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2025-06-10 09:18

250 ハイペースで進めるための古文・漢文の授業の進め方~リスナーさんからの質問に答える~

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リスナーさんからの質問に答えるシリーズが続きます。

ハイペースで進めるって・・・生徒の理解よりも進めることが上位概念に来ていませんか(汗

やっぱり受験指導にどっぷりつかるのはどうなのかとおもってしまうのは、私が長年生徒指導的に難しい学校に勤務していたせいなのでしょうか(汗

 

#国語教育 #古典指導 #受験指導 #予習 #ワークシート

 

Summary

古文と漢文の授業をハイペースで進めるための工夫や方法について考察しています。リスナーからの質問を基に、生徒の理解を深める授業実践や予習の重要性、ICTの活用方法にも触れています。

ハイペース授業の課題
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は250回、ハイペースで進めるための古文・漢文の授業の進め方、リスナーさんからの質問に答えるというタイトルでお届けしたいと思います。
昨日に続いて、リスナーさんからの質問第2弾となります。
インスタのDMから来ましたので、読ませていただきます。
一つの教材を1、2時間で終わらせることを求められる学校なのですが、
ハイペースで終わらせないといけない中で、授業で工夫できることや、黒瀬先生の普段の古文・漢文の授業の進め方を教えていただけるとありがたいです。
現在、授業展開にとても悩んでいます。
私は今、高等学校では論理国語しか教えていないので、
私が今までやってきた古文・漢文の授業の進め方ということについては、また述べると語りたいなと思っているわけですが、
その中でも今日、できるだけやってみたいと思います。
それではまず、ハイペースで進めるということって一体どうなのかと。
生徒の理解よりも進めるということの方が上位概念に来ていて、
進めるということが優先されて、生徒の実態がそこに落ちてしまっているなというふうに思うのは私だけでしょうか。
おそらく、超進学校とおっしゃっていたので、たくさんの教材、たくさんの文章に触れさせて力をつけさせたいということがあると思います。
ハイペースということは、一つの教材を1、2時間で進めるということだというふうにおっしゃっているわけですけれども、
これって現実的にどうなのかというお話からまずいきたいと思います。
私はあらゆる学校に、あらゆる生徒自体の学校に勤めてまいりましたが、
ハイペースで進めることができる学校っていうのはやっぱり国立大附属の生徒でした。
国立大附属の生徒は学力があるので、講義式でもOKですし、ワークシートさえ作っておいて、
そしてそれを自分で勉強させて答えを渡せば自分で勉強していくので、
本当にそのままワークシートの答えが学校の授業になっちゃうんで、
試験問題にも対応できるし、受験勉強にもなるということで、
自学自習ができる生徒がハイペースで進めても大丈夫な生徒だと私は思います。
ところが国立大附属の生徒はそれだけでは満足しなくて、教材の読解の奥に何があるのかということ、
これを学び取らないと満足しない生徒でした。
だからその読解で終わった授業に対して評価が低いわけですね。
自分自身もストレスを感じるみたいです。
だから1、2時間で読解が終わるけど、読み深める段階にまた1時間を要するという、
そういった実態だったので、教材の中にどれくらい奥深いものが隠されているのかを導いてくれる授業ということへの評価が高かったですね。
例えば応途中に引くという授業では、老僧思想を理解して終了というんじゃなくて、
老僧思想と現代のつながりについて分析考察するということに価値を置いたりとか、
あるいはその中で老子が二太夫に対して断りを言うわけですけど、
その断り方の論展開というものについても分析することにものすごく興味関心を抱いていましたので、
そういったところまできちっと読み取るという授業に対して評価が高かったと思います。
ここまでやろうとしたらハイペースは無理なんですけども、
ハイペースでやろうと思ったらワークシートで答え合わせ方式にするのが一番いいと思いますね。
それじゃあ一体何のために共同で教室で勉強しているのか、
共同的な学びというのが置き去りにされてしまうと思いますね。
