自己の教育体験の振り返り
皆さん、こんにちは。今日も明日も授業道、黒瀬直美です。この番組では、中学校・高等学校の国語教育、働く女性の問題、デジタル教育についてゆるっと配信しています。
今日は212回、自分が受けてきた授業はやはりその後の授業に大きく影響するというタイトルでお届けしたいと思います。
ちょっと前の2回分がすごいごっつい内容のゴリゴリとした重たい内容だったので、ちょっと軽い感じで配信したいなと思っています。
タイトルも本当に実感しているんだけど、自分が受けてきた授業というのは結局、自分の授業に大きく作用しているなと思います。
皆さんはいかがですか。まず私を振り返ってみると、小学校はごく普通の小学校に通ってたんですけれど、やっぱり毎日毎日新しいことを知るのがとても面白くて、
先生も工夫する先生が結構いらっしゃったので、本当に授業が面白くて、いろんな工夫に心をワクワクさせながら授業を受けていたように思います。
特に私が影響を受けたのは、小学校5、6年生の時に担任していただいた女性の先生で、働きながら子育てをして、それで授業も忙しい工夫をしながら、
本当にマネージメント力の高い女性の先生で、結局のところ、私のイメージ、女性の先生のイメージを形作ってくれた先生なんじゃないかなと思います。
今でもあの先生の授業が視覚に訴えながらやるという授業が、今でも私の中に残っています。
そして中学校は、なんとお受験をして地元の国立大附属中学校高等学校に通うことになりまして、中高一貫校で多くの教育実習生を受け入れる学校で、
先生方もどちらかというと研究者に近いような方、非常に授業研究に熱心な方でした。
中でも印象的だったのは、中学校2年生の時に教わった国語の先生で、非常に和術が巧みで構造的な伴奏を用いて話しを、授業を進めていかれるということで、とても興味深く授業を受けました。
それから単元のまとめに書かせる作文、いわゆるパフォーマンス課題もたくさん書かせてもらいましたし、
それから詩の朗読の反対抗戦とかもあったと思います。国語は得意科目というわけではなかったんですけど、なんか国語が面白いなと思って、本当にその先生には大きく影響されましたし、
面白がって授業を受けるものですから、国語の点数がある時、85点だったんですけど、学年一番だったんですよね。
その時に国語の先生が、自分の授業で85点も取るなんてすごいと思うっていうことをクラスで、私は名指しではないんだけど、おっしゃってくれたのが、私の中ですごい自信になって、
国語っていうものに対して特別な気持ちを抱くきっかけになりました。その先生は授業中にされるたわいもない話もとても面白くて、とても引き付けられたことをよく覚えています。
それから次に高等学校では個展の授業が面白くて、文法指導は全然丁寧じゃなかったんですけれど、もう本当に畜語訳もなかったし、
ただ、要修してないと授業の面白さがわからないっていう状況だったんで、今では考えられないようなことだったんですけれども、私は勝手に自分で要修しながら、
その個展の授業を受けていました。塾に全然通っていなかった、経済的にも厳しかったので、塾に全然通っていなかった私は、
英語や数学ではもう全然他の人たちに大きく引き離されてたんだけど、個展だけはまだ対抗できて、要修していって授業を受けて、
それで勉強していって、それでテストで点取れば、そこそこいい点数が取れてたんで、辞書を引きまくって厚語訳もじり切りあって、よく授業に臨んでました。
そのうちに授業の内容がとても面白くてたまらなくなって、すっかりハマってしまったっていう感じですね。
その個展の先生が出される課題もとても面白くて、例えば清少納言と紫色部を比較しなさいとか、それから後衛の手紙とか、
授業内容と影響
それから漢詩の現代史リメイクとか、そういった当時としてはとても凝ったパフォーマンス課題だったと思うんですけれども、
その課題に大変興味を持って取り組むことができたし、自分の学習内容がそこにしっかり反映されるので、先生の評価も高くて、本当に楽しかったなっていうような思い出があります。
このように私は非常に恵まれた教育環境だったと思いますね。
そんな中で国語がとても面白いって思うようになって、国語の先生になろうという土台作りになったと思います。
でもそれ以外にも、人間形成的に非常に大きく影響されて、社会の先生なんか、中学校の1年生か2年生の時に、
「インドで暮らす」という岩学見紙書を紹介してくれまして、これ前の配信でも言ったと思うんだけど、
インドで暮らすっていう、中学生が読むような本じゃないんだけど、これがいいっていうふうに紹介されて、真面目な私はそれを間に受けて図書館で借りて読んだんだけど、
要するに民族に対する偏見というものを告発しているような、そういう目が開かれるような啓蒙的な書物だったんですけど、
これを中学校から読んだために、私の中では民族差別とか偏見とか、そういったものに対する目が新たに開かれて、
今でも帝国資本主義に対する批判っていうのは結構厳しいなって思ってます。
それから社会の先生が高校3年生の時かな、教えてくれたのは、モーパッサンの女の一生っていう本。
これはぜひ女の子に読んでほしいというふうに言われたので、真面目な私は図書館でまたモーパッサンの女の一生を借りて読むわけですけれども、
そこでは悲惨な女性の一生が描かれるわけで、そういう現実を目の当たりにして、女性として自立して生きていかなければならないということが植え付けられたわけですよね。
そういうことで本当に私はあの頃に受けた教育が、自分の進路に対しても、それから自分の人格形成についても大きく影響したなっていうことは思います。
長期的な教育の重要性
だから結局のところ、自分の保護者とか、自分の与えられた環境とか、それから果ては自分の周りにある組織とか、そういったものに対して常に批判精神を持って考えるっていう癖がついちゃってて、これは本当に良かったなっていうふうに思います。
だからやっぱり自分が受けてきた授業はやっぱりその後に大きく影響するなと思っているので、今の生徒に対しても、今は本当に何も思わないかもしれないんだけど、何年か経って、この考え方で良かったんだなとか、
あの時に教えてもらったこの教材のこの考え方っていうのは、やっぱり生きていく上で大事だったんだなっていうようなことを、生徒自身もあと何十年か経って実感してくれるような、そういうような息の長いような認識変革の授業をこれからも求めていきたいなと思っています。
あら、今日も結局真面目な話になってしまいましたかね。もっと軽い話にしていきたいと思うんですけれど、もしこんな軽い話がいいなっていうふうな希望がありましたら概要欄にリンクを貼っておきますので、そちらのメールフォーム、グーグルフォームからリクエストよろしくお願いします。
それでは今日の配信はここまでです。聞いてくださりありがとうございました。またお会いいたしましょう。