1. ピョン吉の航星日誌
  2. #1470 福島県のノンフィクショ..
2026-03-08 08:26

#1470 福島県のノンフィクションから幻想へ、古川日出男さんの『ゼロエフ』の話

spotify apple_podcasts youtube

今回は本の話。読んだのは、郡山市出身の作家、古川日出男さんの小説『ゼロエフ』。震災や原発事故を背景に、国道4号線と6号線を歩く旅のように始まり、気づけば幻想文学へと変わっていく不思議な作品です。なぜか私は昔から古川さんを“勝手にライバル視”しているのですが、読んでみたらやっぱり面白い。福島の風景、歴史、そして文学が混ざり合うこの一冊。福島県民としては読まずにはいられない小説でした。今回はそんな『ゼロエフ』の魅力を語ります。

00:00
はい、おはようございます。本日の放送は、2026年の3月8日、日曜日です。 本日は第1470回目のお話となります。
このチャンネルは、福島県郡山市在住の特撮アニメ漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをダラダラと話をしていくという番組です。
よろしくお願い致します。 今回はですね、
本の話をしたいと思います。 読んだのは、ゼロエフ。
書いたのは、福島県郡山市出身の小説家、古川秀夫さんです。 どうやら福島県を舞台にした小説があるらしいと聞きまして、3月11日も近づいてきたことだし、
東日本大震災とか原発事故とか、そういうことを改めて考える機会になるかなと思って読んでみたんです。
そしたらですね、これがもうドンピシャ! これは読んでよかったなぁという本でした。
というわけで、今回はこのゼロエフの話をしたいと思います。 この本は2021年3月に高壇社から出ています。
古川秀夫さんといえば、郡山市出身の小説家で詩人でもあります。 自分が最初に読んだのは、アラビアの夜の種族。
これがですね、出た時すぐ読んだんですけども、衝撃でした。 えっ、これ日本人が書いたの?しかも郡山市出身の人?
翻訳ファンタジーかと思ったら、日本人の作品、しかも郡山出身。 これはもうヤバい人が現れたなぁと。
ファンタジーとか幻想文学の世界にとんでもない人が来たぞと。 で、なぜか私はですね、
勝手にライバル視していました。 いや、向こうは私の存在すら知らないんですけどね。完全に一人相撲です。
ところがその後ですね、古川さんどうも主流文学の方で活躍したいみたいな感じになっていくんですよ。
いわゆるメインストリーム、純文学ですね。 それを見て私は思いました。
まあ、頑張ってください。 いや、なんでそんな上から目線なんでしょうね。自分でもよくわかりません。
ただ正直な話、もし郡山市出身の人が、ぼんこぼんこぼものすごいファンタジーを出し続けてきたらですね、こっちは体がもたない。
ああ、よかった。 純文学の方に行ったのかと、ちょっと安心してしまったんです。
どの立場だよって話なんですけどね。 そんな古川さんですが、しばらくしてまたこちらのレーダーに引っかかってきます。
何かというと平家物語。 現代語訳みたいな仕事をしているなぁと思ったら、なんと自分でも書いてしまった。
それが平家物語、犬王の巻。 そしてこれがアニメ映画になりまして、犬王。
さらに古川さんが現代語訳した犬家物語もアニメ化されて、平家物語。 急にですね、アニメ界隈にぐっと近づいてきたんです。
03:03
あれ、またこっちのフィールドに寄ってきたぞと思いまして、 これはもう再び向き合わねばならないなぁと。
いやだからなんてそんな対決姿勢なんでしょうね。本当に意味がわかりません。 そんな流れもありまして、2年前、郡山市で行われた古川秀夫さんの講演会に行ったんです。
そこで面白い話を聞きました。 古川さんが本を読むきっかけになったのは、お姉さんが読んでいた本だったそうなんです。
それをたまたま読んで、すごく感動して本好きになった。 サイン会の時に私は思い切って質問しました。
その本って何だったんですか? すると古川さんが言ったのが、
知らないかもしれないけど、誰も知らない小さな国という本です。 それを聞いた瞬間、私は心の中で叫びました。
おお、佐藤悟。誰も知らない小さな国。私も好きな本なんですよそれ。 思わず自分も大好きな本ですと言ってしまいました。
同じ本に感動しているというのはちょっと嬉しいですよね。 さらに話を聞いていると古川さんは氷山の映画
100万人の大合唱も好きだと言っていて、 その話がですね、なんとこのゼロFの中にも出てくるんです。
それを見つけた時はちょっとニヤッとしましたね。 そんな古川秀夫さんが福島県を滞在にした小説を書いている。
それを知ったらですね、もう読むしかない。 福島県民としてはこれは読んでおかねばならない本だろうと思ったわけです。
このゼロFという本、実は構成がちょっと変わっています。 雑誌群蔵に載った作品をまとめたもので短編が1つ、中編が2つ、それに書き下ろしを加えた本になっています。
まず一つ目が福島の小さな森。 これはですね、2019年の自分の母親の葬儀をきっかけにした話。
氷山見穂田町の椎茸農家の実家の思い出などが語られます。 かなり詩小説に近い感じですね。
2つ目が4号線と6号線。 2020年の夏、コロナでみんな自粛していた時期。
その時に古川さんが国道4号線と6号線を歩くんです。 国道4号線を北上、6号線を南下。
これがまたですね、知っている場所がどんどん出てくる。 ここ通ったことある、この町知ってる、みたいな感じでかなりノンキクションっぽい小説になっています。
ただし、当然6号線の立ち入り禁止区域は歩けない。 そこには入れないわけですね。
そして最後の作品。これがタイトルにもなっている国家0F城戸。 ここでですね急に雰囲気が変わります。
それまでのエッセイ風、ロポ風の文章からいきなり幻想小説になるんです。 ちょっとガブリエル・ガルシア・マルケスの南米文学っぽい感じ。
地元では第1原発を1F、第2原発を2Fと呼びますが、 もし波江町建設予定だった原発計画が実現していたら、それは3Fだったかもしれない。
06:12
じゃあ1、2、3があるならその前の0Fもあるんじゃないか。 それはどこなんだということで0F探しが始まるんです。
そこから物語は平家物語とか風の又サブロー、銀河列島の夜などを引用しながら進んでいきます。
自分の過去、福島の歴史、出会った人たちの言葉を手がかりに0Fの場所を探っていく。
ヒントになるのが国道4号線、国道6号線、そして阿部熊川。 そしてですね
0Fにたどり着くかと思った時、なぜかいつの間にか少年のような存在がずっと隣を歩いている。 その姿は放射線のモニタリングポストのような形。
実は0F、この辺りがものすごく宮沢賢治っぽいんですよ。 そして0Fとともに最後にたどり着く場所。
ああ、なるほどと唸りました。 場所はですね、これは言わない方がいいでしょう。
読んでのお楽しみです。 もちろんこれは古川秀夫さんにとっての0F。
でも読みながら推理小説みたいでもあり、ファンタジーみたいでもあり、とても面白かったですね。
2020年、2021年を福島にした小説、0F。 ノンフィクションのように始まり、最後は幻想文学にたどり着く。
なかなかすごい構成の小説でした。 こういう福島県を舞台にした文学作品、もし他にあるならぜひ読んでみたいですね。
そして、もし誰か知っていたら教えてください。 多分私はまた勝手にライバル種しながら読むと思いますので、
誰とも戦っていないのに、一人だけ戦闘モードで。 自分、平和な人生ですね本当。
はい、それではまた、もしよろしければピョン吉のオタクな話にお付き合いくださいね。 本日もお聴きくださいまして誠にありがとうございました。
08:26

コメント

スクロール