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2025-05-23 12:28

232  「城の崎にて」の授業について適当に語ってみますw

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私にとって難敵だった「城の崎にて」の授業。

教材研究をしっかりすることによって乗り越えることができました。

教材研究について語り合う場でシェアし合うともっと深まるかな~と思っています。

ただ、現場は忙しいです(汗

#城の崎にて #小説 #ファシリテーショングラフィック

 

サマリー

エピソード232では、「城の崎にて」をテーマにした授業の経験が語られます。教材研究を深めた結果、生徒の理解が向上し、文学作品を楽しむことができた経験が共有されます。

授業の始まりと経験
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は232 「城の崎にて」の授業について適当に語ってみます。というふうに題してお送りしたいと思います。
このタイトル「城の崎にて」というのは、高等学校の国語の教科書によく載っている定番教材で、志賀直也の小説になります。
城の崎にて、私が高校生の頃にも城の崎にてが教科書に収められていて、これ取り扱ったと思うんだけど、その時にはさっぱりわからなくて、
小課無料のまま高等学校を終わりまして、それから教員になって初めて教えることになりました。
でもそれね、教員になってから多分15年ぐらい経ってやっと教えたっていう感じで、それまでは授業がなかなか成立しにくい学校にずっと勤めていたものですから、
城の崎にてっていう、そういう小説を教えるっていうことに巡り合わなかったわけです。最初に城の崎にてを教えた時は、チーンっていう状態になりまして、
生徒もよくわかんないし、何より私がわかった風なフリをして教えないといけなかったっていうような、そういう風な感じがあったんじゃないかなと思います。
いわゆる指導書参考に展開していったわけですけれども、結局のところなんだかもやもやしたままで終了して、手応えのない残念な実践になってしまいました。
そして時は流れ、国立大附属勤務時代に城の崎にてを教えるっていう、そういうことが巡り巡ってやってきました。
この国立大附属の先生は教材研究がものすごく深くて、とてつもなく深くて、深くて、深くて、
公立高等学校に勤務していた時には、そんな風な深い教材研究をしたことがなく、なお先輩方にもそういう風な深い教材研究をしていらっしゃる方の授業を見たことがなくて、
本当にあの学校に行ってよかったなと思って、教材研究っていうのはこういうことを言うんだっていうことを先生方にも学ばせていただいたし、
私自身もその先生方に少しでも追いつこうと思って、自分をどんどんどんどん改造していったっていう、そういう風な時代でもありました。
木の先に手を教えるっていう風なことが分かってから、もう私は朝昼晩、朝昼晩、教材研究、教材研究、教材研究、教材研究。
いろんな本を読むことは当然ですけれども、質問を先生にしに行ったりなんかして、とても熱心に教材研究をした覚えがあります。
いろんな情報をかき集めて、自分の中でそれを何回も何回も再構成して、授業に合うように教材研究していくっていうことがとても大事で、
それだけ深く深く掘り下げて教材研究したからこそ、いろんな発問が生まれてきたり、それから生徒の発言をうまく授業に位置づけたりすることができる。
そういったことが本当に身をもってわかったのが、木の先にての授業だったと思います。
どうやって授業したかをだいたい語るんですけれども、まず木の先にてをとにかく読みます。
そうしたら生徒が分からない分からないってことで、ものすごく悶々とした気分で書読の感想を書くわけですね。
その書読の感想には様々な疑問が書かれているわけで、様々な疑問と気づいたことや考えたことに分けて次の時間をフィードバックします。
やっぱり国立大附属の生徒だから、結構最初の書読から本質的なことをズバッと書く生徒が何人かいるので、
それをフィードバックすると目を輝かせて他の生徒もその深い読みにつられていくわけです。
こんなことを考えたり、こんなことを指摘したりする力のある生徒がいるんだ、クラスメイトがいるんだ。
僕も私も負けてはいられないっていうような刺激になるんですよね。
それと同時に様々な疑問がたくさん浮かぶわけで、それを授業をやりながら解決していこうというようなことでスタートをしました。
最初は主人公が木の先にいてに来るっていうそういう冒頭部分があるんだけれども、
ここからは工夫がいっぱい詰まっている。どういうところに自分たちは引っかかるかということを質問して、
やっぱり小説の書き出しっていうのはすごい大事なキーになることがいっぱい書いてあるからということでどんどん意見を出させて、
なんだかんだと言っていると結構上手い具合に面白い気づき発見がまとまっていくんですよね。
それはやっぱり国立大附属ならではなんですが、これは学校が変わって中堅校に行った時でも、
国立大附属の生徒レベルのようなそういう気づき発見を引き出すっていうようなことができるようになりました。
