国語の一年間の振り返り
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日のタイトルは、中学校2年生国語の一年間、冒険とチャレンジの旅、ということでお届けしたいと思います。
先日、やっと授業が終わりまして、一番最後の時間はテスト返しと、それから一年間の振り返りを行いました。
この中学校2年生国語Aというのを、私は担当していたわけですけど、うちの学校では、国語Aでその教科書中心の教材を、国語Bで主に口語文法を扱うことになっていまして、私は国語Aの担当になっていました。
一年間何に取り組んだのかをざっくりと紹介しますと、まず最初は小説セミロングホームルーム、それから次にジャンケンはなぜグーチョキパーの3種類なのか、それから人間は他の星に住むことができるのかという説明的文章と、壁に残された伝言というルポルタージュ。
2学期に入ると100年後の水を守る、それから小説形、そして漢字検定のトレーニングと、そして3学期は走れメロスを行いました。
というように意外と3単位あったんだけどね、中学生だからそんなに早くは進まないなっていう、そういうふうな感想を今持っています。
これを生徒にシラバスをもう一回振り返りさせて、人気があった教材とか、それからどうして印象的な印象に残ったのかっていう振り返りをさせたんですね。
順番にそのことについて総括してみたいと思います。
まずセミロングホームルーム、これは結構生徒に人気で、何で人気だったのかというとタイトルですね。
タイトルがセミロング、ロングじゃなくてちょっと短めのロングホームルームっていう意味のセミロングホームルームなのかと思ったら、まさかのセミが服にくっついたロングホームルームっていうのが面白かったっていうふうな感想が結構ありまして。
私ね、このオヤジギャグがなんで面白いのかさっぱりわからないんだけど、うちの男の子たちはこれが面白い面白いって言ってめちゃくちゃ面白がっているわけですよ。
ちょっとね、やっぱり男の子が面白いと思う感覚が私にはあんまりない。
で、その他にこのセミロングホームルームではチャレンジをしまして、一番最後に登場人物にツッコミを入れるコーナーっていうのを共有ノートを使ってやろうと思ったわけですね。
狙いは一応全部学習し終わった後で登場人物の人物像っていうのをしっかり持っているということを前提にこの登場人物に対して。
例えばニコニコ動画の弾幕のようなそういうツッコミをやってみようということで、これは私の単なる思いつきのお遊び企画で、共有ノートを将来的にきちんと使ってもらおうとして、多少荒れることは覚悟してのチャレンジ企画だったわけですね。
そしたら生徒はこれ大喜びで、要するに大遊び大会、大カオス大会になってめちゃくちゃ生徒は大喜びでしたね。
ニコニコ動画の弾幕って皆さんお分かりでしょうか。ニコニコ動画っていう配信するところがあるんですけど、動画に自由に投稿することができて、それがテロップになって流れていって、それでそのテロップが大量になると弾幕を張ったかのような形で大量に文字の構図になるんですね。
画面がね。それで視聴者の反応がわかるっていう、そういう構造になってるわけですけど、これを私授業で取り入れたいなってずっと思ってたんですけど、私に技術がなくて、たまたま思いついたのが、ロイロノートの共有ノートっていうそういう機能を使って弾幕のようなものを張ってみようというね、そういう企画だったんだけど、生徒はものすごく目をキラキラさせて。
もう本当に熱中して、共有ノートだから、友達の書いたものを動かしたり、自分であのめちゃくちゃにいたずらを始めたりして、本質的じゃないところで大盛り上がりしまして。
で、この間書いた振り返りには、これがものすごく面白かったっていう風に生徒は言っていまして、これも男の子のそういういたずら心を刺激した、そういった取り組みになったようで、これ失敗と言えば失敗なんだけど、共有ノートは相当遊び上げて飽きないと本質的な使い方にならないなっていう、そういう思いをしたんですけど、生徒はもうめちゃくちゃ共有ノートが面白くて、
友達の書いたものがすぐ反映される。しかもそれを使っていろいろ遊んだりいたずらができるということで大好評でしたね。
それから次の、じゃんけんはなぜグーチョキパーの3種類なのかっていう教材は、またこれがね、私ははっきり言ってこれ面白いと思わなかったんですけれど、じゃんけんっていう単純なこの3種類のグーチョキパーを出すっていうゲームの仕組みとか構造とか、4種類に増やしたらどういうことが起きるかっていうことを秩序立てて書いていて、筋道立てて考えるっていうことが目標の教材だったわけですけど、
これ私ね何が面白いのかよくわかんなかったですね。でもこれがうちの男の子がめちゃくちゃ面白い面白いって言って、4種類になった時の説明を一生懸命考えて、私はもうその時にごめん私のゲームとかあんまり興味なくてよくわかんない、これ4種類になったら何が起きたのかよくわかんないんだけど、ごめん説明してって言ったら必死になって説明してくれましたね。
おまけに先生7種類のジャンケンとか世界にありますよとか調べ始めて、どんどんどんどんジャンケンについて語る生徒も現れたりとかして、ゲームが大好きなんです男の子は。このジャンケンはなぜグーチョキパーの3種類なのかっていうのは生徒の発達段階をちゃんと捉えて教科書会社もそれを考えてちゃんと載せてるんだなと思いました。
でもすいません、おばさんの私には面白さがわかりませんでした。申し訳ありませんでした。
次に人間は他の星に住むことができるのかということで、これは地球の地球を中心とした太陽系の惑星一つ一つに人間が生存する条件はあるのかっていうのを仮説を立てて検証していくっていうそういう説明文だったんだけど、これ生徒はやっぱり大好き。
