【今回のエピソード】ノルウェー旅行で、ムンクの『叫び』を観てきました。ムンクが精神的な苦しみを抱えていたことは有名で、諸説ありますが統合失調症だったとも言われています。そしてその苦悩は、作風そのものに現れている。歪んだ外界、耳を塞ぐ姿——。そこで今回は「絵画に描かれた病」をテーマに話しました。ゴッホの『星月夜』のあの渦巻くタッチと、メニエール病説。モナリザの目元と手に見える黄色い隆起。ペストの時代に広がった『死の舞踏』というモチーフ。そして日本の九相図と病草子。病そのものを描こうという発想がなかった時代の作品を、現代の医学的な視点から読み直すと、見え方が変わってきます。▼ こんな話をしています・ムンク『叫び』に現れた精神の病(歪む外界、塞がれた耳)・ゴッホ『星月夜』とメニエール病説・メニエール病とはどういう病気か・『モナリザ』の黄色い隆起と黄色腫、甲状腺機能低下説・当時は病を描く発想がなかったという前提・『死の舞踏』はひとつの作品ではなくモチーフである・ペストの大流行と、死が隣にあった時代・死は誰にでも平等に訪れるという皮肉と無常感・メメント・モリ(死を想え)というメッセージ・日本の九相図に描かれた無常観・病草子と、病に苦しむ人々の写実・病や死を通して人間と社会を見つめ直すということ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━📻 のんびり医学ラジオについて現役医師がのんびりと医療・健康・日常について語るポッドキャスト。専門知識ゼロでも楽しめる内容をお届けします。※ 作者の疾患に関する説はいずれも後世の推測であり、 確定診断されたものではありません。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━#のんびり医学ラジオ #絵画 #医学 #美術 #ムンク#ゴッホ #モナリザ #医学史 #医師 #ポッドキャスト
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サマリー
ノルウェーでエドワード・ムンクの『叫び』を見た経験をきっかけに、絵画に描かれた病について語る。ムンクの精神的苦悩が歪んだ外界や耳を塞ぐ姿に表れたという見方や、ゴッホの『星月夜』のうねる空をメニエール病のめまいと結びつける説を紹介する。『モナリザ』の目元や手に見える黄色い隆起から黄色腫、甲状腺機能低下症の可能性を読み取る説にも触れるが、いずれも後世の推測として扱われる。14世紀ヨーロッパの「死の舞踏」は、ペストや戦争で死が身近だった時代に、身分に関係なく死が訪れるという皮肉やメメント・モリを示すモチーフとして説明される。日本の九相図は死体が朽ちていく過程を九段階で描き、仏教的な無常観を表す。病草子は、不眠症や眼病、肥満、下痢症などに苦しむ人々を写実的に描き、記録や医学書に近い側面があった可能性が語られる。後半では、妖怪やおとぎ話を先天疾患や外見上の疾患から読み直す可能性、歴史上の人物の病を後世から考える企画案にも話が広がる。病や死は芸術を通じて人間や社会を見つめ直すモチーフになってきた、という結論で締めくくる。
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