だから一体何を目標にしているのか、それは教育なのかということを自問自答しながら、
ハイペース授業については批判的に見ていかなくちゃならないと思います。
予習と授業の工夫
ということで批判的な見解を述べたわけですけれども、
じゃあ実際、現実的にはどうしたらいいのかということですね。
まず一つは予習プリントを作るべきでしょう。
予習プリントを作成して予習を徹底させることが大事だと思います。
その予習指導については徹底的に時間をかけてもいいので、予習の仕方については仕込んでおく必要があると思いますね。
辞書を引くとか、それから助動詞の文法書を見ながら助動詞の意味についてしっかり考えてくるとか、
そういった予習プリントを作成して、次の日に点検するとか、そういったルーチンを作るといいと思います。
私も予習プリントを作成し、生徒に予習させて、それをザーッと点検して、そこからスタートしていましたけれども、
リスナーさんの務めになっている学校だったらそこまでしなくてもいいかもしれませんね。
点検までしなくても、生徒は勝手に予習してくるかもしれません。
そして、読解において大切なところだけを授業で扱います。
どんどん指名して訳させるわけですけども、ここの訳は難しかったと思うんだけれども、
助動詞の意味はどうやって取ったかということを、発問を通しながら展開していくということで、
読解の要所要所で立ち止まりながら確認していくことになると思います。
そして、だいたい畜語訳ができましたら、大きなビッグクエスチョンはメインで扱うということになると思います。
その際に用いるのはグラフィックファシリテーション。
ダラダラと文章を書いていると写すのにも時間がかかりますよね。
ということで私は、この文章を構造化して、グラフィック化して、図式化して、
発問を通しながら図式化を完成させるという授業を行っています。
その後で作文を書かせたりすると一番いいと思いますけれども、
パフォーマンス課題というのをここで課すと、めちゃくちゃ時間がかかってしまいますので、
パフォーマンス課題は、例えばICTで投げておいて、
ちょっと短めのパフォーマンス課題がいいと思うんだけれども、ICTで投げておいて、
時間が切れたら残りは宿題とか言っても家でやらせる。こういうことがいいと思います。
ICTだと処理も簡単ですし、アプリを通して持ち帰りなくても家でも学校でもできる。
そういうところがいいところだと思うので、読解の後、解釈の後のパフォーマンス課題、
あるいはミニ作文というものについては、ICTでかなり詳しくいろいろな条件を書いておいて、
それでICTで個別に配信して、家でも学校でもどこでもできるという方式にしておくというのがコツだと思います。
振り返りの重要性
このショートなパフォーマンス課題が出せない場合は、私は今論理工房の時間にやっているんですけれども、
振り返りを80文字で書かせる。これはR80という手法があるわけですけれども、
リフレクション80文字という手法で本にもなっています。それを丁寧にやるとまた時間がかかっちゃうので、
私はもう80文字前後で振り返りを書きましょうというふうなめちゃくちゃシンプルな形にして、振り返りを最後に書かせるようにしています。
これは6、7分、早い子で5分、遅い子で6、7分かかるので、これもまた時間切れたら後でやっといてねとかいう感じで、
これもICTでやると割り返しできるんじゃないでしょうか。
それをICTでやる利点は次のフィードバックがデジタルだと簡単だということですね。
という感じで私だったらやるわけですけれども、もしご希望があればその予習プリントでありますとか、
グラフィックファシリテーションの実際についてノート記事かなんかでアップロードしようとは思うので、
ご希望の方はコメントあるいはDMなんでも受け付けますので、
反応してくださるとノート記事にしてみようかなって思っています。
いずれにしてもハイスピード授業っていうのは生徒がチャッチャッとできるようにパターン化することが必要になってきますね。
パターンにして生徒にそのルーチンに慣らしておくっていうことが最も必要だと思います。
ということで私の授業の実際についてお話ししましたけれどもお答えになっているでしょうか。
いずれにしても生徒も忙しいし先生も忙しいということで大変だなと思いますね。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
09:18

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