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2025-06-26 09:55

266 「振り返り」の形骸化について考えてみた。

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学びに向かう態度を養うため、自己調整学習を図るために「振り返り」の重要性が求められています。

私も振り返りを書かせてきました。このたび毎時間の振り返りをやってみて思ったことを語ります。

 

#やっぱり書きたいと思ったときに書かせるのが一番 #振り返るために振り返りを書かせるのは辞めた #もっと振り返りについては勉強したい #振り返り #主体的 

Summary

高校3年生の論理国語の授業では、振り返り活動の形骸化を探る取り組みが紹介されています。生徒の主体的な学びを促すために、具体例を用いたスピーチや、そのフィードバックの重要性について考察されており、最終的には振り返りの進め方に新しい視点が必要であることが強調されています。

振り返り活動の重要性
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は266回、「振り返りの形骸化の落とし穴について考えてみた。」というタイトルでお届けしたいと思います。
私は今、高校3年生の論理国語を担当しておりまして、1学期中間テスト後は、「であることとすること」という定番の教科書教材に取り組んでおります。
この単元コースはいろいろと考えながらスタートしたわけですけれども、その一環として、毎時間振り返りを書かせてみようと思い出しました。
というのも、XQ Twitterですね。振り返りの重要性をたくさん発信されている先生方がとても多くて、私の振り返りの方法は、節目節目で振り返させるという方法だったので、今回はやっぱり毎時間毎時間やってみようかということで、量が少なめで、そして振り返りがコンパクトに書ける用紙を用意しまして、
だいたい80文字の用紙を用意して、そこに振り返るコツというのも書いて、生徒に毎時間配布し、残り5分でやらせることにしました。
ポイントとしては、今日どういうことを新しい知識、新しい認識として得たか、自分が気づいたり発見したりしたことは何かということが書かれていて、なおかつそれが今までの学びや、これからの物事の捉え方にどういうふうにつなげられるかというところを書くという項目を設けて、
振り返りの要点である学びが結びつく関連性であること、知識、理解、思考力というところと、それから主体的な態度というところが入っているような、そういった要求にして配布したんですね。
ちょっとここでネタバレをしますと、私自分が学生だったら、これ与えられて書く気になるかなと思ったら、私あんまり書く気にならないんだろうなと思いながらやったんですね。
でも、現行の学習指導要領では振り返りの重要性が求められているので、やっぱりこういうふうなことをやってみて考えてみようと思うことで、そういう意図があってやってみました。
そうしたら、80字以上ということで、生徒は5分間で一生懸命80字を埋めようとして、集中的に取り組むわけですけれども、学習したことをすぐに振り返れるわけですけれども、どうしても文章が形骸化していて、
埋めるために書くっていうところや、とりあえず書いとけっていうところや、それからこちらの意図した通りに書こうという、そういうところが見えまして、自分が書きたいと思ったことを書くっていうところからずれてるように思い始めました。
なので、もうそれ2回目でやめまして、振り返りっていうものの形骸化をやっぱり自分もそうだったかと思いながら、実際やってみて、やっぱりそうだったかと思いましたね。
私が生徒だったら、はって思った瞬間に書きたくなると思うんですよ。
自分で新しいことに気づいたり、自分の中で日常生活でもそういうことが言えるかもしれないと思った時に、初めて書きたいと思って一生懸命書く。
自分の中でまだ形になっていない、ちょっと混沌としたものに形を与えるために言葉を与えて、しっかりそこに位置づけるっていうことをしたんじゃないかなと思うんです。
ということで、もう2回でやめまして、それからは自分が、私が、授業者がここで書かせたい。
そのために生徒をもっともっと主体的にさせたいと思うところで書かせるようにしました。
先日は、近代化が全然進んでいないところと、近代化が行き過ぎているところっていう教科書の記述があるわけなんだけれども、そこについて具体例を書かせようと思いました。
その具体例を丸投げして、はい書きなさい、じゃあ書かないと思ったんで、近代化が全然進んでいないところと、近代化が進み過ぎているところについて、またまたこれがAIに登場してもらいまして、その事例を書いてもらって、
