信じちゃうやん。
はるか
そうね、一人のお話だとね。
ひとし
そうね、これをどっちもちゃんと背景を知れるのがやっぱ大事やね。
はるか
大事やね。どっちも信じていいと思うよ俺、これは。どっちも信じていいんだけど、なぜそうするのかっていうこの大切にしたい考えを捉えることができるかどうかよね。
ひとし
そこまでつかめるかっていうのは大事よね。
はるか
何事もね。
ひとし
大事。
はるか
はい、じゃあ早期診断ダメだということをあの方がおっしゃっていたのでしません、じゃなくて、なぜしないのか、しなかった場合どんなことができるのかっていうこと、この大切にしたい考え方を捉えられたらいいね。
ひとし
大事。
はるか
ということで最後まとめていきたいと思うんですけども、その子自身を見ましょうということに尽きるのかなと思っていて、なぜかっていうと発達障害という言葉の曖昧さは適切な支援と理解の障壁になるよねって。
21:04
はるか
だからその子自身、それぞれ100人いたら100人全然違うんだという前提のもと、もっとね専門家の方の力を借りて、こういう特性があるんだけどどういった合理的な配慮があるのってことは建設的に捉えていくのは重要なんだけど、
なんか単純化して診断名に当てはめてこれはできないとかこれはできるみたいな単純化するのは危険なのかなっていうふうには思いました。
ひとし
なるほど。
はるか
そうね。なんか前に不登校の調査会の時にも話したけど、やっぱりこうラベリングするために診断するんじゃなくて、どんな合理的配慮ができるのかっていうことを知るために専門家の方の力を借りるといいのかなっていうふうには思うよね。
ひとし
そうだね。
はるか
どうでした今日。
ひとし
そのさ、自分が発達障害じゃないかって思っても子供が発達障害じゃないかって思っても不安がめっちゃあるときがあるよね多分。
はるか
あるよね。
ひとし
大丈夫なんかなって思う時に何を目的にこの特性を診断したいのかっていうのを考えた方が建設的で、
それは自分とかその子にどんな合理的な配慮ができるのかっていうのを考えるために診断を行おうというこのロジック。
はるか
そうね。さっきの本田先生と高橋孝雄先生の共通点としてね、やっぱ困っているかどうかっていうのを見極めることが重要。困っていると二次的弊害があるよね。
例えばその子の特性によって学校でうまくいかないみたいな、じっとしてられなくてすごく叱られちゃうみたいなことがあったときに、その特性によって叱られて、
自分はダメなんだというこの自己嫌悪みたいなことに陥る。この二次的弊害を軽減するため、この困り感を軽減するために合理的配慮を知るという目的だといいのかなというふうには思うよね。
ひとし
なるほどね。
はるか
困り感を軽減して、自分はこの世にいていい存在なんだって思えることはすごく重要だよね。
ひとし
うん。
はるか
やっぱ一つの集団とかだとさ、割と一定のルールとかマジョリティの同調圧力みたいなものがあって、それに対して自分がマイノリティであれば、あれもしかしたら自分はいない方がいいんじゃないかって思っちゃうやん。
ひとし
思っちゃうね。
はるか
思っちゃうやん。ということで、盛りだくさんだったね今日。
ひとし
そうやね。ぜひ今回、はるかが引用してくれた記事とか本は全部概要欄に貼っていると思いますので、ぜひ興味ある記事を覗いてみたりしてください。
はるか
はい。
24:00
ひとし
まあでもだいぶ、発達障害という言葉単体を信仰することは薄くなった気がするね、今回。
はるか
うんうん。そんな人間簡単なもんじゃないもんね。ちょっとじゃあ次回の話しようかな。
ひとし
はいはい。これを踏まえてね。
はるか
そうそう。新しい考え方、新しくない方にとっては新しくないのかもしれないですけど、ニューロダイバーシティという考え方に出会って、かなり自分の考え方がアップデートされたので、
よく使われる個性とか才能とか障害とかっていう言葉があるんだけど、個性ってなんだっけとか、才能って絶対的なものなのかな、障害って絶対的なものなのかなみたいなところに理解の変換、パラダイムシフトがあると思いまして、
これは衝撃的な考え方の出会いだったので、ぜひ紹介したいということで、お話ししようと思っております。
ひとし
じゃあ、もし感想や質問がございましたら、Xでハッシュタグティーチャーティーチャーカタカナツつけてポストいただくか、概要欄のお便りフォームからお願いいたします。
はるか
はい、お願いします。
ひとし
個人のスポンサーさん、法人のスポンサーさんを大募集しておりまして、もし興味がある方がいましたら、お問い合わせをお願いいたします。
はるか
お願いします。
ひとし
それでは、さようなら。
はるか
さようなら。
25:36

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