カリキュラムマネジメントの現状
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、214 カリマネって組織が変わらないと進まない。そのためには・・・、というタイトルでお届けしたいと思います。
近年、ここ15年ぐらい前からかな、様々な学校改革が上から降ってくるようになりました。
新学習指導要領対応の生徒に対して主体性を喚起するような、対話的深い学びの授業とか、それから総合的な探求の時間の開発とか、それからICT活用、最近では自由進路学習、個別最適、共同的な学びなどなど、
かなりの授業改善、それが求められるような、そういう時代であります。そんな中、研修会は花盛りなのかな?
研修会って結構、一部の人しか参加してないような気もするんだけれども、様々な教育現場の変化に応じて、私たち教員は学ばないといけないという風になっています。
しかし現場はなかなか変わらないという状況があり、カリキュラムマネジメントを担当された先生が、教職員研修を展開してもなかなか難しいという話はよく聞きますよね。
その仮マネ担当とか、総合的な探求の時間担当とか、事業改善担当になった先生は、かなりな古軍奮闘を強いられて、気がついたら自分だけが先頭を走っていて、誰のアシストもないというような、
そういった組織内の信頼関係というものにも、ちょっと揺らぎが出てしまう。
そういった難しさが存在しますよね。
だから組織が、なかなかカリキュラムマネジメントに対してのサポートが難しかったり、協力が得られにくかったり、
こういったことに対しては、やっぱり管理職さんの全面的な支援がないと難しいなという風に思っています。
DX推進の課題
だから管理職の先生が結構、いろんな機会を作ってくれたり、それから教員研修をするために、いろんな施設設備とかある程度の費用とかをきちっと援助してくれたり、
それから例えば講師を派遣するようにうまく取り図ったり、時にはご自身がこういう風な形の研修を提案したり、
というようなことが進まないとなかなか難しいなと思っていて、結構良かったなと思うのは、
管理職の先生自身がその研修会を受ける受講者になっていただくというのは、とても場が和んで良かったなと思っています。
なので、組織改革をするのは結構、管理職の先生のリードとか支援がないと進みにくいなというのは絶対的にあるとは思うんだけれども、
それ以外にも現場がなかなか変わらない理由はありますよね。それはやっぱり私たち、特にベテラン勢のハード面がなかなか入れ替わらないということで、
いつまででも前世代のスペックのまま進行しているので、新しいものをいくら動かそうとしても、スペックが前世代などでなかなか動きにくいというのがあります。
だからハード改善、これはベテランだけじゃなくて、審査員の先生とかでもハードが前世代の方もいらっしゃると思うんだけれども、
まずハードの改善をしないといけないと思うんだけれども、そのハードの改善というのが、なかなかそういう研修の機会とか、
人的保障や時間的保障も乏しいまま、無価格賞から書面だけが降りてくるという形なので、
人、金、物もよこさない状態で教職員のハード面を改善するとか、入れ替えるとか、これは無理だろうということで、
次に求められるのは文部科学省から文書だけ落とすんじゃなくて、時間と金と物を投入してほしいんですね。
でも文科は時間と金と物をDX事業立ち上げて研究指定校を募集するということで、
集中的投下をしてやっているようです。それはとてもいいことなんだけど、そのDXの推進校を決めて、
それを積み上げたことをどうやって広げるかっていうところがね、これが難しかったりするし、
それからDXの学校さんが先進研究をやるんだけど、絵でして結構安定した生徒実態の学校さんが多くなりますよね。
そういうふうなことに手を伸ばす余裕があるっていうことになると、そんな感じになってしまうんじゃないかと、
往々にしてありがちなんですけれども、生徒実態に余裕がある学校でDX推進校を引き受けることによって、
ますますその事例共有というのが失敗する方によらなくて、共有化が難しくなるということも往々にしてあるのではないでしょうか。
なので導入が難しい学校、生徒実態の学校さんでも、やっぱり人的配置を厚くして、
そうやって生徒実態の厳しい学校でのDX推進とか、新しい学習指導要領対応、原稿ですね、
原稿の学習指導要領対応の研究指定校にすることによって、共有化しやすくなるんじゃないかと思うんだけれども、なかなかそういうふうにはなっていません。
組織的な学びの重要性
ということで、総合的な探求の時間とか、それから学習指導要領対応の授業のあり方とか、
そういったことに対しての推進がなかなか、カリキュラムマネジメント対応の先生方は苦力して進んでいないという、そういう実態があるわけですけれども、
私がね、いろいろやってきたことで二つ言えるんですけど、まず一つ目は、私自身が一人で探求型の授業を国語科の中でやっているとします。
それから、例えば、総合的な探求の時間についても、自分のテリトリーでかなり先進的なことをやるとします。
周りがついてこないので、周りがなかなか取り組みが遅いので、じれてじれて、自分はこういうことをしたいんだというふうにして、自分のテリトリーでかなり進んだことをする。
