現代文の受験対策
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は、226 現代文の受験対策について書籍を読んで勉強した結果、行き着いた着地点。というタイトルでお届けしたいと思います。
私はこのゴールデンウィーク、現代文の受験対策の本を4冊、1冊は丁寧、あと3冊はざっと興味関心のあるところをチョイスして読むということをやりました。
まあ、今まで結構買い溜めていたものがあったんですけれど、今回を一番しっかり読んだのは、予備校の先生、寸大予備校の講師の中野由紀先生という有名な先生がいらっしゃるんですけど、私もこの先生の受講、生で1回、オンラインで2回ぐらい拝聴したことがあります。
これは新版、現代文読解の基礎講義ということで、ページを大幅にリニューアルされた、最近出た本です。本当に論理的に書かれてあって、丁寧に丁寧に、緻密に書かれてて、理解もしやすいし、頭の中がすごくすっきりとしていて、すごい説得力のある本だなって思いました。
それから、昔々の本だと思うんだけれど、これはある先生に紹介してもらった、入試現代評論の技法。それからもう一つ、現代文を丁寧に読み解く。それからもう一つ、原点されない記述現代文。これ、代々木ゼミナルの先生の本です。こういった本を、気になるところを中心に読んでいきました。
結局、中野由紀先生が書かれた、現代文読解の基礎講義っていう本は、ノートに気になるところを部分的に書いて、自分なりにまとめたりして、丁寧に読んだわけですけれども、大体8割くらい読んだかな。
どの本も、どの本も、いろんなアプローチで書いてあるんだけど、全部、総合的に読んだ後で私が出した結論は、結局、授業でやっている読解と同じだなって思いました。
授業中にやっていることを、やっぱり最初にね、丁寧に丁寧に論構成を見たりとか、わからなかったところを読み解いたりとか、支持語をきちっと書き出したりとか、それから要点をつかむために大事な言葉、キーワードをチェックしたりとか、そしてそれを再構成して構造図を書くとか、そして論の展開を構造図をもとに把握するとか、
結局、授業でやっていることを、かなり丁寧に深くやっていくっていうことが、超ベースにないとダメだなっていうことをわかりました。
便利なことも書いてはあるんだけれども、結局、ベースがしっかりしていないと、その便利なことが使えないわけですよね。
そういうふうなことを、この現代文の受験対策の本を読んで思いました。
授業と自己指導の接続
だから、授業でやっていることをしっかりもっとやれば、授業でやっていることを意識的につなげていけば、対策はできるんだなっていうことを確かに思ったんで、
ダブルスタンダードとは言いながら、授業はきちっとやり、やっぱりそれをどう受験対策っていうアウトプットに活かしていくかっていうことのダブルスタンダードだなっていうふうに思いました。
それを踏まえて、高校3年生が先日行った、取り組んだ模擬試験の対策、対策じゃないな、模擬試験の復習をね、この間授業でやってみたんです。
今まで、評論教材を中心にやってきたんで、今回は小説教材ということに絞って、自己指導をすることにしました。
小説っていうものについては、よくよく言われるんですけど、人の気持ちがわからないからなかなか解けないっていう人がいたりなんかする。
だから小説っていうのは限界があるんだっていうふうなことを言う人もいらっしゃるようですけど、そうじゃなかったですね。
結局小説であっても、書いてあることを丁寧に読んで、それを根拠に問題を解いていくっていうことは、評論教材と何ら変わりはないということでした。
そりゃそうですよね。書いてあること以上のことを好き勝手に読んで、わりかし自分独自の解釈っていうものを答えにするっていうことは、
これはやっぱり、説問の都合上と言いますか、問題の入試である以上、客観性が担保できなければ、
恣意的な読みを答えにするわけにはいかないので、やっぱり書いてあることを根拠にして、それで選択肢なり何なりを回答にしていくっていうことは、
もう本当に大前提。だから理系だから、例えば登場人物の気持ちはわからないとか、男の子だから女子の気持ちはわからないとか、そういうんじゃない。
書いてあることをきちっと読んで、それを判断材料にして、選択肢を読んでいけば大丈夫なんだっていうことを力説しました。
それから次に、やっぱりリード文に小説のタイトルが書いてある。このタイトルがヒントになることも多いんだよっていうことを話しました。
もうこれって小説の題名読みってあるのと同じですよね。今回は生活の探求っていうようなタイトルで、小説なのにちょっとそういう生活の探求っていうタイトルがついてたんで、これは大きなヒントになりましたね。
その次に語り手視点っていうのも説明しました。今回語り手っていうのがいて、登場人物2人に対して語っていくわけなんですけれども、途中語り手がしんどそうであるっていうような、そういう風な登場人物に対する感想を漏らしているところがあるんです。
それは語り手の感想であって、登場人物が思っていることではないわけなんですね。だから時々ミスリードを誘おうとして、しんどいっていうのを登場人物がしんどいっていう風に選択肢の中でミスリードを誘うように、そういう選択肢もあるんだよっていうようなことを言いました。
でもこれはやっぱり授業中に結局この語り手は誰なんだっていうね、誰の視点からこの小説を書いてるんだっていうようなことをやるんで、結局授業と接続してるわけですよ。
ということで説明していきまして、内容に入った時にはやっぱり構造図をいろいろ書きながら授業では展開していくんだけど、とても問題を解きながら構造図を書くことはできないので、スピードが要求されるので、
やっぱり書いてある文章にそのまま目立つように丸印をキーワードとか大事だと思うところにつけていきながら、強調しながら捉えながら読んでいくっていう作業が大事だというお話をしました。
まあそれもやっぱり登場人物は誰で、その人の性格、人物設定、それから心情、そしてストーリーの流れ、プロット、それから人物の心情変化、対比、もうこれらは全て授業でやることです。
そういう視点で読んでいけば自然とちゃんと問題が解けるっていう風になっているわけなんですよね。
まあ何も便利な言葉を見つけて、それを切り取って、ものすごくクイズ的にゲームのように解くっていうようなところはもう本当に根底ができて、その後に後付けとしてやればいいなっていうことが分かりました。
小説の読み方と構造
ということで長々と私の感想を語ってきたんですけれど、結局のところ、普段の授業と地続きだということは分かりました。
なので普段の授業を大切にしながら、受験対策でも普段の授業でやっていることをもっと凝縮した形でポイントを絞りながら解説していけばいいということが分かりましたので、
これからもうちょっとね、この中野由紀先生の現代文読会の基礎講義っていうのを読んで、もうちょっと自分なりに受験対策指導っていうものをバージョンアップしていけたらいいなと思っています。
それでは皆さんの受験対策指導ってどういう風にやってらっしゃるんでしょうか。
ぜひぜひね、コメント欄とかでもお知らせくださるととっても喜びます。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。

