合宿での出会いとコーチの思い
コーチ、今いいですか?ってね、話があって、いろいろな質問をしてくれる子っていうのも、割といるんですよ。
ただね、まぁなんか全員が質問できるかっていうと、そうではないわけなんですよ。疑問に思ってること、考えてることあるけど、なんか聞きにくいなと、この色の黒い髭のサングラスの人に声をかけて、果たしていいものかと。
たぶん子供たちはそんな迷いも抱えながらね、僕と合宿をした選手もたくさんいたと思うんですね。
これはね、合宿で起きた一コマの話なんですけども、高校1年生の男の子がいまして、その子の担当コーチが、ちょっとコーチとうちの子にアドバイスをあげて欲しいんだと言って、動画を送ってくれたんですね。
まずそのコーチが送ってくれた文章に、僕はその子に対しての深い愛情を感じたんですね。
そして動画。動画ってね、泳ぎを見るんだけど、僕は音声をちょっと上げてたら、やっぱその時のコーチの考えとかもちょっと入ってたりするわけですよ。
このコーチはこの子のためにできることをいま一生懸命してるんだなっていうのはまず感じたんですね。
そして、僕の方が年下なんですよ。そのコーチよりは。ただ一回りぐらい違うかな。
でも、どうか時間がある時にうちの子に教えてあげて欲しいということで、自分の初見と実際のアドバイスをしていただけませんかという丁寧なメールをもらったので、
僕はこんだけの思いを込めてくれたコーチがいるっていうのがまず良かったし、すごい嬉しいなと思ったし、同じ仕事をしている中でね。
そして、そんだけ愛されている子供っていうのはやっぱりそれなりに認められて頑張ってきている子だろうなと思ったんで、その子に話をしようと思ってね、このところに行ったんですよね。
まず最初に言ったのは、ちょっと時間いいかいと君と話をしたいんだと。
ただ、それはなぜこの時間を設けようと思ったか。たくさん50人ぐらいいる合宿の中で君と一対一で時間をこれだけ使おうと思った理由はね、君の担当コーチがこれだけの思いで君のことを考えてくれていると。
僕はそれに答えたいし、君は高校1年生でチームを率いているということで、なかなか高校1年生でチームを率けるのは厳しいと思う。
だから君と話をして、できるだけ疑問を解消して成長の助けをしたい、助けになりたいと。
だから君と話をするんだよって言ってね、話をしました。
選手との対話と水泳の楽しさの再発見
実際に高校生なんでね、自分がどう思っているかっていうのをいろいろ僕は聞いていくわけですよ。
君の今の思い出で悩みは何だいとか、どこが課題だと思うって聞くと、いろんな課題を上げてくれるわけですよ。
その上げることに対して、僕は話をふんふんふんって聞いていくと。
それはどこまで彼が理解できているんだろうっていうのを考えて、知りたかったから、まずは話を聞いたわけなんですね。
そうすると、やっぱり解像度はそんなに高くないけど、一つ一つを一生懸命考えて言葉を紡ぎ出しているなっていうのは感じたので、
あのコーチだからこの子がいるんだろうなっていうのをまずそこで感じたわけですよ。
あとは、できるだけわかりやすく、根性論じゃないですよ。
頑張れとかこれやるんだとかじゃなくて、なぜこの動作のエラーが起きているのか、どうすればそれが解決できるのかっていうのを、
たまたまその日撮った水中動画とコーチが送ってくれた動画を合わせて解説をしたんですね。
解説をしていると、だんだん彼はその画面にグッと集中していって、ものすごい見てくれてたんですね。
僕自身もそれが嬉しくて、細かい話をいろいろしながら、スローで撮った映像を超スローにして解説をしたりとかしていると、
彼は今まで聞いた中で一番わかりやすい説明だったってお世辞だろうって言ってくれたんですよ。
それで僕は嬉しいなと思いながら。
彼がその後言った一言がね、「いやコーチ、水泳って楽しいですね。」
なんかその、この田舎の子なんですよ。すごい田舎の子なんですけど、純粋なキラキラした目で高校1年生の男の子が
「コーチ、水泳って楽しいですね。僕はもっと知りたいです。」って言ってくれた時に
あかんなと。もっと僕もいろんなことを話せなあかんなって改めて思いました。
コーチとしての原点と子供の可能性
なんかその、もともと水泳のコーチって、おーおー頑張れよって偉そうにしたいためでもないし、
俺のおかげで速くなったぞって言いたくてなったわけじゃなくて、子供が頑張っていく中でその出来た瞬間のこういう顔が見たいために
俺は水泳のコーチになったんやなーとかっていうのをすごい感じて、なんかちょっと感動したんですよね。
で、これは些細なことですよ。向き合うっていうことがちゃんとできないといけないし、自分のチームじゃない子だったんだけども、
まあなんか本気で向き合った先に彼はそのちょっと悩んでて、まあタイムも伸び悩んでたということに対して前向きに取り組めるように、
なんかその視界が広げた、開けたようなね、まあそんな様子に見えたんですよね。
