今回は、塔和子さんの詩集『日常』
ハンセン病であるために生まれた詩もありますが、
病にかかわらず、誰もが過ごすような何てことない日常の中に潜む大事なことを詩にしてくれています。日常をこのように受けとめられるとどれだけ豊かな人生になるのでしょうか。
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00:00
次読みますか。 手の上に乗せてという作品ですね。
津貝の鳥のようにすっかり慣れきった二人の暮らし そこにいると
水もくれます餌もくれますそして着るものも 籠の中は日々平安
時々神様のようなものがすべてを与えられている 私たちを手の上に乗せて
お前たちはいいなぁと言って遊んでくれます けれども
籠の中にあんまり長くいると外へ出ても生きる術を忘れてしまい また自分で籠の中へ戻ってしまう
目を開けると死にたいほど厳しいのにそこは目をつむって 明るく生きるしかないところ
だから私はいつもおもちゃの鳥のようにおとなしく 籠の中で暮らしている
っていう まあやっぱり
自分が感じる現実みたいなものを死にしている感じしますよね この療養所っていう
隔離されたある特殊な 状況に
入るしかなくて
で まあもう
特効薬もできて感知して 外に出るってこともだんだんだんだん
その できるようになってきて
で
だからさっきみたいにショッピングしに町へ繰り出すってこともあるんだけれども
なんか
外へ出ても生きる術を忘れてしまい また自分で籠の中へ戻ってしまうっていうね
うん で
もう長年ここで過ごしてしまったから 生きる術を忘れてしまった
そしてここに戻ってしまうっていう それで
本当にいいんだろうか
っていう思いもなんか入っている
気もするんだけれども
でも外に出ると厳しい変形みたいなものもまだあって ここで生きるしかない側面もやっぱあるし
うん だから
03:05
ここでおもちゃの鳥のように大人しく 籠の中で暮らしているって
なんかね どうにも逃れられない宿命みたいなものを 見つめながら
なんかその中で っていう感じがしますね
だから本当は 病にならなかったら
もっといろんなことできたろうにって 何度も思ったと思うんですけれども
でもそういうふうなことはもうできなくて
おもちゃのような鳥の自分を
愛そうじゃないかという感じもある
だからちょっと戦っているところもやっぱ ありますね なんか
うん 次読んでいきますか
貴郷ですね カエル
佐藤 貴郷
イワシといえば故郷の海が見え 鞘遠藤といえば
鞘を積んでいた母の姿が見え 小芋といえば
宝石のように水を貯めていた 歯が不思議でしょうがなかった
少女の日を思い 黙々と食べている
お腹が大きくなるのか 思いが大きくなるのか
わからないくらいの速さで食べている 小芋に
あれから何代目くらいのあなたですかと問い 鞘遠藤に
何年目の春に巡り合っているあなたと私 ですかといい
イワシにどこの海から来たのですかと尋ね 彩りよく並んでいる人参にも
よく出会いますねと話す そして
06:01
野菜や魚たちとの沈黙の会話を 箸で口で運んでいる
黄昏た私の頭の中で
考えられる限りの気境をしている これいいですね
すごいいいですね 食材は
外からやってきてくれる なんていうか限られた
お客さんなんていうか 尋ねてきてくれる
何代目のとかね
それから何人目の まあでもそのぐらい国境には帰れなかったってことですね
そうですね そうでしょうね
うん なんかアンセン病の方って
もう治ったからって言っても まだ偏見があったりするし
家族にも迷惑をかけてしまうっていうのもあって その家族からアンセン病が出たってなると
その家族ごと煙たがられてしまうみたいな 事態状況もあって
うーん だから家族にも迷惑かけたくないからってことで治っても
この療養所にいるっていうこともあったりとかね ちょっと当家族さんがどうかわからないけれどもね
でなんか あれみたいですね
ドキュメンタリーとか見てると この療養所を抜け出す人とかやっぱいるんですよ
ああ でも抜け出しても
また捕まえられて 入れられちゃうんですね
あと薬も療養しないともらえないから それでやっぱ帰ったりとかね
この方はもう11歳で
入所してるから
ねえ 故郷を奪われたっていう
感じがある気がしますし
うーん
09:01
こういう人たちにとって故郷がどれほど愛おしかっただろうって思いますね
うーん
いやーこの詩はすごいねー
これは
普通の私たちじゃ書けないですね
生まれてくるんだなぁ
本当にこの人しか書けない詩っていうものが
うーん
ぜひ あごめんなさい
思いはしたこともなかったなと思って
そうだよね
うん
ほんとそうよ
うん
次いきますか
はい
盤修ですね
あなたは私のために何をしてくれたか
心の虚ろを埋めてもくれなかった
心の寒さも引きむしってはくれなかった
けれどもいることによって安らいをもたらせてくれた
大地の上に共にいるという安心感をも与えてくれた
私は あなたのために何をしたか
あなたの心のひもじさを取り捨ててあげえたか
あなたの痛みを痛むことができたか
あなたの悲しみを悲しみ得たか
夫よ 一体であることにおいて
そこを流れる悲しさは
あなたも一人で悲しむだけでよかったのが
私と一緒であることにおいて2倍
私もあなたと一緒であることにおいて2倍
今週の小川のように薄ら寒く
遠いところからやってくる
存在の寂しさそのものを見つめている私たち
という作品で
なんかこの療養所の小さい2人で住んでる家の中で
12:00
存在の寂しさそのものにまで行くんですね
とうかずこさんにとってこの夫って
本当に大事な人だったんでしょうね
この夫の存在があって
本当に愛を注ぐっていうことが
彼女を強くしてるというか
そうだね
いいことなんだなって
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