教育改革の背景
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は342回、県で一丸となって取り組んだ教育改革を振り返る、というタイトルでお届けしたいと思います。
文化祭が終わりまして、ちょっと体が疲れ切っている中、今、配信を録音しています。
振り返ってみると、私、県立高校にずっと勤めていた時から、大村浜先生の単元学習を展開していきたい、展開していきたいと思いながら、
横並びのシラバスというのを求められるがために、どうしても教材中心、教材配列中心の授業展開をせざるを得なかった、そういう悶々とした時代を長い間過ごしてきたんですけど、
ある日のこと、それは平成26年、2014年12月だったと思うんですが、学びの変革アクションプランというデータが手元に流れてきまして、
広島県では、グローバル化する社会の中で活躍できる人材育成を目指して、課題発見解決学習と共同的な学びというのを教育の柱と名付けて、
学びの変革アクションプランというのが作成されたんですよね。それで翌、平成27年度以降から様々なプランが打ち出されて、どんどん実行されていきました。
まず学びの変革パイロット校というのが指定されて、名乗りを挙げた学校さんが中心になって、課題発見解決学習の導入と実践に取り組んでいったわけですね。
そこで中核となって働く教員というのを1人設定しなくてはならなくなって、中核教員というカリキュラムマネジメントリーダーというものが設定されまして、
その人たちが集まって学習会を開いたり検証を受けたりして、各学校で改革を進めていくと、そういった流れになっていきました。
その次の年、2016年は各学校で1人、中核教員という名前ではなく、課題発見解決学習推進委員という、そういうのを1人置くということになって、
そしてその人たちがやってきた実践というのを1つ、研科でまとめて共有してポスターセッションを行うというような、そういった研修会も大々的に開かれるようになって、
研科で一丸となって学びの変革に取り組んできたという、そういうふうなスタートがありました。
新しい学びの実践
私がこの時、課題発見解決学習推進委員というものに拝命されまして、学校の中で新しい学びを転換していくという、そういうふうな企画運営実行というものを応接かりまして、
本当にこの時、一生懸命頑張って学校の組織改革とか、それから授業改革とか、いろんなイベント、研修会を開催して、
自分がやりたかった単元学習が少しでもできるように、近づけるように学校組織の変革を行ったという思い出があります。
この時、綺麗なことばかりではなくて、いろんなことを歩口とか、陰口とか、下打ちとか、いろんな形で、やっぱり向かい風を、ハレーション、バッシングを受けながら推進していたという思い出があります。
私がこれに耐えれたのは一重に仲間たち、一緒に頑張ってくれて支え合ってきた仲間たちのおかげで、本当に同僚たちには恵まれたなというふうに思っています。
そして、2019年、令和元年には、県立学校で高等学校で単級、総合的な単級の時間というのが先行実施になりまして、必ず単級型で総合的な学習の時間を総合的な単級の時間に変革してやろうということになりまして、
これについても私は大村浜先生の単元学習って結局そこにすごく通じているから、大村浜先生で学んだことを結構そこに落とし込めばいい具合にいったんですよ。
結構自由にやらせてもらったので、そういった単元学習のエキスをそこで投入することによって生徒も楽しいし、生徒が楽しいのを見ていたら先生方も乗るしという好循環がそこで生まれました。
そういったことで私は総合学館でそういうふうに思いっきり単級型にシフトするという経験をさせていただいて、自分自身の力になったなと思っています。
その後は課題派遣解決学習の推進を進めていき、さらに地域連携、地域連携というものを言われまして、そしてコロナでICTを一層推進していくという形、そういった形が求められるようになって、学びの変革はさらに進化拡充が続いているということになっています。
そうした中で平川理恵教育長というのが就任されて、入試改革、それから自由進路学習を含んだカリクラム改革、そして商業高等学校でより実践的なプロジェクト学科学習PBLの導入、そして社会と連携した学びというのを進めていく。
あとは不登校の生徒に対しての支援や図書館の再生、それから国際バカロレアの学校の設立やイエナプラン教育の導入といった多様な教育手法効率学校で導入していくという、そういうふうなさらに進化拡充が進んだというのがうちの県の特徴だと思います。
改革の成果と考察
そういったものすごい進化拡充の時代がここ10年だったと思うんですけど、そんな中で私は本当に学びの変革アクションプランの推進リーダーを務めさせていただいて、自分自身が本当に力量がついたし学びにもなったし、勉強させていただいて非常に充実した時代を過ごすことができました。
そういった時代を過ごした後で考えたことは、結局いろんな形式や形などが導入されるんだけれども、変わらないのは大村浜先生の単元学習の手法をやればね、それに通じてて、その大村浜先生の単元学習の形を今風にどんどんブラッシュアップしていけば、もう余裕で通じたんです。
なので、やっぱり大村浜先生ってすごいなって今更思うし、さらに根底では児童生徒がその課題に夢中になって取り組むことができるかっていう課題設定、ここが大きな大きな肝なんじゃないかなと思っています。
特に感じたのは、探求的な学びとか、総合的な探求の時間とかを組むときに、名前だけとか理念だけとか、例えばですねSDGsっていうね、そういうふうなものをやりましょうみたいな、生徒の実態や興味関心というところをちょっと二次的三次的に置いておいて、SDGsっていうのを掲げて走らせるとうまくいかないという報告をよく聞きました。
だからやっぱりAIやりましょうとかICTやりましょうとか、そういった目的とか手法だけをポーンと入れるとあまりうまくいかない。
やっぱり起軸に据えるのは、児童生徒がその課題に真剣に取り組むことができるかっていう、そういった課題設定、主体的に取り組むことのできる課題設定が大きな大きな軸であり肝であるということをこの10年間で痛感しています。
ということで、私のこの広島県で過ごした10年間の改革、これを通じて一つの普遍的な起軸っていうのがそこにあるんじゃないかなっていう実感をお伝えしました。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。