それを私が読んで聞き取りも兼ねた具体例を記述してもらおうと思ったんですね。
それをできるだけ高校生にとって実感できるような、そういう例をお願いしますと、GPTにお願いして、
それをさらになおかつ3分間で言えるような、つまり3分間だから300字×3の900字程度の文章にしてください。
スピーチ原稿にしてくださいとお願いしたら、さーっと作ってくれまして、こういうのが時短でいいですよね。
ということで生徒に、それじゃあ今教科書の内容を理解してきたけれども、これから具体例を出してもらいます。
自分の生活の中で、自分の今までの経験の中で、近代化が全然進んでいない例、近代化がとても進みすぎてしまっている例、これを掘り起こしてもらいます。
というと、途端に生徒が、えー思い浮かばないよ、みたいな表情になるわけなんですよ。
思い浮かばない生徒もたくさんいると思うので、これから私が具体例をスピーチします。
皆さんは教科書、プリントに余白がありますので、そこにメモを取ってもらって、その具体例を使ってもらっても構いません。
自分の中で、その具体例以外のものが思い浮かべが、それを書いてもらっても構いません。
ということで、今からスピーチを始めます、ということでスピーチをし、生徒は必死にメモを取っていましたね。
そのメモが終わってから、200字程度で、近代化が進んでいない例、近代化が進んでいる例を書き、
さらに自分が考えたことを書きなさい、ということでスタートしまして、書かせました。
具体例をあれだけ詳しく語ったということもありまして、書けないという生徒はいなくて、
しかも聞き取らないといけないので、しっかり自分で要点を聞いて、これは自分が書けるなということを判断しないといけないから、
かなり脳の中で活性化させて、言葉を捉えていました。
でも一生懸命書きまして、200字だから8分ぐらいはかかるかな、一生懸命書いてましたね。
提出してもらったんだけど、文章はほとばしるように書いたからまとまっていないわけなんだけれども、
出てきたものは本当に生徒自身が実感したことが書かれていたり、
それから私がスピーチした以外の例をどんどん出してきたり、
多分私が具体例を出したことによって、自分の生活の中で、
こういうことが言えるんだということが当てはまったんじゃないかと思うんですよね。
私のしゃべった具体例に触発されて、自分の生活の中でそれを落とし込むことができて、
つなげることができて、それをバンバン書いてるし、
さらに違った見方で尖った意見も出るし、全然言葉はまとまってないんだけども、
本当に思考して、自分が思ったことをどんどん言葉にしていって書いていったっていう、
新しい学びの模索
そういうふうな短冊文だったんですね。すごいなと思って褒めました。
次の時間、ちゃんとフィードバックをして、どこが優れていたのか。
全然文章はぐちゃぐちゃでしょ?
だけど、こことこことここっていうのはこの人でないと書けないし、
ものすごい尖った角度からで、私たちの物の見方や考え方を
さらに広げてくれてるよねっていうようなことで、コメントをフィードバックして返しました。
その時、やっぱり生徒の目はキラキラしてましたね。
ということで、毎時間振り返り書かせるのは私に合ってなかったです。
そういう形外化する振り返りよりも、よほどか生徒が集中して書く時間を取る方が
より効果的なんじゃないかと。
そして、自分の学びを見取るための振り返り、自己調整力を育てるための振り返りっていうのは、
どこの場面で書かせるのが最も効果的なのかっていうことは、
私は今までは単元が終わった後にそれをやってたんだけれど、
どこの時点が効果的なのかっていうのをまたしっかり勉強していきたいなって思いますね。
ということで、いろんな新しい学びにトライし続けてきましたけれども、
自由振動学習とか振り返りとか、フューレームリーディングとか、
そういった新しいタイプの学習にいろいろトライアンドエラーを繰り返してきたけど、
結局集約すると、生徒が主体的に学ぶっていうところ、
これをきちっと取らないとすべては崩壊する。
生徒が本気になる学習、それをきちっと外さないようにするっていうことが、
大きな肝なんじゃないかなっていうふうに今実感しています。
これからちょっとやっぱり振り返りについて、
私自身がもう少し勉強していかないといけないかなと思っているので、
また勉強した成果をご報告したいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。
聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
09:55

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