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2025-09-09 12:34

336_探究型授業から受験対策へ!~試行錯誤でやってみた受験対策現代文~

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探究型授業から受験対策へ!私が直面した受験対策指導の試行錯誤をお届けします。

共通テスト現代文対策で精読を言語化する「メモ書き」プリントを配布しました。

受験特化型指導と社会で活躍する人材育成のバランスをどう取るか、についても語っています。

#Podcast #教育 #国語教育 #教員 #受験対策

サマリー

探究型授業から受験対策への転換をテーマに、実際の授業デザインや試行錯誤の過程が語られています。受験対策では、生徒の興味や関心に基づくアプローチから、共通テストに特化した授業が構築される様子が描かれています。

授業の転換と工夫
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は336回、探究型授業から受験対策へ、試行錯誤でやってみた受験対策現代文というタイトルでお届けしたいと思います。
私が探究型授業から受験対策授業に、2学期から転換することになりまして、どういう工夫や試行錯誤を重ねてきたのか、
そこで見えてきたものについて、私自身の体験、私自身の取り組みに基づいていろいろと考察してみたいと思います。
何でこれを配信しようと思ったかと言いますと、やっぱり探究型授業とか探検学習とか、そういったものと受験対策というのは一見対立するというか矛盾するように見えて、
私自身が非常に苦慮しているというか問題意識を持っていた。どのように両立させたらいいかよくわからなかったという大きな課題だったんですね。
私自身これに真っ向から勝負をしまして、一つの答えを見つけ出すことができたように思います。
そもそもこれに取り組むことになったきっかけは、高校3年生の論理国語を担当することになったからですね。
2学期から本格的に共通テスト対策、受験対策に入るということを前任の先生からお聞きしていて、
実際にどのように進めていったらいいかということを4月から、もっと詳しく言えば春休みから考えてきました。
私はこれまでは本当に探究型の授業、探検学習的な授業で授業をデザインしてきたので、
いわゆる生徒たちの興味関心のあるテーマ、生徒の生活自体にあったテーマ、
これを据えて問題解決に向けて授業をデザインしていくということをやっていました。
これについては現行の学習指導要領、これにも書いてあるとおりですし、
それに加えて複数教材の読み合わせ、個別最適化、それから生徒の思考を拡散させたり収束させたりすることや、
パフォーマンス課題やルービック評価などを取り入れて、いろんな工夫を凝らして授業を構想してきて練り上げてきました。
このことについてはこのポッドキャストでも配信してきたとおりです。
しかし、2学期から受験対策ということで、全く方向性の違う授業をやらなくちゃいけないということになりました。
そこで先ほども述べたように春休みから受験対策について予備校の先生の教育講座を受けたり、
それから最新版の現代文の読解法略についての参考書を2、3冊読んだりして、
どうやって今現実の目の前にしている生徒たちに受験対策に向かってもらうのがベストなのかなということをずっと1学期間考え続けてきました。
今までやってきた受験対策よりももっと精度を高くしようと思って、私の集大成として受験対策について考えてきたわけなんですけれども、
まず次のようなことを考えていきました。
まず国語の問題で点数を取るということは、出題者の意図、出題者の説問という文脈に合わせて回答するということが
とても大きく影響するんじゃないかと思いました。
そこで私は共通テストの過去問がたくさん載っている問題集を使用して、共通テスト対策に特化しようと思ったんです。
他の業者さんが作っている問題、予想問題でもよかったと思うんだけれども、
他の業者さんが作成したものは、その業者の共通テスト予想問題チームが作成したものであって、
大学入試センター、共通テストの作成者が作ったものではないですよね。
だからそこには大きな差があるというふうに考えたんです。
できるだけ本番に近い状態で、本番に近い問題でというのが、高得点を取らせるコツだなというふうに考えました。
そういった考えをもとに、できるだけ本番の雰囲気に近く集中して解いてもらおうと思って、授業中にしっかり時間をとって解かせることにしました。
共通テストの本番というのは、たくさんの生徒と同じ場所で同時に集中して受けることになりますよね。
なので、他の受験生と一緒に受けるということで、鉛筆の音とかページをめくる音とか、咳をしちゃう音とか、椅子がきしむ音なんか、他の生徒がいるような状況で受けることになります。
その辺、本番と同じ状況で慣れてもらいたいと思って、教室で一斉に集中して受けるという状況をしっかり回数とって作っていこうと考えました。
では、具体的なやり方を説明していきたいと思います。
まず、時間設定についてです。
最初は、時間をたっぷりとってもいいよというふうに言いました。
