評価の負担
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は233 回、評価はどうするんですか?という発言の多さについて、というタイトルでお届けしたいと思います。
私は、今日も明日も授業道オンライン交流会という名前で、偶数月の最後の土曜日に、21時からオンライン交流会を開催しています。
私自身が提案者になって、主に実践を発表することがあるんですけれども、時々はゲストをお呼びして、お知恵を借りるというようなことで展開しています。
いろんなジャンルに扱っているんですけれども、実践提案をするとき、実践報告をするときに必ず質問で出てくるのが、評価はどういう風になさっているんですか?という言葉ですね。
その他にも、オンラインじゃなくて、リアルの場面で研究発表をするとき、このときも必ず質問で、評価はどうなさっているんですか?とか、必ず評価、評価、評価ということで質問が来ます。
それぐらい、新しい学習指導要領、現行の学習指導要領では、観点別評価というのが高等学校でも求められて、評価というものについてきちっと取り組んでいらっしゃる先生が、ほとんどなんだろうなというふうに思います。
私は評価というのを一応頭に入れながらやってるんだけれども、しかも、現行の学習指導要領がちゃんと導入される前に、いろんな学習評価の本を買って勉強して、評価をどうあるべきかというのを一生懸命それなりに勉強してきたんですけれども、
いざ、現行の学習指導要領で授業が回っていくにつれて、私自身が評価に疲れたと、そういうふうな実感があります。
何かを生徒に求めるときに評価ありきで求める。例えば、この短い作文を書くときにはこれだけの評価でやろう。生徒にもそれを示して、そして帰ってきたら評価して返す。
ありとあらゆる生徒のアウトプットに観点別であったりとか、あるいは見取りであったりとか、そういう形成的な評価のコメントであったりとか、とにかく生徒のワークシート、生徒の記述、生徒の書いたものについて評価がくっついて回るようになりました。
真面目にやればやるほど評価に追いまくられて、評価に疲れてしまって、いつの間にか生徒の書いてきたものを楽しんで読むっていうことが、どんどんどんどんなくなってきたような悲しい現実が訪れてしまったのであります。
皆さんどうなんでしょうね。評価評価って言われる以前、私は生徒に授業でいろんなことを書かせた後は、もう帰りながら、教室を後にして職員室に帰りながら、むさぼるように廊下、歩きながら読んでたりしました。
それだけ生徒が書いてくるものが楽しくて楽しくてしょうがなかったし、生徒のを読んで、うわそうだそうだとか思ったり、ここは次の授業でフィードバックしようっていうように、次の授業の展開にワクワクしたりとか、そういうふうな思いがあったのに、いつの間にか評価評価評価。
これはこういうふうに評価するからAだとかBだとかCだとかチェックして返して、そのABCをちゃんと記録とって控えておいてっていうように、自分の両力の半分以上を評価することに使ってしまっているっていう、そしてそれにどんどんどんどん追われているっていう、そういうような状態が訪れたんです。
私これ本当に生徒も評価に疲れてるんじゃないか。励ましになってるのかな。ABC書かれて嬉しいのかな。ちょっと聞いてみればいいんじゃないかと思うんだけど。生徒も疲れちゃってると思うでしょ。もう先生自身も疲れちゃってると思うんですね。
なので評価ってもう、ある意味最小限、もう本当に必要最低限でやって、あとは励まし合ったらいいんじゃないかと思うんですよ。私たち教員の研修会でも、いちいち相手の言うことにABCとかってやったら面白くないですよね。
自分の考えを、気づきを出し合って、そしてそれが相手を受け止めて、また言い換えて深まったり、新しいアイディアがそこに投げ込まれて、自分自身がまた発見したりっていうような、そういう対話を楽しみながら学んでいくっていうことで、
本当に学ぶことが楽しいな、友達と一緒に語り合うって、とても深まるなっていうような実感を得るっていうのが本当の学びの場なんじゃないでしょうか。評価評価評価。評価ばっかりやってると、そういう学びの楽しさが半減してしまうっていうような気がしてなりません。
なので、研究会とか、それからオンライン研修会で評価はどうしてるんですか。評価はどうしてるんですか。もうなんかね、私自身がその質問にうんざりしてくることが多いです。評価はここではしませんでした。
評価の見直し
こことこことここだけですっていうふうに返せるように、私自身の中で評価っていうものの軸の置き方をきちっと効果的かつ最低限、最小限に決めていかないといけないなっていうふうに思う日々が続いています。
Xでもそういう評価疲れのそういうコメントが見られるようになりましたけれど、きっと全国でも評価に疲れている先生方がいらっしゃるんじゃないでしょうか。
じゃあね、この評価評価っていうことを求めて生徒によりよく伸びていこうという、そういう教育を一生懸命やろうと呼びかけているんだけども、こういう新学習指導要領に導入したことによって生徒の学力が伸びたのかどうかっていう、そういった新学習指導要領導入における効果についてどうかどうか分析考察してね。
導入前と導入後で学力がどれほど伸びたのかっていうのをぜひぜひ分析して、その効果を検証して、同じだったらもうやらなくていいんじゃないかと思うし。
もうこれ以上どんどんどんどんカリキュラムオーバーロードになって、先生が疲れて、そして新しい先生が入らなくなって、学校言語場がますます疲れちゃってということがないように、評価についても本当に見直しをしていかなくてはならないんじゃないかなって私は思うようになりました。
皆さんはいかがでしょうか。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。