評価用紙の配付についての考察
皆さんこんにちは、今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。
この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は289回、生徒発表の時に評価用紙を配付するってどうよ、というタイトルでお届けしたいと思います。
いよいよ290回を迎えまして、あと10回で300回ということになります。
300回って本当にね、よくやってきたなと思うわけですけれども、これからあと10回、一つ一つ大切に配信していきたいと思っています。
今日のタイトル、評価用紙についてなんですけど、先日、XQ Twitterでコメントして、結構予想外にも反響が大きかったので、早速配信ネタにしようと思ってマイクを取っています。
皆さん発表する時に、生徒が発表する時に評価用紙を配付していらっしゃいますでしょうか。
もう私は15年ぐらい前から、そういったパフォーマンス課題っていうのをどんどんやっていこうという、新学習指導要領の先取り学習として、
よくやっていた時期に評価用紙っていうのを配付して、生徒に評価させた方がいいっていうね、そういったお話を研修会でたくさん聞いてきたので、
早速評価用紙を配付して生徒に発表を評価させるという、そういうふうなことをよくやっていました。
だけどね、色々と自分の疑問が湧いてきてしまいまして、まず生徒が必死でプレゼンテーションをしている時に、
こっちも聞き取って評価はするわけですけれども、忙しいんですよね。
自分が結構言語活用能力が生徒より高めな、私自身が生徒の発表を聞きながら内容も聞き取って、評価も色々細かくやるって忙しくて、
一生懸命発表しているその発表を、何となく評価半分、聞き半分っていう感じで聞いてしまっていて、
もったいないっていうふうに思ったんですよ。
その子が一生懸命発表している教室の中で、慣れないながら今自分たちのMAXを使って発表している。
そういった発表をもっと私自身が全身でしっかり聞いてあげたいっていうふうな思いになり、
何となく評価が邪魔だなっていうふうな、そんな思いを多々することがありました。
これって言語活用能力がまだ未熟な生徒にさせるっていうこと自体がおかしいんじゃないかって、
その時思って、もう多分1年ぐらいでもやめちゃったと思いますね。
評価のあり方と生徒の成長
そういう複雑な評価用紙を配布して、生徒自身にパフォーマンス課題を発表している友達の発表を評価させるということ。
で、しっかり聞いてっていうふうにお願いするようになりました。
もっともっとしっかり自分自身がその子の話していることを全身で受け止めて、しっかり聞いてあげる。
耳を傾けて心を傾けて聞いてあげる。
そうすることによって聞き手はどんどん話しやすくなって、発表の内容自体もパフォーマンス自体も大変良いものになるよっていうふうに切り替えました。
なのでせいぜい一言励ましコメントっていうね、そういったものぐらいにしています。
あとは話し方とかね、そういうふうなスキルを伸ばそうっていうようなことが主な目的になる時間だったら、あえてその評価用紙っていうのを配るっていうことをすることもありましたけれども。
でも発表している子の話し方のスキルを上げようとしたら、一番いいのはその発表しているところをちゃんとiPadかなんかで動画で撮影して、それを見ながら発表者自身が自分の発表を振り返る。
それが一番その子自身のスキルアップにつながるっていうふうに思っているので、そっちにシフトした方がいいと思います。
過去教えてきた生徒も自分で自分の発表している動画を見ることによって、やばい気をつけよう、もっとこうしよう、より良くなろうというふうにどんどんチェックしていったので、
友達に発表を聞いてもらって、おまけに忖度した評価で、それで自分の発表をより良くしていくっていうのはちょっとこれは何か筋が違ってるなっていうふうに私は思いました。
ということで、これって結局、評価評価評価が先走りしてしまっている今の学習指導要領のあり方に問題があるんじゃないかというふうにちょっと思い始めて、すごく批判的なものの見方なんですけれども、
何でもかんでも何かやって、それを評価して、そして改善していくっていうような成果主義あるあるの、そういう評価っていうのに重きを置くっていう、そういうやり方に少し間に受けるんじゃなくて、ある意味点検しながら取り組んでいかないといけないというふうに思いますね。
私がいろいろ話し方教育とかいうのにね、ちょっとご注意して取り組むようになってきて本当に思うのは、生徒自身の発表力を上げるためには、安心安全な場ですごく聞いて受け止めてくれるっていうそういう場で信頼し合って発表するっていうそういう状態、これを作るのがとても大きいことであり、ということはやっぱり生徒指導的なそういうふうな事前指導が必要であり、
さらに生徒が聞き手として成熟しているから、その場をより良くしよう、より話しやすくしよう、そういうふうに聞いている場が話している場を成長させる場になるんだっていうそういう自覚があるのかどうか、そういう事前指導も必要だし、
その上でさらに評価に値する事前の話し方指導をちゃんとやっているのかどうかっていうのも大事だし、評価用紙を配る前に、授業者がするべきことがあまりにも多すぎて、評価用紙ということを安直に配る危険性っていうのがとても存在しているんじゃないかなっていうふうに思うようになったので、
評価用紙は安直には配らず、できるだけシンプル、できるだけ最小限に留めて一言コメントか励ましコメントかっていうので十分じゃないでしょうか。
ということで、生徒のプレゼンテーション、発表っていうものに対する生徒の相互評価っていうことについては、もうちょっと私自身も考えていかないといけないし、相互評価する前に相互評価するような生徒に育てるということの方がものすごく大変なんじゃないかなと、教える側がものすごく勉強しないといけないということなので、
とても軽々に評価用紙を配ることができなくなってしまいました。皆さんどう思われるでしょうか。評価について考えるとどんどんどんどんドツボにはまっていくっていう、そういうふうな状態になってきちゃってるので、私自身ももうちょっと勉強しながら、生徒がよりよく成長していくためには何が必要なのかというのを考えながら発表させていきたいと思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。
