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皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
共通テスト対策の悩み
今日は353回、共通テスト対策でやっていること、半年間悩み続けた果てに、というタイトルでお届けしたいと思います。
共通テスト対策も1ヶ月半過ぎまして、軌道に乗ってきたかなという感じがあります。
私は、この学年を担当することになって、つまり高校3年生の論理国語を担当することになって、
2学期からは共通テスト対策に入るというのが、この学校のいつものことなので、
2学期からは共通テスト対策をどうやってやっていこうかなということを、3月からずっと半年間悩み続けてきて、
いろんな情報収集を行い、いろいろ勉強して、それからオンラインでの予備校の先生の受講というのも2回ぐらいやりまして、準備し続けてきました。
その結果、どういうふうなことをやっているのかというのを、今日はお話ししたいと思います。
まず、共通テスト対策ということで、どういったものを題材にしようかなと思った結果、結局国語の入試問題というのは、出題者の意図というのが大きく作用します。
出題者の出題というのが本当にメインになってくるし、重要な読み取り要素になってくると思うので、
出題者が変われば、やっぱりその回答の方法というのも、回答のアプローチの仕方というのも対応して変化させていったほうが、回答の正答率というのが高まってくる。
答え方の練習をきちっとしておけば、やっぱり得点がそれなりに上がっていくという傾向がありますので、
出題の仕方に合わせた指導をするというのが私としては大前提だと感じたわけです。
そこでやっぱり共通テスト対策で取り組むべきものは、もう過去問しかないだろうというふうに判断して、共通テストの過去問集を購入させることにしました。
一番たくさん入っているのが、小文出版という会社の共通テストの過去問集だったので、過去10年間分ぐらい入っているのかな。
もうちょっと入っているのかもしれない。過去15年間分ぐらい入っているのかもしれないですけれども、過去問集を生徒の消費から落としまして購入しました。
この過去問をずっと過去からずっとやっていって、直近のものを残しながら、最終的に直近のものが一番最近の出題傾向にぴったり近いものになるだろうということで、直近のものは生徒自身がやるというふうに残して計画的にプランを立てて、何日にはこれ、何日にはこれというふうに割り付けを考えました。
とりあえず枠はできたんですけれども、授業としてどういうふうに展開していこうかということで、まず受験の日というのは、同じ教室でたくさんの受験生が一斉に静かな空間で考えるという状況ですよね。
教室でそれを再現することにしました。
友達がたくさんいて、一斉に用を挑んで解いて、鉛筆の音とか消しゴムの音とかページをめくる音とかという環境もよく似ています。
自分自身で勉強して解いてくるというのもいいっちゃいいんですけれども、どうしても自宅でやったりなんかしたら一人空間ですから、邪魔者が入ったりとか集中できなかったりというそういうふうなパターンもありますし、それから時間を測ると言ってもどうしても甘くなってしまったりしますよね。
ということで、教室で本番さながらの状況を再現することによって、本番に近い勉強を繰り返していって、脳をそれに慣れさせるということが一番いいんじゃないかなと思って、とにかく解く時間に授業時間を当てることにしました。
しかもタイマーとかを用意して25分間で解きましょうというふうにして、いつも時間を意識させるようにしようと思って計画を立てました。
ということで、授業の大半は問題を解くことに当てているんだけど、その他の時間は何をしているかというと、まず過去問を解かせた後はGoogleフォームにそれを入力します。
Googleフォームに入力したらパッと得点が返ってくるし、それから全員の入力してもらったら何%の正当率だったかというのも出るし、平均点も出ますし、
小文出版の会社の方でGoogleフォームというのをちゃんと用意してくれているので、業者の方に申請したらダウンロードデータをメールでくれるので、そこからGoogleフォームを吸い出しまして、教室バージョンにリメイクして、それで生徒に渡してGoogleフォームに回答を記入してもらっています。
毎時間毎時間正当率を公開して、みんなこういうところが苦手だった、こういうところが難解だった、こういうところは極端に正当率が低かったから問題としても非常に引っ掛けがあったりとか、不適切だったのかもしれないねというような解説をしたりとか、平均点とかも公開して、いつもフィードバックするようにしました。
その後解説を私の方からするんだけども、小文出版の共通テストの過去問集にはちゃんと回答集がついているわけですね。この回答集は生徒に持たせています。中にはもう絶対あると見ちゃうから嫌だという子を私の方で預かっているんですけれども、回答集を見て自分で勉強する子というのもいるし、私が何もしないというのも良くないので、
私はその回答集とは別に、自分自身の解き方をいろいろと書き込みしたり、線の引き方を見せたり、それから各説文にこういうポイントで解きましたというような、そういった私自身が解いた後、全部書いたプリントを用意して、それを毎時間配布するようにして、生徒に私はこういうふうに解いて、こういうふうに考えて、こういうふうに正解に行き着きました。
ここが難しかったので重点的に説明しますということで、回答集、自分の解説プリントを配って、ポイントを絞って解説するという、そういうふうなパターンで展開することにしています。
振り返りとフィードバック
