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2024-09-28 12:14

030 授業での「振り返り」の取り組みを振り返る

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現行の学習指導要領になってから、「振り返り」を書かせることが多くなってきました。私自身、どう考えているかをお話しします。

サマリー

国語の授業における振り返りの取り組みに焦点を当て、教員としての経験と方法論を共有しています。振り返りは生徒の自覚を促し、主体的な学びを支援するために重要であることが強調され、ICTの活用によってその取り組みが進化している様子も紹介されています。

振り返りの重要性
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
このチャンネルでは、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
9月も終わりに近づきましたけど、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
やっぱりちょっと暑くて、私はぐだーっとしています。
2学期も1ヶ月間を過ぎまして、バタバタしながらも秋に突入という感じですね。
今日は、国語の授業の振り返りについて、私自身の取り組みを振り返ってみたいと思います。
振り返りという言葉は、新学習指導要領、原稿のですね、原稿の学習指導要領の策定時期からちらほらと聞かれるようになりました。
振り返りということに一生懸命取り組んでいらっしゃる先生も多いんじゃないかと思います。
それまでに振り返りということはなかったのかというと、やはり言葉は違うんですけど、私はちょっと同じようなことをやってましたね。
学習の最後に書かせるまとめ・感想というところで必ずやっていたように思います。
それを生徒自身が学ぶ姿勢というのを自覚させるために、振り返りという言葉を使うようになったんじゃないかと思いますね。
そういう意味ではやっぱりパフォーマンス課題が導入されてきて、そこにやっぱり振り返りというのはくっついてきたんじゃないかなと思いますね。
私は教員になった頃から、学習課題やパフォーマンス課題は出すようにしていました。
中学校・高等学校時代でもパフォーマンス課題や学習課題はよくありましたし、それが当たり前だと思って教員になりましたし、
大学でも教科指導としてパフォーマンス課題や学習課題を課すという授業の構想について学んできました。
大がかりではないにせよ、何らかの課題とその学習後の感想というのは書かせるようにしていました。
改めて、今の現行の学習指導要領になって、振り返りと名付けるようになってきて、私自身の中でも意識が変化してきたことがあったので、それをちょっと整理してみたいと思います。
まず、振り返りの項目をすごく意識するようになりました。
具体的には、こういった視点で私は振り返り項目を立てています。
それは、現在・過去・未来という軸です。
それに指導目標をクロスさせて、文章を作っています。
いろいろ聞きたいことはあるのですが、あまりにも細分化すると、生徒の方も頭が断片化してしまって、おまけに書く気力もそんなに長い項目があるとうせると思うので、大体3から4項目で終わらせるようにしています。
現在・過去・未来をどんなふうに聞いていくのかというと、まず最初に学習前。
これは過去ですね。学習前はどう思っていましたかとか、あるいは所読の感想や疑問。
所読の時どう思っていましたかという学習前、あるいは学習直後のことを聞きます。
学習直後、文章を読んだ直後のことをよく聞きますね。
そこで生徒は振り返って、自分はこんな認識しかなかったんだなということを自覚することになります。
そして次は現在。学習後に新たに気づいたこと、発見したこと、深まったことを書いてください。
書くんだけど、この時は例えば少年の日の思い出だったら、私っていう主人公の行動、それから最後のシーンについて考えたことを書きましょうとか、そんな感じのことになると思いますね。
それに付随して必ずつけるのが今のは学習の内容だったと思うんですけど、次はスキルについて聞くんですね。
どういう知識、どういうスキルが身につきましたかということを聞きます。
そしたら対外生徒は心情を読んでから、あるいは性格を読んでから内容に入るであるとか、ちょっとした継承ですね。
アイテムに着目するとか、主人公の変化に着目するとか、そういったことを書いて、こういうふうな読みをしたからこんなふうに深まったんだということをここで書くので、自覚的になりますね、読み方についてね。
そして最後は未来、今後どういうことに活かしていけそうかということを書かせます。
そしたら次に小説を読むときにはタイトルに気をつけて読みたいとか、導入の工夫について読みたいとか、
そんなふうなことを生徒自身が読みが深まった視点で、次はこうしようということを書いてきます。
だいたいこんなふうなことを書くと、振り返りを網羅したことになるんじゃないかなと思っていますね。
だから現在、過去、未来の視点で書かせるようにしています。
振り返りの実施方法
この振り返りは先ほど言ったようにパフォーマンス課題なんかをやっかした後に書かせるのが私の大体のパターンなんですけれど、