僕は、うーんと、彼のその姿、表情を見て、やっぱりね、思うのが競技していると、例えば高校1年生になるまでちっちゃい時から競技していると、
常識みたいなのができるわけですよ。僕はこれ以上そんな飛び抜けて伸びることはないであろうとか、成長することはないだろうなって感じながら努力をしていく。
でもね、それってなんかそのチームにいたらマンネリ化するからそういうふうな思考になってもおかしくはないわけですよ。
で、僕みたいなこの突然現れたやつが、彼にもしそのできるはずがない、伸びるはずがないみたいな何かをパコンって取っ払えたら、多分所属先に戻っても僕はきっとできるはずだって取り組むわけですよ。
そうするとね、まあたった合宿なんか4日間だけだから、たった4日間一緒にいただけで、いきなり能力は向上することはできないけど、
4日間、出会って4日間で、まあこの積み重なったものっていうのが所属先に戻った時に日々の努力に反映するっていうのがすごい大事だと思うので、
彼はここからまた自分の未来っていうのを自分で切り開いて進んでいくんだと思うんですね。
で、彼にね、僕は言ったんですよ、あの水泳が好きかと、まあ好きだって言ってたんで、好きなものは色々持っておいていいぞと。
音楽でもいいし、映画でもいいし、お散歩行くでも買い物するでも何でもいいと。
自分の好きなものっていうのをいくつか見つけておくと、まあその水泳が疲れた時とかに精神的にそれを癒してくれるようなものになるから、
好きなものに没頭するっていうのは必要だけど、好きなものをなんかこれだけしかないと決めつけるようなことをしなくてもいいんだよって。
選手の人柄と育った環境
で、君の好きなものは何だいって聞いたら、高校1年生の男の子はね、うーん、食べることですかねって言って。
で、僕は、なるほど食べることかと思って、どっかなんか好きなお店とか食べたいジャンルのものとか好きなものってあるの?って聞いたら、
また、うーんって黙って、お母さんのご飯が一番好きです、一番美味しいんでってニコって笑ったんですよ。
こいつはもうすごいなと思ってね、高校1年生でね、お母さんのご飯が一番美味しいからそれを食べる瞬間が一番幸せだと。
これはお母さんに聞かせてあげたいなとすごい思いました。
そんな田舎の純粋な男の子が、でもやっぱりね、ちょっと伸び悩んでる時に、
彼が伸び悩んでることを理解してるが、どう直せばいいかわかんないって素直に年下の僕に言ってくれるコーチも、僕はすごいなと思ってリスペクトするし、
その思いがあるから全力でそれに応えようと思ったし、それを素直に受け入れるっていうことができるその子。
やっぱり育ってきた環境、親御さんがしっかりと育てて、コーチが愛情深く見守ってるから、
よそのところに行ったとしても、自分というものをちゃんと持ちながらそうやって話を聞けるんだろうなって思うと、
果たして僕の選手はそれができるんだろうかって考えた時に、まだまだ足りないところがたくさんあるよなっていうのをすごく感じました。
子供たちの可能性を引き出すことの大切さ
そのお兄ちゃんは、妹もいるんですけど、お母さんと直接僕は会ったことなかったけど、試合会場でね、無線会ったんですよ。
妹の試合で来てたんですけども、その時にお母さんと話した時の印象もね、すごく僕のことを歓迎してくれるような気がしたんですね。
だからきっと彼は家で僕のことを話しながら、水泳の楽しさについて語ってくれたと。
それを聞いた親御さんは僕に対してご印象を覚えてくれたのかなとかっていうのを感じた。
やっぱり子供たちって伸び悩む瞬間もあるし、自分で自分に可能性を蓋をする瞬間っていうのもあるんですけども、
僕としてはね、せっかく僕と出会ってくれたんだったら、その可能性の扉をしっかりと開けて、
限界っていうものを作らないようになるべく動いてあげたいなっていうのはすごく感じました。
素敵な男の子でね、非常にいいですね。
で、なんか男らしくなってきたしなって、3年前から知ってるんですけどね、男らしくなってきたしなと思って、
そうか、彼女でもできたんかなって言ったら、彼女はいませんって言ったら隣から妹がね、うん、別れたよねって言ってね、おい!みたいな感じで慌ててましたけども、
そんな可愛い田舎の男の子ね、高校1年生、でも彼はチームに帰るとチームの一番のお兄ちゃんなので、一生懸命頑張ってやってると思うんですよ。
歯を食いしばって弱音を吐かずにやってるよというふうに僕は思うんですね。
ただ、まあね、高1ですので、やっぱりその高1は高1の育ち方っていうのもあると思うので、
そういったものをね、大事にしながらこれからも伸びていってほしいなというふうに感じている次第でございます。
久しぶりの更新と今後の抱負
ということでね、7月13日に更新がストップして、もうこいつスタイル増やめたかなという感じだと思うんですけども、
9月1日に復活しました。
ここからはね、話したいことは山ほどあるんで、ゆっくりとね、話していけたらいいなというふうに思っております。
ということでこれで終わります。それではまた。