白い巨塔のテーマ
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道ス黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は290回、「白い巨塔の総回診のシーンと学校現場」というタイトルでお届けしたいと思います。
私は今、ネットフィリックスで白い巨塔を見ています。テストも終わり、成績もつけ終わって、少しゆっくりした時間が持てるようになり、白い巨塔を見始めました。
前から興味はあったんですけれど、何たって長いですね。なので、ちょっとゆったりした時間ができたなということで、これを見始めました。
この白い巨塔というドラマは、さまざまにリメイクを繰り返されているんですけれど、私が今見ているのは、唐沢利明さんと江口陽介さんが出てくるあのドラマになります。
この白い巨塔というのは、大学病院の例えなんですよね。大学病院の閉鎖性と検医性というのを、白い巨塔という、そういうふうな建物で例えていまして。
巨塔のように、だんだん階層社会でできていって、トップに上り詰めるというイメージがある。
そういう白い巨塔に例えられた大学病院でのお話になります。
まずは、登場人物の名前が面白かったなって思いますね。
登場人物、唐沢利明さん演じる財前五郎という主人公なんですけれど、これ財ですね。お金っていうものの前にいるっていう、そういう名前がついていて、本当に名誉とか地位とかにこだわる主人公にぴったりの名前です。
それに対して、親友でもありライバルでもある江口陽介さん演じる里見という医師、これは里を見るということで、都会に対して地方、里、そういったところを見るっていう名前がついているので、権力志向とは大局のネーミングがついているなと思って、この2人の対照的な登場人物、名前もうまいことを対照的に名付けられているなって思いました。
なので、国語化的には小説教材とかの登場人物の名前っていうのもこだわりたいなってずっと思っているので、ドラマを見るときにもついつい登場人物の名前にね、どういうふうな意味が込められているのかっていう、そういうのを分析する癖がついてしまっています。
それから、大学病院っていう場所ですね。これにちょっと私、興味関心を抱いておりまして、なぜかというと私、もう10年ぐらい前に大きな病気を2回しまして、入院手術したんですけれど、検査入院を大学病院でしたんですね。
確か5日間ほど入院したんですけど、それ検査入院だったんですけど、大学病院っていうところは本当に研究施設なんだなと思って、検査入院のためにもう何回も何回もいろんなところあちこちあちこちたらい回しにされて、ありとあらゆるところを検査されまして、それから研修院にいろんな検査もさせられまして、
本当に医学の発展のために5日間身を捧げてきました。その大学病院っていうのは本当にね、実験のため、研究のための施設だなっていうふうに実感したのと同時に、今までの中で一番採血がうまかったですね。
痛くないしスムーズだし早いし、最も採血がうまかったのが大学病院だなっていうふうに思いました。
大学病院では白い巨頭のような、教授を先頭にした総会診というようなことはあんまり行われてなかったように思うんですけれど、ちょっと大学病院というところをつぶさに見たわけではないので何とも言えませんけれども、テレビドラマみたいな感じではなかったですかね。
ただ大学病院というところは本当に重病の患者さんがたくさんいらっしゃるところで、廊下とか売店とかそういうところを歩いていると本当に重病な方がいろいろ車椅子を引きながら生活されていて、私なんか軽傷だなというふうに思いました。
それから教授婦人の会というのがドラマの中であるわけなんですけれど、教授婦人の会というのドラマの中では本当にザーマス言葉を使う教授婦人が大量に出てきて、建前だらけのおほほ言葉で本当に嫌味をふんわり言いながら、真綿で首を絞めるような言い方で他人を批判したり、他人に意地悪したりというシーンが出てくるんですけれど、
教授婦人の会って現実にあるみたいです。私がかつて国立大附属で担当した生徒、これが大学教授の娘さんだったんですけど、その時にお母さんと話をすることがありまして、お母さんの話からして教授婦人の会というのがあって、その教授婦人の会の中で家庭のことも話題になり、
その家庭の中で例えば子供さんが不登校だったりすると非常に肩身が狭いんだっていうようなそんなお話も聞いたりして、教授婦人の会というのも本当に親としては疲れるものだなと思いました。
だから現実に教授婦人の会というのがあって、そこで教授婦人たちと渡り合っていかなくちゃならないお母さんたちのストレスというのは半端ないだろうなって思いました。
それからやっぱり白い巨頭といえば教授を先頭にした総会審のシーンが何度も何度も出てきます。
あれ本当に有名で、やっぱりあの総会審のシーンが大学病院の権威性とか階層社会というものを象徴しているシーンだと思うんですよ。
教授婦人の会の実態
現実世界はああいうふうなことないなーって思うわけなんですけれど、特に学校現場ではあんなシーンないなーって思うんですけれども、思い返してみたらやっぱりありました。
私が公立高等学校に勤めていた時のことです。公立高等学校に勤めていた時の入試の時にありました。
入試の準備のために様々に係り分担をして教室をきれいに整備して、入試の時に間違いが起きないように完璧な整備でもって入試を迎えるわけなんですけれども、その最終段階に管理職による点検というのがあるんですよ。
そこで管理職さんとそれから選ばれた入試委員さんと大体12人ぐらいで点検するっていうそういうふうなコーナーがあるわけなんですけど、その時に校長室前に集合して、白い巨頭のように管理職を先頭にして教室を歩いていって点検するっていうね。
白い巨頭の爽快しいシーンを彷彿とさせるような点検シーンがありました。
学校現場っていうところはそんなに権威主義的でもなくて、階層社会でもなくて、特に管理職が何人かいてあとほとんどがプレーンな教員で構成されている、そういう社会なんで、あの白い巨頭のような本当に完璧な階層社会で権威主義的ではないんだけれども、入試の時にはそれをチラッと見ることができますし、
その他にも県の教育委員会の方が来られた時はあんな感じになったり、もっとすごいのは教育長が視察に来られた時はまさにああいった形の爽快シーンのシーンになったりします。
まあいくら民主主義社会になったとはいえ、やっぱり仕事においてもああいう階層社会はね、あるんだなーって思いました。
ということで、白い巨頭を見ていろんなことを現実の中で結びつけて楽しく遊んでいるのでありました。
まあこういったことも国語の授業の中で面白おかしく学びに使えたらいいなって思っています。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。