これはね、本当に自分自身には手応えがあって、勉強があって、学びが多いということになるわけですけれども、結局一過性ということになってしまって、
次年度にクラス替えとかがあると、もうそれがリセットされるんですよね。ということで、自分自身が一生懸命頑張っても、なかなかその学びは横に広がっていかないという、
そのなかなか難しさがありますね。特に、国語の授業で先進的なことをやるとすると、結局その時にはいいかもしれないんだけど、クラス替えになるとリセットするし、
次の年にリセットしたら、またそういった学びに慣れてない子が、この授業どうなのっていうふうな不信感を持ちながらまたやらなくてはならないわけです。
だって自分の授業が特殊で、後の人は、いわば従来型をやっているわけですから、なんかこの先生おかしいんじゃないっていうような生徒自身の疑問というか、若干の不安もあるんじゃないかなというふうに思うわけですね。
ということで、古文奮闘シリーズっていうのは、自分としては充実感があるけども、横に広がっていかないという大きな難点があります。
じゃあ、古文奮闘型にせずに組織的に取り組むっていうことについてはどうなのかというと、これは本当に知事として進みません。
私の尊敬する先生は、自分の100歩よりも周囲全員での一歩が貴重なんだっておっしゃってましたけど、まさにその通りで、一歩を踏み出すっていうことがすごい重要で、
組織的に少しずつ変化していくっていうことが大きな影響になってきますね。私も過去、少しずつ少しずつ前進していったっていう学校組織では、やっぱり1年、2年、少しずつ少しずつ変化してきて、
それは良い影響になっていって、教職員の研修でも本当にいい雰囲気で研修会ができていったっていう、そういう風な経験がありました。
生徒の変容と授業改善
だから、自分一人がすごく進むんじゃなくて、ちょっとのことを少しずつやっていくっていうことが、かなり2年、3年経って大きな影響がある。
それまで我慢し続けながら、じわじわ横に広げるっていうことを日常的に意識しながらやっていくっていうことが、カリキュラムマネジメント担当の先生には求められると思いました。
そして、結構これは良かったなって思うことは、生徒を変えるっていうことですね。
生徒が変わって、これ面白いとか、この方法とてもいいっていう風なことを発信できたり、それからその生徒が変容していく様を先生に見せたりする。
これが一番最も早く授業改善ができたと思います。
こういうやり方によって生徒が生き生きする、生徒が主体的になる、生徒がより喜びを感じているということを見ると、先生方もやっぱり生徒の成長というのは喜びに感じますので、
自分もやってみようかなっていうね、そういう風な気持ちになりやすいですね。
だから生徒を変えることによって先生を変えるっていう方法が一番だと思います。
一番総合的な探求の時間で効果的だったのは、生徒の変容を次世代の、つまり下級生に結びつける。
例えば高校3年生が自分の総合的な探求の時間の成果を発表するっていうのを、下級生にどんどん見せて、年に1回とか2回とか回数少しずつ増やしながら見せて、
素晴らしいプレゼンテーションっていうのを下の方につないでいく。
そうしたら下の生徒は自分もああいう風になりたいって思う子がだんだん増えていくわけですよね。
そうすると、総合的な探求の時間に前のめりになって、先生もっとこういうことをしたいんですっていうようなことを自分から言うようになる。
そうすると先生方はそこに向けて次第に生徒を導いていったり助言したり、並走したりということをするようになります。
そういう風に生徒の変容を次世代に伝えていく機会をどんどん持って、そしてそれを外の世界に発信していくということは結構早かったなと思うわけですね。
何にせよ最終的には結局私、公立から私立に転職したと思ったんだけど、公立はうちの自治体では行政を報告するというシステムがあるわけですね。
行政評価システムっていうのがあるんで、そこに自分のその年度の目標を書いて進捗状況を管理しとくと報告して最後に評価があるっていうね。
自己申告書っていうのがあるので、その存在もやっぱり多少大きかったかなって思います。
ということで、なかなか進まないカリキュラムマネジメントっていうことについて語ってきましたけれども、私はもうね、仮真似担当っていうものを長年やってきて、今はベテラン勢として少し下りている感じなんですね。
私立に移籍してからはリセットがかかるので、今はそういうところから一線を引いているわけですけれども、一線を引いて長年、時間が2年かな、2年経ったからこそそういったものが浮き彫りになって見えてきました。
ということで、これから教育改革はまた続いていくと思うんですけれども、地道にやっていくしかないなっていうのが最終的な感想になっちゃいます。
ということで、今日の配信はいかがでしたでしょうか。これから仮真似を担当する中堅所の先生は、参考になったかな、ゆっくりゆっくり仲間とつながり合いながら、少しずつ少しずつ輪を大きくして、
自分の100歩よりも全員の1歩っていうところを1年2年と積み重ねることによって組織がだんだんと変わっていくんじゃないかと思います。
それでは、今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。