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2025-05-19 07:33

228 受験対策授業をした後、生徒が質問に来たけど、その内容があまりにも本質的だった話。

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模擬試験の復習をした後、生徒が質問に来てくれました。

余りにも深い質問の内容に感動しました。

 

#模擬試験 #受験対策 #生きて働く国語の力

サマリー

受験対策授業の後、一人の生徒が深い質問を持って教師のもとに訪れ、その内容は国語教育の本質に迫ります。このエピソードでは、受験指導と本来の国語の読み方についての考え方が語られています。

受験対策授業の現状
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、228回、受験対策授業をした後、生徒が質問に来たけど、その内容があまりにも本質的だった話、というタイトルでお届けしたいと思います。
先日以来、3年生の論理国語という授業で受験対策をしなくてはならないということで、いろんな配信でぼやいていたと思います。
私自身が受験対策指導というものにあまり価値を見出していなくて、その理由についてもずっと配信で言い続けてきたんですけど、
受験対策指導って、How toで教え込んだりとか、問題の解き方を教えたりとか、どうやって効率よく得点を、というようなところに重点が置かれていて、
私が本当に教えたい国語教育の王道とはちょっと外れてるなというふうに思っていたわけです。
おまけに受験対策で培ったスキルって、実社会に行ってあまり使わない。
障害にわたって生きて働く国語の力になりにくいというのが、私の受験対策指導に対する大きな疑問点、批判的な視点でした。
ゴールデンウィークにいろんな受験対策指導の本を読んで、結論的には、結局授業でやってること。
これがベースにないと、何を上に乗せても受験対策指導っていうのは、便利なことを教えるっていうことに過ぎない。
得点も伸びにくいっていうことはわかったんで。
国語教育をしっかりやっていくっていう、そういう私の軸足に変わりはないなって思うというところで、ゴールデンウィークの勉強の成果はあったわけですけれども。
実際に授業を展開していくにあたって、やっぱりちょっとしたハウツーを投げ入れながら、受験対策指導をやっているっていうのが今の現状です。
それで先日、5月の記述模試の復習をやったわけですよね。
一応、構造図化しながら、そして記述についてのアプローチの仕方についてレクチャーした後で、実際にもう一回解き直しをしてもらって、それを私が添削して返すっていうような流れでやったわけです。
それが終わった後、ある一人の生徒が私のところに、教団の方に来まして、質問しに来ました。
この生徒さんは非常に深くじっくり考えて、多面的によく考えて批判的な思考力もありますし、書いてあることが他の生徒とは違って語彙力も高いから奥深いし文章も面白いし、とても国語力のある生徒です。
そして授業で行った本当に面白い深掘りのタイムなんかもじっくり考えていて、深く深くゆっくりとじっくりと思考するタイプですね。
彼が書いてくるいろいろな図式化とか文章とか、本当に毎回面白くてハッとさせられることが多いわけですね。
その生徒が私のところに質問に来たんですけど、対立構造とか変化とか、そういったことを読み取りながら問題文を読んでいかないといけないんですか?
僕は文章に没頭してしまうんですけれど、というような質問をしてきたんですけど、本当にこの子はね、わかってるなって思いました。
私もそうなんですけど、私もいちいちこう問題がAからBに変化したとか、AとBは対立構造だとか、
そしてその中に筆者の語り手視点の中にこういうことが入っているとか、そういったことを読みながら読んだりとかしませんね。
まずはその文章に、世界に読み浸って、文章と対話しながら、自分自身はこう思うんだけど、こういうこともあるのか?とかね。
待てよ待てよ、こんなところに話が飛んでいったけど、どうなるの?とか言いながら、自分でその文章と対話しながらじっくりじっくり読んでいくっていうのが私の文章の読み方で、
そうすることによって自分も本当に楽しく文章が読めるタイプなんですけれど、この生徒もそういう風な感じなんだと思うんですよ。
文章と対話しながら没頭して読み浸るっていう、そういう風な時間を楽しんでいるっていうのをこの生徒だと私はずっと思ってきました。
そこで私はね、本当にもう共感するなぁと思って後悔したんですけど、それが本当の本来のあり方なんだと私も思う。
でも受験だから、戦略的に限られた時間で効率的に読まなくちゃいけないよ。
それは私も苦しい。そういうことを教える私も苦しい。
生徒との対話
だからあなたの読み方は大学に入っても、そして社会に出ても、それが本物の読み方であって、本当にその読み方がいろんなことを想像していく大きな力になる。
私もあなたも考え方は一緒。だから一緒に頑張りましょう。
というふうに共感して慰め合って、そしたら彼はニコニコしながら大きくなずいていて、このやり方が一番いいんだというような自分自身の読みっていうものをもう一回再確認して、
受験対策での読みと、それから自分の大切にしている読みっていうのをある程度仕分けしながら、現実と折り合いをつけながらやってくれるんじゃないかなと思います。
ということで受験対策指導の愚痴をずっと言い続けているわけなんですけど、やっぱり本当に私たちが読むっていう作業は何か苦しみや悩みあるいは発見があって、
そういう課題意識があって、その課題解決のために自分自身の目の付けどころで対話的に読みながら問題解決に向かっていく。
試行錯誤していく。そしてそのことが自分自身の思考力や判断力や表現力を高めてくる。
そういったことが国語の力であり、将来生きて働く力になるのではないかと、そういうふうに私は思っているので、
それはやっぱり大事にしながら受験対策指導っていうものについて折り合いをつけつつ、あるいは受験対策指導の中に本当の国語のあり方を掘り起こしつつやっていきたいなって思う。
そういうふうな出来事でした。ということで、こういったことの愚痴はまだまだ続くんじゃないかと思うんですけど、本当に皆さんどういうふうにされてるんでしょうか。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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