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#1643 つながりっすん:古川日出男『夏迷宮』に迷い込んだ話
2026-08-28 12:35

#1643 つながりっすん:古川日出男『夏迷宮』に迷い込んだ話

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今回は「つながりっすん」の「読書感想文」企画に参加! 古川日出男さんの『夏迷宮』を読みました。390ページの幻想小説に挑んだら、人魚、イナワシロン、坂上田村麻呂、古代東北、郡山の歴史まで次々につながって……読書感想文のはずが、妄想と考察が止まらない。自分なりの読み方で、作者の考えていないことまで作品の謎を勝手に深掘りします!



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感想

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はい、おはようございます。 本日の放送は、2026年8月28日金曜日です。
本日は第1642回目のお話となります。 このチャンネルは、福島県郡山市在住の特撮アニメ漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをダラダラと話をしていくという番組です。
よろしくお願いいたします。 今回は、つながりすんの読書感想文企画に参加しました。
この企画を立ち上げてくださったのは、ひろうひろしさんです。 ありがとうございます。
じゃあ、何を読もうかなぁと。 ちょうど夏だし、たまには厚めの本に挑戦してみようじゃないかと、選んだのが古川秀夫さんの夏迷宮。
390ページ。 いや、普段10分くらいのポッドキャストしか作っていない人間が390ページですよ。
でも、読み始めたらこれが面白い。 実は、読み始めた22日にもこの本について話しています。
本の中に登場する坂上田村丸と福島県とのつながりについて。 そして、読み終えた23日にも話しています。
こちらは、郡山の人ならあれ?と思うようなキーワードについて、ネタバレありで喋っています。
そして今日は、いよいよ読書感想文です。 と言いながらすでに2回喋ってますけどね。
読書感想文というより、読書3部作になっています。 さて、古川秀夫さんご存知でしょうか。
福島県郡山市出身の作家さんです。 受賞歴を見るだけでもとにかくジャンルが広い。
アラビアの夜の種族では日本推理作家賞と日本SF大賞。 ラブでは三島幸男賞。
女たち300人の裏切りの書では野間文芸新人賞と読売文学賞。 ミステリー、SF、純文学。
結局この人は何作家なんですかと聞きたくなるぐらい、一つのジャンルに収まりません。 しかも現代小説だけを書いているわけでもありません。
平家物語の現代語訳を手掛けて、そこからアニメ平家物語が生まれました。 さらにその影響を受けて書いた小説犬王は劇場用アニメにもなっています。
そして2024年にはウツホ物語を題材にした超空洞物語も発表しています。 さらに東日本大震災後には福島の中通りと浜通りを縦断してなんと360キロも歩いた
ノンフィクション、ゼロFも書いています。 といったところ今色々言いましたけどここまで偉そうに説明してきましたが自分が読んだことがあるのは
アラビアの夜の種族、犬王、そしてノンフィクションと言いながらどう考えても幻想小説だろうと思ったゼロF。
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以上です。 いや古川秀夫ファンみたいな顔をして喋っていますが全然読んでないじゃないかという
すみません。ではなぜ今回夏迷宮を読もうと思ったのか 理由は3つあります。
1つ目、人魚の肉を食べて不死になってしまった少女が登場する。 はいもう気になります。
2つ目、第三次世界大戦が始まるという設定。 そして3つ目、自分が住んでいる氷山が舞台として登場する。
この3つが決め手でした。 特に最後ですよ、自分が住んでいる町を舞台にした幻想小説
これは飲まないわけにはいかない。 氷山が舞台ですよ。
普段見慣れた駅前とか道路とか稲橋路湖とかが幻想小説になって出てくる。 そりゃ飲みますよね。
実は以前氷山で古川さんの兵家物語についての講演会があって参加したことがあります。
その時古川さんが氷山を主役にする物語を書くつもりだと話していたんです。 それがずっと気になっていました。
そして今回夏明紀を読んで、これこそあの時話していた氷山の小説なんじゃないか。 そんな感じがしました。
さて幻想小説という一言で言ってもいろんなタイプがあります。
現実と夢の境界が溶けていく安倍公王渋沢達彦タイプ。 現実世界とあちら側の境界を超えていく宮沢賢治泉強化タイプ。
そして夏明紀はガルシアマルケスの100年の孤独に近いマジックリアリズム、 つまり魔術的リアリズムのタイプだと思います。
現実の世界の中に超自然な出来事がごく普通の顔をして存在している。 人魚がいます。
ほいそうですかみたいな普通ならいやいやいやいやとなりますよね。 でもこの世界ではそれが普通に存在する。
さらに古川さんの場合はそこに現実の土地、歴史、伝承が絡んできます。 つまり福島の歴史プラス土地の記憶プラス伝承プラス幻想
がぐちゃっと混ざっている。 この独特な感じが夏明紀なんですよね。
そして文章も独特です。 古川さん自身の朗読の声が頭の中から聞こえてくるような独特のリズムがあります。
これは多分言葉のリズムに浸って読むのがいいんでしょうね。 実際そうやって読んでみると個人的には面白かった。
ただ一般の客をどこかすごい場所まで連れて行くほどの熱さがあるかと言われると自分はちょっと物足りなさを感じました。
