【10月16日】高市政権1年「高市トレード」に転機。株高・国債安はなぜ変わり始めた?
2026-10-16 05:37

【10月16日】高市政権1年「高市トレード」に転機。株高・国債安はなぜ変わり始めた?

【このPodcastについて】 News Connect(ニュースコネクト)あなたと経済をつなぐ5分間

1日1つ5分間で、国際政治や海外のビジネスシーンを中心に、世界のメガトレンドがわかるニュースを解説。朝の支度や散歩、通勤、家事の時間などにお聴きいただけるとうれしいです。

▼出演: 野上英文(Bloomberg Managing Editor, Japan Digital Lead)https://twitter.com/Hi_noga3

▼出演番組Big Take Asia:ユニクロ・柳井正氏に直撃、アメリカ内陸部制覇の執念(Podcast)https://www.bloomberg.com/jp/news/features/2026-04-09/TD7WYFKIUPT000

▼支援プログラム「Chronicleサポーター」については、こちらをご参照ください。https://chronicle-inc.net/support

▼参考ニュース:(いずれもブルームバーグ)

政権1年で転機迎えた「高市トレード」、薄らぐ日本国債への最悪評価https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-10-14/TMTVHVKK3NY800

簗農相が辞表提出、初の不祥事交代で高市政権に打撃-国会混乱を回避https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-10-14/TMF2IYKJH6V400

高市首相、市場の政府への信頼「正攻法」で高める-所信表明演説https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-10-05/TMETXSKK3NY900

日本を「強く豊か」にする高市ビジョンが正念場、ハネムーン期間終了https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-07-31/TJ0JPUT9NJLU00

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サマリー

高市政権発足から1年を前に、株高・国債安を生んだ「高市トレード」の前提が変わり始めている。AIや半導体、防衛などへの14年間・370兆円超の官民投資を背景に、日本株買いと日本国債売りの組み合わせは、昨年10月以降で30%超のリターンを生んだ。一方、10年国債利回りが3.115%まで上がり、予想配当利回りを上回ったことで、投資家は国債売りを見直している。高市政権も金融緩和や積極財政を重視する姿勢から、財政の持続可能性を強調する方向へ変化した。来年4月の食料品消費税率引き下げも含め、成長投資と財政規律、物価・金利抑制、生活実感の改善を両立できるかが2年目の課題となる。

高市トレードの仕組みと成果
おはようございます。2026年10月16日金曜日、ニュースコネクト、あなたと経済をつなぐ5分間、パーソナリティを包ます、ブルンバーグマネージングエディターの野上英文です。
この番組では、1日1つ5分間で、世界の目がトレンドがわかるニュースを解説していきます。朝の下から散歩、通勤、家事の時間などにお聞きいただけると嬉しいです。
高市政権が来週21日発足から1年を迎えます。その節目を前に、柳田和夫農林水産大臣が辞任しました。
選挙で支持者をバスで無料送迎した問題などを野党から追及されて、高市政権では初めて不祥事による閣僚交代です。
政治でつまずきとなりましたが、この1年をマーケットから見ると、また違った景色が見えてきます。
キーワードは高市トレード。日本株を買い、日本国債を売ることで大きな利益を生んだ投資戦略です。その前提が今、変わり始めています。
まず、高市トレードとは何でしょうか。
シンプルに言えば、日本株を買って日本国債を売るという取引です。
高市政権は、AIや反動体、防衛などを含めて、14年間で370兆円を超える官民投資を方針に掲げました。
政府がお金を使い、民間投資も呼び込めば経済が成長して企業の利益も増える。だから、株を買っておくんだと。
一方、政府の支出が膨らめば国債の発行が増え、金利は上がると見て国債を売る。この2つをセットにしたのが高市トレードです。
そして、この賭けはかなり当たりました。
ブルンバーグインテリジェンスのデータでは、トピックスを買い、日本国債を売る組み合わせは、昨年10月以降で30%を超えるリターンを生んだと言います。
日本株は今最高値。一方、10年国債の二回りは、この1年でほぼ倍の3.115%まで上昇しました。
ところが今、投資家が国債を売るという部分を見直し始めています。
国債の魅力上昇と政策姿勢の変化
理由は金利が上がり、逆に国債量魅力が高まってきたためです。
10年国債の二回りは、先ほど紹介しました3%程度。
トピックスの今後1年間の予想配当二回りは、2.3%で国債の方が上回っています。
そのギャップ差は、データを遡れる2005年以降で最大と言います。
JPモルガンアセットマネジメントのシルビア・シェン氏も、9月に10年国債を売るポジションを解消しました。
日本国債の長期増を見ると、現在の二回り水準では明らかに投資価値が生まれていると説明しています。
こうして変わったのは、投資家だけではありません。
高市政権自身のメッセージにも変化が見て取れます。
発足当初、市場では高市首相にとって金融緩和と積極的な財政支出で景気や物価を押し上げるリフレ派という見方が強くありました。
ところが高市長は今月、日本経済はリフレ政策が必要な局面ではないと説明しました。
5日の所信表明演説でも、財政の持続可能性は当然の前提と強調します。
背景にあるのは積極財政に限界があるという現実です。
政府がお金を使えば景気や企業にはプラスになる。
しかし借金を増やしすぎれば今度は市場が黙っていません。
国債が売られ金利は上がります。
先週この番組で取り上げたフランスでも財政の不安から国債が売られ市場が大きく揺れました。
日本では円安や物価高いの警戒もあります。
さらにアメリカのベッセント財務長官は日本に財政規律を求めてきました。
7月には日米が異例の協調の為替介入に踏み切りました。
つまり1年前は経済をもっと刺激する政権が高市政権の期待でした。
しかし今はむしろどこまで刺激しても大丈夫なのかが問われ始めています。
政権2年目に問われる暮らしの改善
高市政権は来年4月から食料品の消費税率を1%に下げる方針です。
コーヒー豆や弁当、豆油など生活に欠かせない品目では今年最大23%の値上げが続いていました。
株価が最高値を更新してもスーパーやコンビニで払うお金が増えれば日本が豊かになったという実感はなかなか持てません。
370兆円規模の投資で日本経済を強くする、でも国の借金は増やしすぎない。
そして物価や金利を抑えながら暮らしも豊かにする。
高市政権の2年目はこの難しいバランス運営が問われています。
今日は政権発足から間もなく1年を迎える高市政権と高市トレードの変化をお伝えしました。
政権2年目の締めで個人的に注目したいのは株価が上がった下がっただけではありません。
政府が成長のためにお金を使いながら市場の信任を保ち、そして何より私たちが実際に暮らしが良くなった。
景気が上向いていると感じられるところまでつなげられるのか。
期待で走った1年から政策が本当に実現や持続できるのか注目していきましょう。
ニュースコネクトお相手は野上英文でした。
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それでは良い一日をお過ごしください。
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