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2026-09-26 11:15

#124 素朴な日常に潜む大いなる力 / 塔和子詩集『日常』朗読解説その4

今回は、塔和子さんの詩集『日常』

ハンセン病であるために生まれた詩もありますが、
病にかかわらず、誰もが過ごすような何てことない日常の中に潜む大事なことを詩にしてくれています。日常をこのように受けとめられるとどれだけ豊かな人生になるのでしょうか。

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サマリー

塔和子詩集『日常』から、「熱」「旅」「怒りの高揚」を朗読し、何気ない日常に潜む力を読み解く。詩「熱」では、仕事や遊び、考えることを突き動かす、命の核からあふれるエネルギーが語られる。詩人にとっては、詩を書くことや詩の眼差しで日常を味わうことが、その熱として現れていたのではないかと話す。「旅」では、方向音痴の私を心配する身近な人とのやり取りと、港へ急ぐ五月の明るい高揚感が描かれる。「怒りの高揚」では、夫への怒りが創作の喜びと感謝、愛おしさへ変わり、暮れゆく外の時間や宇宙のリズムと結びつく広がりが読み取られる。

詩「熱」――日常を動かす命のエネルギー
次行きますか。
熱
何が自分をそうさせるのか
仕事も遊びも考えることも
夢中になれる強い力
この熱意に
押しまくられて人は生きる
それがなければ死んだと同じだ
今は
体力にも知力にも
限界のあることさえ思いもせず
働き考え
そこから得た
この素晴らしい収穫
人に
このことをさせるのは誰だ
人は
この悪なき行為を繰り返して
生きることに満足する
誠に愛おしい
生き物だ
っていう作品です。
うーん。
うーん。
なんかいいですね。
いいですね。
なんかすごく命の核から
溢れ出るエネルギーみたいな
うーん。
ね。
愛というか
ね。
それが仕事とか
遊びとか考えることとか
そこを突き動かして
うーん。
その人を運んでいくんだなとか
うーん。
想像が浮かびます。構造が。
ねー。
うん。
いいですねー。
うーん。
この東和子さんにとっての
この熱
うーん。
は
詩を書くこととか
詩の眼差しで日常を
うーん。
味わうこととか
そういうところに
うーん。
その熱は
現れてたのかなーとか
なんかそういうことも
そういうところにも
うーん。
ね。なんか馳せますね。
ね。
うん。
ちょっと前扱った虚無っていうことに対してもねー
うーん。
それでもなお
命が与えられている
うーん。
それでもなお
何かこの熱意が
与えられている
うーん。
うーん。
こういうことに
眼差しを向けられるっていうのも
いいですよねー。
うーん。
次行きましょうかー。
はい。
詩「旅」――心配と五月の高揚感
旅
です。
方向音痴の私に
こういう時はこうするのだ
こんな時はこうしたらいい
財布は持ったのか
電話番号は持ったのか
時計は狂っていないか
メシーのあなたに
こんなにも気をもませる私の旅
それでも
こんな私にしても
いなかったら困らないかなーと思って心配すると
どうにかなるよ
という
着替えをして
煙草を吸わせてあげながら
行ってくるわ
大丈夫?本当に大丈夫?
と何度も何度も言った
空は
エメラルドグリーンの明るさに
隅々まで進み通って
5月の太陽に眩しい道を
港へと
飛び上がり
飛び上がり
ハンドバッグを振り回しながら
急いでいる私
という作品です。
かわいい。
うーん。
なんかさっきの熱意と
うーん。
相まってこうなんか
湧き立つような
春夏みたいな感じが
そうだね。
やっぱりいるんですね。
なんでいいんでしょうね。
こういうなんか
本当に素朴なことですよね。
ね。
うーん。
アルバムみたい。
うん、本当だ。
旅の特別感と
煙草を吸わせてやる日常の
なんかね。
気持ちの高揚も伝わってくるし。
うん。
次行きますか。
ん?
詩「怒りの高揚」――怒りから感謝へ
怒りの高揚
ですね。
あれから何時間たったのだろう。
私はノートとにらめっこ。
ふっと一つの言葉に立ち止まった。
そうか。
夫の黒標はここのことだな。
ここを取れば本当にすっきりする。
なぜ気がつかなかったのだろう。
私は急にスッとして
あんたありがとう。
こうしたらよくなったわ。
ほらねと言って読み上げた。
私は一つのものを創作した喜びに
ほのぼのとして
身が震えるほど怒りを覚えた夫に
よく私の怒りを受け止めてくれたと
愛おしくなって
ごめんねと重ねて言った。
雀の声も聞こえなくなって
外はすっかり日が暮れている
という作品です。
いいね。
うん。
さっきの熱意っていう
なんていうのかな。
返しみたいな、なんていうのかな。
彼女の熱意ってこういうところに
傾けられているんだな。
時間を忘れるほど
雀の声がいつの間にか消えているくらい
のめり込んで死に向かっているんだな
という感じが伝わってくるし。
ね。
いやーなんかこう
これ
よく私の怒りを受け止めてくれた
愛おしくなってごめんねと重ねて言った
って言って
これもなんか素敵じゃない?
ここで終わっていいと思うんだけど
雀の声も聞こえなくなって
外はすっかり日が暮れて
日暮れているかっていうね。
これが入ることって
うん。
なんかいいですよね。やっぱり。
うん。
なんていうんですかその
それは死の習性に
すごく熱心に時間をかけたってことも
あるんだけれども
個人の怒りから
この
今度感謝に変わっていく
とかっていう
このリズムと
日は昇ってくれていくという
この宇宙のリズムとが
結びついている感じがしてくるというか
なるほど。
そこに
なんだろうな大きな働きを感じる
し
私たち誰もが
その宇宙のリズムやエネルギーの中に入っているから
私の怒りもやがてこうなるだろう
っていう感じにもなってくるし
開かれてくる感じがあるんですよ
死として
さっきの旅の死も
空はエメラルドグリーンの明るさに
隅々前進して
隅通って
いうところに
旅のバーンっていう開かれた感じが
入ってくるんだけど
それもただ景色として
旅のその門出としての
表現っていうことでもあるんだけども
なんかそれだけに終わらない
感じもあるじゃないですかやっぱり
これがなんか
深みをやっぱりもたらしているところだなーって
なるほど
本当だね
いいですね
いいですね
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