なぜか 古川さんの仕掛けが郡山や福島の歴史を知っている人ならわかるよねという前提になっているところがあるんです。
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ところがその説明が作品の中ではあまりない。 いやそこ説明してよと思うところがあるんです。
郡山市民はわかる。でも県外の人には何の話?となる可能性があります。 これはちょっと不親切だなぁと思いました。
ただし逆に言えばですよ。 郡山の歴史を知っている人が読むとめちゃくちゃ面白い。
あれこれってもしかしてあの話?とどんどん繋がっていくんです。 そしてここからが自分の暴走タイムです。
作品の中で古川さん自身は語っていない。 もしかすると古川さん自身も意識していないかもしれない。
そんなこともでここから勝手に掘ってみたいと思います。 もしかすると古川さん巫女のようになって書いているのかもしれません。
本人も知らない何かを受信している可能性があります。 この物語の中心にあるのが稲葉城湖です。
稲葉城湖の一部は郡山市なんですよ。 そして物語のきっかけになるのがその稲葉城湖にある
イノシのような生物の住む島。ここから話が動き始めます。 稲葉城という地名は東北の地名によくあるように
アイヌ語が語源だと言われています。 ただ意味についてははっきりわかっていません。
稲葉城という音だけが伝わってきて、後からイノシシや田んぼという漢字が当てられた。 そしてその漢字からイノシのような生物に田んぼを耕せていたという
民話が生まれていきます。 現在でもその神獣はヤマクジラと呼ばれて奉納されています。
そして作品の中ではそれが稲葉城と名付けられています。 稲葉城。この名前には稲葉城という言葉そのものを宿らせたかったんじゃないか。
自分はそんな風に感じました。 そして物語には1600年生きている10代の女性が登場します。
1600年前といえば古墳時代です。 そして氷山には大安場古墳があります。
この古墳は大和朝廷の影響がこの地域まで及んでいたことを示す重要な遺跡です。 つまり1600年前この氷山周辺では
恵美市と大和の攻めき合いが起きていた。 そして大和朝廷が恵美市の領域だった稲葉城と出会ったのもこの時代だった。
作品の中ではその島を大和の兵が荒らしたことで神獣が湖に逃げ込んでそして人魚へと姿を変えたと語られます。
すごいですよね。人魚が出てくる話なのにちゃんと古代東北の歴史につながっていく。
そしてそれから約300年後、北へ追い合っていた恵美市をさらに攻めるために大和朝廷は坂上田村丸を派遣します。
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氷山では英雄として語り継がれ現在では坂上田村丸生誕の地とされる場所もあります。
そして夏明宮ではなんと田村麻呂というキャラクターになって登場します。 しかも着ぐるみ。
歴史上の人物が着ぐるみになっているんです。でもこれにもちゃんと意味がある。
中身のないものに古代のものが宿れば復活できる。 そのためには空洞のような空間が必要になる。
ここがこの小説の渦穂という考え方につながってきます。 古川さんはその直前の2024年に渦穂物語を題材にした超空洞物語を書いています。
そして実は夏明宮そのものも渦穂物語の一つになっているんじゃないか。
そう考えるといろんなものが見えてきます。 本の表紙の裏を見ると縁には模様があります。
でも中央は真っ暗なんです。しかもそれが本の前後にある。 つまりこの本そのものが渦穂つまり空洞になっている。
古代の言葉や記憶を受け取るための装置なんじゃないか。 なんて考え始めるともう止まりません。
さらに作中には地中の湖というキーワードが出てきます。 実は20万年前まで郡山は巨大な湖だったんです。
それが長い年月をかけて縮小して古くから浅か沼と呼ばれていました。 ところが松尾馬匠がこの地を訪れた時には探しても見つけられないほどほとんど消えていた。
ところがその地中の湖があった土地に浅か素水によって稲葉白子の水が引かれる。
そう考えると古代の湖がもう一度復活したようにも見えます。 地中の湖と稲葉白子が時間を絶えてつながってしまうんです。
いや面白いですよね。 こういうことを考え始めると390ページを読み終わっても終わらない。
本は閉じたのに頭の中ではまだ続いている。 そしてこの本読めば読むほど深掘りできる小説なんだと思います。
普通読書感想というのは作者が何を意図して書いたのかを読み解くものだと思っています。
でも夏明球はそれだけじゃない。 作者が意図しないかもしれないものまで読者の側から浮かび上がってくる。
それが面白い。 もちろんここから先は自分の解釈です。
いや、もしかすると妄想です。 でも読後しばらく経った今でもまだワクワクしています。
これってもしかして?と考えることがまだ出てくる。 何度も読み返した目に別の繋がりが見えてきそうです。
そういう意味では夏明球はかなり珍しい小説でした。 390ページ。最初は熱いなぁと思ったんですが、読み終わってみるとまだ足りないぞとなっている自分がいる。
読書って怖いですね。 というわけで今回はつながりすすんの読書感想文の企画で古川秀夫さんの夏明球についてお話ししました。
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そしてヒロヒロさんこんな面白い企画を立ち上げてくださって本当にありがとうございました。
はいそれではまたもしよければぴょん吉のオタクな話にお付き合いくださいね。 本日もお聞き下さいましてまかこにありがとうございました。
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