大好き。科学が大好き。そういった新しいことを知るのも大好き。これは本当に順調に進みまして、最後はプレゼンテーション。この教材を全部上手に小学生にプレゼンしようというそういう企画をやって、生徒はこのプレゼンテーションも楽しかったって書いてました。
これを発展させて空想科学レポートということで、自分たちの面白いなと思った空想科学を200字程度でレポートしてということで、これパドレットを使ってやったんだけど、これがまた面白かった面白かったってたくさん書いてました。どうも生徒はパフォーマンス課題は大好きみたいですね。
興味関心を育む授業
やっぱり自分がアウトプットしたものがすぐに現れてみんなに共有されてすぐ反応が返ってくるっていうのは、やっぱりアウトプットをする醍醐味だと思うんですよ。生徒はこれが本当に印象深かったっていう風に書いてくれてた子が多かったと思います。
それから次に壁に残された伝言って言って、これは広島の袋町小学校っていうところに原爆時にすすで字を書いて、それが今でも残ってますよっていうようなある仕組みによって今でも残ってますよっていうレポルタージュだったわけですけど、これも生徒は非常に興味関心があって、どういうシステムで伝言が残されたのかっていうのを実践させてこれも説明してくれました。
説明してる部分があるんだけど、これ1回読んだだけじゃわかんないので、生徒にこれもロイロノートを使って図式化して説明させて、どの説明が一番上手だったかコーナーみたいなのをやったりなんかしたらこれも印象深かったっていう風に書いてましたね。
やっぱりあのロイロノートとかね、ああいう風なICTを使って書いてあることを可視化して共有化するっていうのがね、どうしても生徒も楽しいと思っちゃう仕組みなんだろうなと思うんですね。
これも面白かったって言ったし、それからこれもパドレットを使ってピースレポートっていうのをしてもらって、自分たちの身の回りにある平和に関わるモニュメント、そういったものをレポートしようっていうのも印象に残ったって書いてくれてました。
次にやったのが100年後の水を守るっていう、そういう風な説明文をやったんですけど、この時はデータとかグラフとかそういったことにフォーカスして、自分たちでそのデータ化したものを探してこようとか、教科書で書いてあることをそのまま図式化してみようとか構造化してみようとか、そういうのをやったんですけど、これもデータが好きな子は面白かったって書いてましたね。
それから次に形、これをやったんですね。菊池寛の形。小説教材なんですけど、これは教科書には入っていなくて、教科書には小さな手袋っていう、そういう小説が入ってたんですけど、これは女の子の話でちょっとうちの生徒には刺さらないだろうなと思って、これで代わりに形にしたんだけど、この形っていうのがやっぱり生徒に刺さりました。
戦いだったからめちゃくちゃかっこいいとか面白いとか歴史的なこともあったんで、戦国時代の話だったし、兜とか鎧とか目をキラキラさせてじっくり見てましたね。この形はやっぱり生徒に刺さったと思います。
この形をやった後のパフォーマンス課題は思い切ってチャレンジして、形のプロモーションムービー、トレーラームービーを作りましょうということでやったわけですけど、これも面白かった面白かったって。大チャレンジで無茶振りだったわけですけれど、中にはちゃんと面白いムービーを作る子が5、6人いて、そういった人たちの写真を見て、ムービーを見てみんなすごいすごいってね。
感動してたりして、これも思い切ってやってよかったなと思います。生徒も面白かったってたくさんの子が書いていました。
それから次にやったのが漢字検定のトレーニングだったんだけど、これがね、結構の子がトレーニングが良かったって書いてて、やっぱり男の子は合格するとか勝つとかね、そういうの大好きなんですよね。
これすごい真剣に取り組んで合格を勝ち取ることができてすごく嬉しかったって書いてる子が何人かいました。
やっぱり生徒その明らかな目標があって、それが数値化されて、そしてそれを目標を超えることに喜びを感じる生き物だっていうことがよくわかりましたね。
そしてやっぱり走れメロス。この走れメロスはいろんな生徒が感動したとか、僕もこういう友情を築きたいとか、登場人物の読み取りが深まったとか、いろんなことを書いてくれてました。
ということで1年間振り返ってみると、結構ムービー作らせたり、共有ノートを活用したり、その他にもパドレットを活用したり、あといろいろやったんですね、チャレンジをね。
そのことを通して、やっぱりチャレンジしたらチャレンジしただけ手応えがあるし、それ失敗だったとしても生徒にとってもいい体験だったり、次に結びつきそうなそういうふうな前のめりの失敗だったっていう点では大変に収穫があったと思います。
こんな無茶振りとかね、チャレンジに付き合ってくれた生徒は感謝してますけど、やっぱり生徒実態をよくよく見て、それで教材を設定して、そしてその教材に関連したチャレンジをやるっていうこと、これがなるべく失敗を防ぐコツなんじゃないかなと思います。
自分たちの今までの学びを生かして、ちょっと脱線して、ちょっとお遊び感覚でやってみるっていうのが前に失敗するコツなんだなっていうふうにこの1年間を振り返って思いました。
単なる思いつきではなく、地道な努力の後の大チャレンジだったり、大お遊びだったり、それが例えカオスになったとしても大きな実りがあるっていうふうに今回実感しましたので、皆さんにも失敗するなら前に転ぶ、同じカオスになるなら収穫のあるチャレンジをお勧めしたいと思います。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。