受験と教育の関係
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についていると配信しています。
今日は217回、受験のための授業は果たして生きる力になるのかというタイトルでお送りしたいと思います。
私は今、高校3年生の論理国語を教えていまして、受験生なので先日は模擬試験がありました。模擬試験の過去問を対策として指示を配ったりして、こういうことに気をつけておきましょうということは言っておいて、
でも、模擬試験終わったので簡単な解説をしようかなとは思っているんですけれども、もう一方で本丸の授業の方はですね、今、
弱さ校っていう、ポッドキャストで配信をされていて、本を紹介された井上新平さんの弱さ校っていう、現代のエリートビジネスマンが非常に深い悩みを抱えることになったその背景を分析して、
それが終わった後で本田由紀さんの「きしむ社会」っていう本から、メリットクラシーとハイパーメリットクラシーの問題をずっと生徒と一緒に考えているわけですね。
こちらの方の狙いとしては、まさに受験という能力主義で選別される、まっただ中にいる生徒を自覚させようとして、現在の自分の立ち位置っていうのをね、この教材でずっと分析していって、
そして現代社会についてどう捉えるかの視点を得て、さらにであることとすることに結びつけていこうとするっていうのが、私の教材配列の意図であります。つまり、この取り組みを通して、論理的な文章を読むことを通して、
やっぱりその文章に対する読解力と、それから論構成、表現力を養うとともに、現代社会に救う問題について、自分自身の問題として捉え直しながら、どういうところに問題点があるのか、自らはどういう位置に置かれているのかっていうことをしっかり自己認識させることを通して、ではどのように解決していけばいいのかという将来への方向、
それを学ぶということで、打開していく人間を育てようと思って、こういうふうな教材を構想しているわけなんですよね。ということで、私の今やっているこの単元構想が、将来ずっと学び続ける人間を目指してほしいという願いを込めて、教材配列をしているわけですけれども、
片方では受験というものが重くのしかかっています。とりあえず、いつも高校3年生の進学クラスを担当している先生に、どういった指導されてきたんですかということを事前に色々と伺いまして、
そうしたらやっぱり1学期は教科書をちゃんとやったっていうことだったんで、教科書をちゃんとやって、それから2学期本格的に受験対策に突入したっていうことだったんで、私もそれを踏襲することにして、今単元をずっとやっているわけですけれども、
模擬試験があったら受験対策的なこともやるわけですよね。受験対策って、文章を読んで、それを情報処理して、それで問いをちゃんと読み解いて、それで問いに合わせて答えるっていうね、そういうふうな段階を踏むわけで、
自分の意欲とか関心とか、それから認識を変革するというところとはちょっとずれたところでの処理っていう面が大きくなりますね。
でも教材はね、本当に中身がある、手応えのある、そういう内容が多いわけで、その教材の内容について勉強になることはたくさんあるんですけれども、どうしても処理メインみたいになってきて、処理の仕方っていうのも生徒それぞれの言語環境の違いとか、それから捉え方に個性がありますので、
受験指導でこの読解を解説するっていうことが果たして個別最適になってるのかっていう大きな疑問が私にはあります。
一応スタンダードとして分析をね、生徒の前で講義をするわけですけれども、果たしてそれも主体性喚起になってるのかっていう大きな悩みがあります。
皆さんどうされてたんですかね。私、進学校に勤めていた時どうしていたかっていうと、国立大附属、この時は受験指導ってしなくてよかったんです。
普通に研究者として国語教育についてしっかり軸を取った授業をしていればよかったんですけど、受験勉強は生徒を勝手にしちゃうんで、生徒それぞれが自分自身のやり方で一番最も効率のいいやり方で勉強してたんで、これはもう全然受験指導しなくてよかったんですよ。面白いですよね。
その次に勤めた学校は受験指導をしました。この人たちは本当に受験学力っていうのが難しい子たちだったんで、手取り足取りで、いわゆるベタスタンダードからスタートしても、こうやって読むんだなと思って素直に吸収していき、かなりスタンダードなやり方を吸収していくことによって点数が上がっていった生徒もまあまあいるので、特に個別指導で上がりやすかったですね。
なので、今回みたいに授業で受験指導をガチで入れるっていう学校初めてなんで、自分はそういったことに対して本当にこれでいいのかなっていう懐疑的な思いを持っているタイプなんで、これからどうしていったらいいのかっていうのを大変に悩んでいるところですね。
ある先生に言わせれば、模擬試験の解説なんて回答解説をその子がじっくり読めばいいんじゃないの?みたいなことを言われてて、私も結構そういうタイプだったんで、わざわざそれを先生が説明するっていうことはある意味時間の無駄なんじゃないかなと思っているタイプなんで、ちょっとこの辺をどうしていったらいいのかっていうのは私の大きな課題だなって思ってますね。
主体的な学びの模索
受験指導、本当にXなんか見ると生き生きと指導されている先生がおられて成果を出しましたってね、そういうことを言っておられて、ちょっと私その成果を出したっていうその先生のノートのフォロワーになって成果を出すためのノウハウを有料記事で購入したんですけれども、ちょっとそれ拝見させていただくと、
当たり前のことが書いてあったっていうか、これで成果が出たのかと思うと、そのノート記事になっているところと、それからその先生がされていることのその間、どうやって生徒にこのやり方を授業とかで形作っているのかっていうのを聞きたいなっていうふうに思っています。
それとも手のいい釣りだったんでしょうかね、ビジネスだったんでしょうかね、ということで効果的で生徒が自分自身の進路開拓にもなる、そして主体的に取り組める受験指導のあり方っていうのが私の今後の大きな大きな課題になるのではないかと思っています。
一応ね、3冊ぐらい本を買って、ただいま絶賛勉強中だし、もう生徒にも君たちは受験生なんで、私も受験生の指導者としてみんなに寄り添うべく、休みの日も勉強しているから一緒に勉強しようということをたきつけてるわけですけど、それ聞いてすごいっていう生徒もいれば、うーんっていう生徒もいて、とりあえず私も
真正面に受験指導にガチで溺れるというか埋没するというか、そういう風な経験がないので、ちょっと今年はね、受験対策的な国語の授業って本当にどうすればいいのかっていうことにしっかり取り組んでいきたいと思います。
ただ言えるのは、何度も何度も予備校の先生の講義を拝聴しました。何回かな、10回近くなるんじゃないかな。拝聴しましたけど、あれを教室でやればいいのかっていうと、そうじゃないような気もするんですよね。
ということで、私として具体的に受験指導に対してどう授業していくかっていう授業を受けてきてないので、本当そうなんですよね。受けてきてないんで、そのイメージを持たないまま授業するということが最大の課題だったんだけど、予備校の先生の授業を拝見するということが10回あって、
あれをそのまま再生産すればいいのかな。どうなんでしょう。肩やちょっと主体的な深い学びということとミックスさせればいいのか、大きな疑問があるわけですけど、もし何か私に助言ができるなっていう方がいらっしゃいましたらよろしくお願いします。
それじゃあ配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。