本来、25分くらいで解いてもらうことになると思うんだけども、最初は25分半はかるけども、納得するまで考えていいよ、じっくりじっくり考えていいよというふうにしました。
受験対策の意義と展望
その後、じっくり解説をして、個人個人で見直しをして、それでも納得がいかない生徒、質問がある生徒は来てねという形式をとりました。
そうすることによって、すごく詳しくじっくり納得するまで考えるというふうなことを重要視して、
自分自身で考えて、自分自身でやり方を見つけて、自分自身で納得するということを繰り返すことによって、
自分自身の読み方、自分自身に最適なアプローチの方法を見つけてもらおうと考えました。
次に、私自身の読み方を提示することにしました。
問題集には付属の解説がちゃんとあるんだけども、それ以外にも私自身がどのように読むのかというのを具体的に提示することにしました。
実際には問題集をコピーして、自分がそこでどのように線を引いて、どのように関係性を考えて、
どのように選択肢について精査していったのかという私自身の読みの後、たくさんメモ書きして残しておいたものをプリントして生徒に配布しました。
これは結構効果的で、実際に説明しただけでは音声はその瞬間に消えてしまって、あと残りにくいわけだけれども、
メモしたら残っちゃうわけです。
しかも、生徒たちは私が説明した後も、もう一回私のメモ書きを何度も何度も繰り返して確認していました。
聞き逃した生徒も、私のその解説したメモ書きを見て、何度も反数して自分の考え方を確認しているという様子が伺えました。
そのメモ書きについても工夫しました。
問題文に線を引いて、問題に対してどのように詳しく読み込んでいったのかというのをできるだけ分かりやすく、線の種類を変えたり、囲みの形を変えたり、そして文章の展開を簡単に図式化したり、小説では表現技巧についてそこに実際書き入れたりと、そういった工夫をしました。
そして問題を解く際には、質問の中で、質問文で注意すること、それから選択肢の中では選択肢にどういうふうな検討をしていったか、そして本文に根拠を求めてもう一回見直しをどうやったかという、この3点を中心に書き込みをしていきました。
実際私が問題を解くときにはスピードを持って読んでしまうので、そこまで詳しく立ち止まりながら読むということはないんですよね。25分じゃ解けないから。
なので私はそこまで詳しく言語化しないままで、それを捉えていって問題を回答していったんだけれども、この度その3点に絞って詳しく読んでいくということを自分自身の中で行うことによって、言語化するというきっかけをいただいて、
これって実際の授業でももっとこうすればよかったんじゃないかという改善点をいただくことができました。
これらの私自身の受験対策指導を通じて得られたことは、結局地道に精度して鍛えて、それでスピードを上げるということでしか方法はないんじゃないかという実感を得ることができました。
しかも受験の本番は紙の上でテキストと対話しながら、自分の思考を後残しながら分析していくしかないので、紙を活用していくしかないわけなんですよ。
だからICT活用とかAI活用とはまた違った頭の使い方が求められると思います。
そしてかなり負荷がかかるので、かなり思考力が鍛えられるんじゃないかなというふうに思いました。
ただ私が気になっているのは、これが受験ということだけの対応になっているということで、この受験の形には対応できるんだけれども、実社会でこれが役に立つかなと思ったら、受験の形で答えるということ自体は役には立つとは思えないなと思いました。
ただ、誠読を元にした要約であるとか、誠読を元にした図式化であるとか、そういったことは社会に出ていくにあたって、社会での実際には仕事をするということにあたって役に立つスキルではないかと思います。
社会に出ると自分が理解したこと、誠読して理解したことをコンパクトにまとめて伝える、資格化する、図式化する、そして共有するということは求められると思うんですね。
つまりグラフィックファシリテーションというところへのスキルにつながっていくと思いました。
ということで受験対策というのは、誠読を元にした受験への対応、受験特化型、受験を乗り越えるためのアウトプットであって、それとは別に誠読を元にしながら要約したり図式化したり共有化したりというところにもつなげながらの普段の授業の在り方、これを見つめ直すことができました。
ということでかなり私、受験に対する受験対策授業ということに対して悩みが深かったし、疑問が大きかったし、もう本当に課題意識が大きかったんだけれども、
この一学期間、単級型の授業、単元学習型の授業を行う傍らでどうやって受験対策的にやっていこうかなと思うのをずっとずっと問題意識として考え続けてきた結果、ちょっとしたいい形で受験対策をこれから展開していけるんじゃないかなという希望を見出すことができました。
だけども、これからまだまだブラッシュアップしていく必要があるとは思っていますが、いい感じのスタートが切れたので、これからさらにいろいろな知識を得て、いろいろな改変を得て、いろんなバージョンアップを経てより良くしていきたいと思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
12:34

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