アナログ提出の意義
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育について、ゆるっと配信しています。
この放送を録音しているのは、ゴルデンウィークの2日目です。ゴルデンウィークは、のんびりしようと思っているんだけれども、この1学期4月、
様々な公務文書の仕事に忙殺されて、本当に持ち帰り仕事が多くなり、教材研究が全然追いついていません。
なので昨日は、ほぼ半日丸ごと教材研究に費やしまして、かなりな仕事をこなしました。
こんな風に、今回の1学期は本当にゴテゴテに回っておりますけれども、その中で3年生の論理国語、結構深い内容をやるので、デジタルを使うというよりは、毎時間ワークシートを配布して、
そのワークシートにちゃんと手書きでしっかり記入してもらって、それを毎時間提出するという方法を取っています。
なぜデジタルを使わないのかというと、1つは受験生なので、結局受験って手書きで挑まないといけないわけですよね。
受験が例えば、キーボードを打ち込んで答えるというようなそういうものだったら、キーボードでアウトプットした方がとても効率的だと思うんですけれども、
まだ受験は手書きが主流でありますので、やっぱり手書きで出力することに慣れておいた方がいいだろうということで、この高校3年生はアナログにしっかり戻りまして、
デジタルはここぞという時の部分使いにすることにしています。なのでアナログで毎時間回収して、それを点検して返しているわけですけれども、
コメントをつけるのが大変なので、メインでコメントをつけるのは1人、1回に5人というふうに決めてやっています。
あと読んでいって、いいなと思うところに線を引いて、それで結局返却しているわけですけれども、気づいたことは結構ありますね。
まずパッと見ただけで、そのプリントの印象から、その子が本当に真面目にきちっと勢力を傾けて取り組んでいるかどうかなんとなくわかる。
それはデジタルではなしえなかったことですかね。プリントの端っこの方に何か書き込みがあったりとか、それから授業以外で自分が考えた思考の跡があったり、
線を結構引いていたり、何度も消した跡があったり、それから字の勢いとか、それから集中力とか、書き込んでいる一つ一つの言葉の配置とか、
そういった本当に紙ならではの情報が入ってきて、その子自身がどういう子なのかということを想像しやすくなりました。
こちらも、はっと思ったことをすぐに反射的にペンで返して思わずサササッと書いたりということで、レスポンスも良くなりました。
やっぱりアナログというものの良さに今更気が付きまして、アナログばっかりだった頃は面倒くさいなみたいな、そういう荷重負担感があったんですけれども、
デジタルに切り替えた途端に簡単だなって、回収と返却が簡単だな、それから一斉にフィードバックするときも簡単だなと思っていたわけですけれども、
やっぱりその子自身が見えるという生徒理解の面においては、アナログで書かせて回収するという方法が最も生徒への理解が深まるなと思いました。
デジタルとアナログの比較
今回高校3年生ということで、早く読んで早くアウトプットするという練習を今やっているので、
その子それぞれの回答をシェアする機会というのが、高校2年生の時より減っているので、今回はこのようにサッと読んでサッと書いて提出させて、
一人一人の思考の様子というのを見取るためにアナログ提出というのがいいんじゃないかなと思っています。
ということで、デジタル提出とアナログ提出の違いについて、ICTが本格導入されて5年ぐらい経ちますけど、
だんだん経験を積み重ねてきて、どれが一番授業の中で効果的なのかなというのがなんとなく分かってきました。
私って結構反射的感覚的速談的にパッと決めるタイプなんで、常に走っちゃうんですね。
あんまりこう深く考えずに自分の経験の積み重ねで自信を持って結構判断して走っちゃう。
走ってやった良かったとかってあんま振り返らなくて、ついつい走る方にトライする方ばっかり行くタイプなんで、
これじっくり振り返って、こういう時はアナログ、こういう時はデジタルっていうような、そういう風な分析ができればいいんだけど、
私って根っからの実践者なんでしょうね。そういう分析とか、そういうのは誰かにやってもらって、
自分はすごくトライしたいなっていうタイプなんだっていうことも今回気づきました。
なので、いつか時間があったらアナログとデジタルの使い分けについて考察してみたいなと思っているわけですけれども、
やっぱり日々忙しくてそれどころじゃない。とりあえずトライする方、走り出す方がどうしてもメインになってしまうっていう毎日を送っています。
そんな中で、本文の読解解説っていうのを授業でやろうと思って、
これもしかしたら事前に音声で録音しておいて、その音声とそれから本文を図式化したり線引いたり矢印で結んだりする画像とともに、
音声で録音して、それで生徒に聞かせてやろうと思って、そういう準備までして、この間配信してみたんですよ、授業中に。
そしたら私が2人いることになるので、1人が説明してて、1人が期間遵守しててっていうようなことができるかなと思ったんですけど、あれはダメですね。これは失敗でした。
やっぱり複雑な、そういうような説明っていうのは情報量が多すぎるので、これやっぱり本当にリアルタイムで生の説明にした方が、私の表情とか声色とか、
それからその時その時で反応を見ながら、ちょっとこれわかりにくかったなとか、ちょっとこれ反応悪かったな、だからもう一回きれいに説明し直そうとか、その時の判断が効かないので、
やっぱり評論文とか、ああいった複雑な教材についての解説をするときは、生の方がいいと思いました。
どっちかというと単純な、例えば今回今やっている文語文法の解説とかね、ちょっとした小さな説明とか、本当に複雑でないことを分かりやすく図式化して説明するというときは、
ああやって画像、動画にして配信するっていうのはいいかなと思うんだけど、複雑なものはちょっとやっぱり生の方がリアルな方が情報量が多くていいなって思いました。
ということで、やっぱりアナログというかリアルな声っていうのは、その人自身のパーソナリティとか、その人自身の声の出し方、トーン、抑揚、
それからその時その時で判断して繰り返しをしたり、掘り下げたりっていうことができるっていうインタラクティブな感じがね、とってもとっても正当実態にはあっていると思いましたので、
やっぱり新体制っていうものが文字面よりもかなりの多くの情報を持って情報を伝えるものなんだなっていうことが分かりましたので、
新体制を大事にしながらの生徒とのコミュニケーション、これこそやっぱり国語化で大事にしていきたいなと思っているので、
今後の方針
今後もデジタルとアナログの使い分けについてしっかり考えながら取り組んでいきたいなと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。