伊坂幸太郎の小説『さよならジャバウォック』を読みました。夫から長く暴言や暴力を受けてきた主人公・量子が、ある出来事をきっかけに途方に暮れるところから始まる長編ミステリーです。大学時代の後輩、謎めいた夫婦、不可解な出来事が少しずつ交差していくなかで、現実的なサスペンスは次第に伊坂幸太郎らしい不思議な物語へと広がっていきます。デビュー25周年の書き下ろし長編として刊行された作品です。
その小説のなかで、曲名は明かされないまま、何度も「Come on, come on」と歌われるロックナンバーが印象的に登場します。最初は別の曲を想像していましたが、読み終えて調べ、実際に聴いてみると、おそらくこの曲だろうと思いました。作中には同じ“ホワイト・アルバム”収録の「Helter Skelter」にも言及がありますが、描かれる音の手がかりをたどると、この長い題名の曲が浮かび上がってきます。
1968年のアルバム『The Beatles』、通称“ホワイト・アルバム”に収録されたジョン・レノンの一曲。2分24秒という短さのなかで、切迫したドラム、鋭いギター、金属的なベルの音、そしてジョンが叫ぶように反復する「Come on, come on」が一気に駆け抜けていきます。多彩で実験的な曲も多いアルバムのなかでも、ビートルズがバンドとして鳴らす勢いがむき出しになったようなロックンロールです。
ジョン・レノンは後年、この曲をオノ・ヨーコとの関係について歌ったものだと説明しています。二人の関係を周囲が詮索し、警戒するなかで、自分たちだけは恋愛の高揚のなかにいる。そんな、少し閉じた幸福感が、この猛烈な演奏の奥にあるように思えます。
今回は、伊坂幸太郎『さよならジャバウォック』に忍ばせた曲の手がかりと、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの関係をめぐる背景を手がかりに、この曲について話しました。
- Artist: The Beatles
- Song: Everybody’s Got Something to Hide Except Me and My Monkey
- Album: The Beatles(1968)
- Written by John Lennon(Lennon–McCartney名義)/Lead vocal: John Lennon
🎧 曲を聴く
The Beatles「Everybody’s Got Something to Hide Except Me and My Monkey」
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サマリー
ポトフは、伊坂幸太郎の小説『さよならジャバウォック』で曲名を伏せて繰り返される「Come on, come on」という手がかりから、ビートルズの「Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey」を特定した経緯を話します。曲は1968年の『The Beatles』、通称ホワイト・アルバムに収録されたジョン・レノンの作品で、2分24秒の勢いあるハードなロックとして紹介されます。ジョン・レノンが後年、オノ・ヨーコとの関係を歌った曲だと説明したことにも触れ、周囲の詮索の中で二人だけが恋愛の高揚感にいたという趣旨を語ります。小説内で言及される同アルバムの「Helter Skelter」とも比較し、音の手がかりから主題曲を考察します。
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