その私自身の解説書には必ず、説問を解説し、どこの本文に根拠があったか、そして選択肢の検討はこういうふうにやりますよというような、全部書き込んでいます。
それを作って配布した結果、生徒はそれを見て考えているという子もいれば、問題集付属の解説集を見ながら考えている子もいれば、自分がやりやすい方を選択しながら、自分の思考よりマッチした方に選択しながら、回答解説を自分で検討しているという、そういった状況ですね。
最後に振り返りを記入してもらうんですけど、5分くらい確保して振り返りを記入してもらいます。
得点はどうで、どこが間違っていて、自分はこれからどういうところを間違ったからどうすればいいかということを書いてもらう、簡単な80文字程度、80文字から100字で記入できるような振り返り用紙を記入してもらっています。
これは20回ぐらい記入できるような用紙を用意しまして、結構自分の素直な気持ちを書いてほしいので、2つ折りにして中が見えない状況で配布しています。
その結果何が起きたかというと、振り返り用紙を記入した当初は適当に確保が多かったんですね。
というのも私自身がこの振り返り用紙に毎回全員記入してフィードバックをかけているととんでもない時間がいるんじゃないかと思って、毎日12人程度林番でやるよということを言ったんだけど、だんだんと書く量が充実してないわけですよ。
やっぱり誰かに見てもらってちゃんとコメントが返ってくるっていう状況じゃないと書く気が起きないんだろうなと思って。
それでもう腹が立つし、ちゃんと書かないし、もう私全員ちゃんとコメント書くからちゃんと書いて。
そういうふうに仲間が半切れで要求しまして、そうしたら2,3回全員にコメント書いて返し始めた頃からですね、コメント欄が本当に記述増えましてしっかり書いてくれるようになりました。
中にはお悩みとか苦しみとか自分自身を鼓舞する言葉とか本当本音がいっぱい書かれるようになりまして、毎時間毎時間それに対して私フィードバックをかけておりました。
悩んだり苦しんだりもがいたりしている生徒の様子がそこに書かれてありまして、これこそが寄り添うっていうことだったりメンターだったりとかいう教師の役目なんじゃないかなっていうふうに本当に痛感して考えさせられましたね。
これAIにフィードバックさせたらこんな風にはいかなかったと思うんですよ。
私が本当にその子を励ましてあげようと。
自分自身もその励ます中でこれからどういう風に授業を展開していったらいいんだろうっていう風な本当に考えようっていうエネルギーをもらったり、それから真剣にお悩みとかつまずきを書いてくれるので、よりこれからどういう風な指導をしていったらいいかっていうのが明らかになったりと。
本当にフィードバックっていうものをもらうようになって、自分自身がどうしていったらいいかっていうヒントをたくさんもらって、授業の展開しやすくなりました。
生徒のメンター、それからカウンセリング的な役目、そして私自身がつまずきを把握できるヒントになったっていう、そういうのがこの振り返り用紙の記入によって大きかったかなと思いますね。
その他に生徒の変化としては、Googleフォームの入力によって生徒率と自分と照らし合わせながら常に比較して、自分にはここが足りてないんだっていうようなそういう風な自分の弱点判断に大変役立っているなという風に思います。
あとは勝手に授業中にしっかり問題解かせて解説聞くっていうふうに座学中心なわけだけども、そこでしっかり時間を取るために勝手に休み時間とか休憩時間とかに昼休みとかに検討会を始めて友達とわいわいやってるみたいですね。
その結果それでも解決つかないっていうところを私に相談しに来る生徒が増えました。
そうやって個別に相談を受ける中で明らかになってきたことは極めて読書量が少ないということです。
読書を普段しないっていう子が本当に多い。
特に小説読まないし、男の子だから人の気持ちがわかりにくいっていう傾向がある。
あまりコミュニケーションが得意な子たちばっかりではないので、
やっぱりそういった人の気持ちを押し量るっていうそういうふうなところが少なかったり、まだまだの経験も狭かったりするもので小説分野が苦手っていう傾向があります。
やっぱり読書量の少なさと小説分野が苦手っていう本当に特徴がわかりましたね。
逆に言うと評論が結構得意な子が多いんですね。
理系が多いっていうそういうふうな傾向もあって、評論文っていうのはとても得意な生徒が多いなっていう傾向がありました。
ということで、共通テスト対策っていうのはこういうふうなやり方で今やっておりまして、
今これから後半戦に入ってくるわけだけども、
もう圧倒的にもう授業時間で集中して精読するっていう習慣をつけないと読書量の足りなさを補うことはできないので、
もうこの50分間をほぼ問題を解かせることと振り返りを書かせることに集中させるつもりでいます。
ということで、今のところ私が半年間悩み続けた果てにこうしようと思ってきた共通テスト対策については、
いい具合にいっているなっていう手応えがあります。
だけど反面思うのは、グロービス経営大学院でやっているクリティカルシンキングっていう授業があるんですけども、
社会でこの共通テスト対策のような思考って役に立つのかと。
こういう問題を解くっていうことは読解力を深めるっていうことにはつながるかもしれないけど、
こういうアウトプットの場っていうのはビジネスの世界や社会の世界ではないんで、
これどうなのかなっていう、そういう疑問も湧いてきましたけれども、
これがつながりがあるというふうに考えることができるのかどうか、私もこれからちょっと考えてみたいなと思っています。
授業の改善と課題
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。