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2025-08-20 11:16

04 ムンク「叫び」

ムンクの「叫び」:絵が叫ぶのは誰の不安?隠された真実と現代への問いかけ

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さて、今回は、04 ムンクの「叫び」。いやー、一度見たらこう忘れられない、すごく強烈な作品ですよね。
えー、本当に。
今日はですね、あなたがお持ちの資料も参考にしながら、この名画の奥深くちょっと一緒に探っていきたいなと思ってます。
はい。
単なる怖い絵ってだけじゃない、そのなんというか、確信に迫っていきましょう。
そうですね。まさにこう、近代の人間の心の中、その不安を切り取ったような、そういう作品だと思います。
発表された当時から、まあいろんな意見がありましたけど、今ではもう文化的なアイコンとしていろんなところで見かけますよね。
確かに。では早速、えーと、確信からいきましょうか。タイトルは「叫び」ですけど、これ描かれている人物、実は叫んでいるわけじゃないんですよね。
あ、そうなんですよ。そこ面白いポイントで。むしろこう、自然全体を貫くような、なんか大きな叫びみたいなのを聞いて、うわーっとなって耳を塞いでるっていう。
あー、なるほど。だからあの、骸骨みたいにも見える歪んだ顔とか、大きく見開かれた目っていうのは、外から、あるいはもしかしたら内側からの、こう、耐えられないプレッシャーに対する反応とも読めるんですよね。
うわー、なるほど。あの背景のグニャグニャした感じと、人物の表情がなんかこう一体になって、見てるこっちまで不安になるような構図もかなり独特じゃないですか。
ええ、そうなんです。中心にいる人物が立っている橋、これは奥に向かってこう、すーっとまっすぐな線で描かれてて、遠近感がすごく強調されてますよね。
うんうん、直線的ですよね。
で、その一方で空とかフィオルドは、あの赤とかオレンジ黄色みたいな、ちょっと中央を思わせるような色がうねうねっとした曲線で描かれてる。
わー。
この直線と曲線の対比がすごく激しくて、画面全体に何とも言えないこう不穏な緊張感とか、ちょっと目が回りそうな、そんな感じを与えてるんですね。
まるでなんか現実が歪んでいくみたいな感じがしますね。
あと、遠くに小さく見える二人の人影、あれがなんか逆に中心の人の孤独を際立たせてるような気もするんですけど。
ああ、確かにそうですね。あの二人は割と普通に歩いているように見えますからね。それと対比されて、中心人物の異常な状態というか、孤立感がより強調される。
うん。それから、あの燃えるような空の色ですけど、これ、ムンクが実際にノルウェーで会見した夕暮れの光景、それが元になってるって言われてるんですよ。
へー、そうなんですか。
友達と歩いてたら、突然空が血の色に変わった。自分は立ちすくんで、自然を貫く果てない叫びを聞いたみたいな、そういう記録も残ってるんです。
はー、すごい体験ですね。
だから、単なる風景を描いたというよりは、その時ムンクが感じた感覚そのものを色とか形で表現しようとしたということなんでしょうね。
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感覚を視覚化するということですか。うーん、それがまた1893年っていうその描くれた時代背景と結びつけて考えると、なんかさらに深い意味があるように思えてきますね。
ええ、まさに。産業化がどんどん進んで、人々の価値観とか生活が大きく変わり始めた時代ですよね。
はい。
で、この作品はムンクが生命のフリーズっていう名前をつけた一連の作品の一部なんです。そこでは、愛とか死とか、そして不安といった人間のすごく根源的なテーマを扱ってるんですね。
生命のフリーズ。
ええ。もちろん彼自身の精神的な苦悩とか病気の体験も色濃く反映されているとは思いますが、でも同時にそれは新しい時代を迎える人々に共通するような漠然としてるんだけどでも根深いこう、実存的な不安、生きることそのものへの不安みたいなものと共鳴したのかもしれないですね。
個人的な体験がその時代の空気みたいなものと結びついて、普遍的な表現になったということでしょうか。
まるで現実が歪んでいくみたいな感じがしますね。あと遠くに小さく見える二人の人影、あれが逆に中心の人の孤独を際立たせているような気もするんですけど。