ただ1回だけ毎時間振り返りを書かせたことがあります。
それは中学校1年生の1学期でした。
中1はやっぱり書くことに慣れていなくて、本当に書くことに時間もかかるしイライラもするし大変だったんですよね。
これでは国語の授業としていけないと思って毎時間やらせました。
そのやり方は中学校1年生1学期だけに1学期間これをやるよというふうに予告しました。
書くことに慣れるため、そして学習の目標にもなりますよね。
学習後に書くということがあるんだからしっかり考えようというモチベーションのためにもやりました。
やっぱり書くのとても大変そうです。
頭を悩ませる子がたくさんいたので、私は同じことでもいいから言葉を変えてとにかく線が引いてあるところまで量を埋めなさいというふうに言って、
そうしたら生徒は同じことを言葉を変えながらずらずらと書くわけですね。
これを1学期間続けていくとスーッと書くようになり始めて、だんだん言葉も豊かになりました。
しかもその振り返りを書いたら必ず私が線を引いて、次の時間に代表者5、6人を紹介して褒めるわけです。
褒めることがポイントで、大したこと書いたことない子でも褒められると嬉しくなるし、
次はもっといいものを書こうと思い始めます。
それからクラスの仲間もこれで褒められるんだったら自分もできるわということで、より良いものを書こうとしますので、
5、6人選んで褒めて1学期間で全体が網羅できるように、全員の生徒が紹介できるように気をつけながら紹介しています。
ということで1学期間褒めてやる気を起こさせて書くことに抵抗をなくさせるという方法をとっていますね。
ところがメリットは毎時間書くことになれるし、生徒の今までどういうことがわからなかった、
今日これがわかったという生徒自体もわかりますし、前向きにもなるし、
私自身の反省材料にもなってよかったんだけどデメリットが発生しましたね。
まず毎時間なので、形外化しやすいです。
特に高評価してもらうための振り返り定型文みたいなのに慣れてる子も出始めまして、
これはねパターン化に陥ってるなっていう定型化に陥ってるなっていうそういうコメントもあります。
あと毎時間のことなのでこちらの処理が大変だったりしますね。
ということで慣れるとどうしてもパターン化定型化してしまうっていう問題も発生しました。
それから特に高い学力の子だと定型化に陥るプラス高評価もいただこうと思うわけで、
高評価定型文を上手に駆使し始めて思ってもないことまで思ったかのように各子も現れたりなんかするんですよね。
皆さんこういうのあるあるじゃないでしょうか。
昨今観点別評価で主体性を評価するようになりました。
主体性を評価するっていうのは私自身の中では主体性を評価すると主体性が失われると思っているわけなんですけれど、
振り返りで主体性を評価していらっしゃる人もちょっと最近減ったかもしれないけどいるんじゃないでしょうか。
生徒は観点別評価で主体的に学ぶ態度を評価されると察知した生徒は、
この振り返りの時に高評価してもらうための高評価定型文を上手に使ってくる生徒がいます。
学力の高い生徒にはね。そんな状態になる損得振り返り文になるんで、
これはやっぱりなるべく避けたいなと思います。
ということで結局のところ振り返りは生徒が書きたいと思っている時に書かせるのが一番効果的なんじゃないかなっていう
私の結論に至りました。なのでここぞっていう時に書かせるようにして、
また次の時間にフィードバックするからねと、5、6人紹介するからそのつもりで書いてくださいねっていうことを
予告して書かせます。最近はICTが便利に使えるようになったんで、
評価と学びの関係
いろいろノートで写真撮って出させて、私の方でここぞっていうところに線をつけて、
それで次の時間にそれをスクリーンに移して、5、6人紹介するということで共有も簡単になりました。
褒めるとやっぱり嬉しそうなんですよね。次もこういう機会があったら自分も選ばれたい。
あるいはクラスの生徒にいいところを見せたいということで一生懸命書いてくる生徒が徐々に徐々に増えてきます。
なのでやっぱりね、振り返りを評価するっていうことは大切なのかもしれないけれど、
評価しなくても学びに向かっているんじゃないかなと私は思います。
もし皆さんの方でこんな振り返りの方法があるよっていうことがありましたら、
ぜひコメントなんかでお知らせくだされば幸いです。
余談ですが、私は振り返りを書かせるときには原稿用紙やマス目ではなくて、
字数制限も設けてなくて、経鮮で生徒に書かせるようにしています。
経鮮を書いて何行目以上を書きなさいっていうふうに言います。
字の大きさを生徒は自分自身で工夫していっぱい書きたくなると、
小さい字で爪爪で書くし、書くとことないなと思ったら大きめの字で量を塩梅して書くし、
生徒の個人の能力とか力量とか、その時に思った量を自在に調整できるので、私は経鮮を利用しています。
やっぱり生徒が一番書きたくなるように、そういうところでも気を配っています。
それでは今日は振り返りの取り組みを振り返るというお題でお送りしました。
それでは皆さん今日もありがとうございます。またお会いいたしましょう。さようなら。
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