それはなぜかというと、やっぱり生徒はここまで行けるんだっていうようなイメージを持つことができたので、
そこに至るまでにはしごを私がかける術をね、そこで国立大附属で得ることができたんじゃないかと思うんですよ。
ということで取り掛かりの導入部分はそれで終了して謎を解いていこうねということでスタートします。
授業の成果と今後の提案
そして最初の場面は主人公というか私が散歩するシーンなんですけど、この散歩するシーンは私が解説しました。
これはこういうふうな小説の工夫がしてある、表現上の工夫がしてある。
結構同じモチーフが繰り返し何回も何回も出てくるシーン。
それによってこの小説世界の雰囲気をどんどん作っていく、雰囲気を作っていくっていうような、
そういういわゆる善想になっているっていうようなことを講義をある程度しました。
さまざまなモチーフが出てくるんで、これフラグになっているから後で回収しようねっていうことを予告しました。
その次に宿屋で蜂が下の方で死んでて、蜂が花にたかるっていうそういうシーンがあるんですけど、
そこは全体でグラフィックファシリテーションを使って図式化して、この位置とかその順番とかそういう関係性について分析してみようという感じで
気づいたこととかどんどん上げてもらいまして、そうしたら結構、生と死っていうそういう対立、
その真ん中に生でもない死でもない私がいるっていうような、そういう構図が浮かんできたりなんかしましてですね、
本当にグラフィックファシリテーションと小説教材っていうのは、特に木の先にいての場合、
分からないところに切れ目を入れて事態を打開させる、そういうふうな力を持っていました。
それが終わりましたら次の場面は多分橋の上でネズミが泳ぐっていうか流れてくるシーンじゃないかと思うんですけども、
もうそこから半学習にして今まで習ってきたんでグラフィックファシリテーションとかを使いながら、
この場面で描かれていることをそれぞれ分析して判で発表しましょうっていうような授業をしました。
結構今まで勉強してきたことを活かせて、図式化して位置関係をいろいろと考えて、
小説世界で描かれていることを分析してみようということで結構ここでも深まりまして、
そして最後は次第次第に奥へ奥へと歩んでいくと結局のところ、
イモリを殺してしまうシーンがあるわけですけど、そのラストシーンもここも全体でやりまして分析していきました。
ということで蜂とそれからネズミとそれからイモリ、
この順番についても意味ある順番で並べられているんだから皆さん分析してみましょうということで分析したら、
まあここは出にくいんだけども私のハシゴをかける質問、発問によって次第次第に明らかになっていきまして、
そして最後のエンディングでは今までのものを回収するようなそういう結びに向かっていくということになりまして、
結構ねファシリテーショングラフィックと発問、それからハシゴの書き方、
これによって木の先に似ての小説の授業が本当に深まったっていう思い出があります。
この時教えた生徒たちは卒業旅行に木の先温泉というのを選んで木の先に似てごっこをしに行くんだ先生ということで、
本当に小説を読むっていうことを楽しんで現実世界でもそれを面白がってやる生徒たちでした。
ということで木の先に似てっていう授業は私にとって本当に難的だったわけなんですけれども、
まあ本当にね体力に任せて教材研究しまくった結果、授業が大変に思い出深く印象深い授業ができたというお話です。
この時やった授業のコツをある知り屋の先生2人にお教えしまして、
それをそのままご自身の学校で追試されたところ大変にうまくいったっていうお話をいただきました。
ということでもしかしたら私のこの木の先に似ての授業デザインっていうのは他の学校でも活かされるんじゃないかと思います。
その時教えた学校の学力はそんな高くない学校だったんですね。
私もその後付属以外でも中堅校の学校でやったんだけど、とても手応えがあったし深いところまで行ったし生徒面白い面白いと言ってました。
ということでやっぱり国立大付属で教えられた教材研究を深くするっていうこと、
もうこれは本当に授業っていうものを奥深くそして太くしていくものなんじゃないかなって本当に実感しました。
この教材研究っていうのは本当に時間がないとなかなか深まらないんですよね。
本当に忙しい教育現場で教材研究を深くするっていうこと、これは本当に大変なことだと思うんだけど、
今本当にネットで検索できるようにもなったし、あわよく知り合いの先生とZoomで教材研究について語り合うっていうような、
そういう共同でみんなで学び合う場っていうのもデジタルで簡単にできるようになったと思うので、
そういった教員同士のつながりで教材研究をもう少し楽しく軽やかにかつ奥深くしていくようなシステム作りができたらなと思っています。
もしご希望があれば木の先にて、この時やった私の授業デザインについて語る場っていうのを設けてもいいかなと思っているので、
もしご要望があればコメント欄でもいいですし、Xでもいいですし、DMでもいいですし、何でもいいので連絡くだされば何か企画してもいいかなと思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
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