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ああ確かにそうですね。あの二人は割と普通に歩いているように見えますからね。それと対比されて中心人物の異常な状態というか孤立感がより強調される。それからあの燃えるような空の色ですけど、これムンクが実際にノルウェーで体験した夕暮れの光景、それが元になってるって言われてるんですよ。
へえそうなんですか。
ええ。友達と歩いてたら突然空が血の色に変わった。自分は立ちすくんで自然を貫く果てしない叫びを聞いたみたいなそういう記録も残ってるんです。
はあ、すごい体験ですね。
だから単なる風景を描いたというよりは、その時ムンクが感じた感覚そのものを色とか形で表現しようとしたということなんでしょうね。
感覚を視覚化するということですか。それがまた1893年というその描かれた時代背景と結びつけて考えると、なんかさらに深い意味があるように思えてきますね。
ええ、まさに産業化がどんどん進んで人々の価値観とか生活が大きく変わり始めた時代ですよね。
はい。
この作品はムンクが生命のフリーズっていう名前をつけた一連の作品の一部なんです。そこでは愛とか死とかそして不安といった人間のすごく根源的なテーマを扱ってるんですね。
生命のフリーズ。
もちろん彼自身の精神的な苦悩とか病気の体験も色濃く反映されているとは思います。でも同時にそれは、新しい時代を迎える人々に共通するような漠然としてるんだけどでも根深い実存的な不安、生きることそのものへの不安みたいなものと共鳴したのかもしれないですね。
個人的な体験がその時代の空気みたいなものと結びついて普遍的な表現になったということでしょうか。
そういう見方もできると思います。
そしてそれをなんか裏付けるような面白い発見があったんですよね。絵の左腕のところに書かれた文字。
あ、ありましたね。狂人のみが描くことができるっていう鉛筆書きですね。
はいはい。あれが長い間これ誰が書いたんだろうって謎だったんですけど、最近の研究でどうもムンク本人の筆跡らしいと特定されたんですよ。
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え、本人が書いたんですかそれは。
そうなんです。これはかなり興味深いですよね。
本人が書いたってなると全然意味合いが変わってきますよね。ただの落書きじゃなくて。
そうですね。え、なんか自重的なものなのか、あるいはこの作品がきっと批判されるだろうって予測して先に言っておいたみたいなメッセージなのか。
もしかしたらこういう普通の感覚を超えた感情を描き出すには、ある種の狂気みたいなものが必要なんだっていう芸術家としての表明だったのかもしれないですし。
なるほど。
いずれにしても作者自身の内面とこの作品がもう切り離せないものだっていうことを示すすごく様々しい証拠と言えるんじゃないでしょうか。
確かに。単に感情を描くだけじゃなくて、その感情を描くこと自体へのなんか葛藤みたいなものまで感じられる気がしますね。
だからこそ表現主義の先駆けとして、後の時代の芸術とかにすごく大きな影響を与えたっていうのもなんかわかる気がします。
恐怖とか孤独とか、そういう感情ってやっぱり時代を越えて誰でも経験し得る普遍的なものですからね。
だからこそ100年以上経った今でもこの絵は私たちの心に直接何か訴えかけてくるものがあるんでしょうね。
ということはこの叫びっていう作品は文句という一人の画家の個人的な原始とか苦悩とかそういうものを超えて、私たち現代人が多かれ少なかれ抱えているような内面の不安とか言葉にならない感覚みたいなものをすごく鮮烈なビジュアルで突きつけてくる作品だと言えそうですね。
あなたにはこの絵からどんな声が聞こえてきますか?
最後に一つこんな風に考えてみるのはどうでしょう。
この絵の人物が聞いたのはさっきも言ったように自分の叫びじゃなくて自然を貫く叫びだったわけですよね。
じゃあ私たちが生きるこの現代社会とか、あるいはほらあなたを取り巻く日常の中にこの人物が聞いたようなまだ私たちがはっきりと意識してない声なき叫びみたいなものがもし存在しているとしたら、それは一体何についての叫びだと思いますか?
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