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甚大な被害をもたらす“線状降水帯”
2026-09-10 14:47

甚大な被害をもたらす“線状降水帯”

科学環境分野を中心に、テレビ番組のコメンテーターとしてもおなじみの毎日新聞客員論説委員・元村有希子が毎週気になるニュースを分かりやすく解説します。

田畑竜介
Groooooow Up

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サマリー

線状降水帯は、近年頻繁に発生し甚大な被害をもたらす気象現象です。その予測精度はまだ低いものの、気象庁は半日前予測の的中率15%、3時間以内予測の的中率30%を発表しています。しかし、予測が出た後に大雨になるケースは非常に多く、実際には高い確率で警戒が必要な状況を示唆しています。発生メカニズムの未解明さや観測網の発展途上といった課題がある一方、観測技術の向上やAIの活用により、将来的には予測精度の上昇が期待されています。気候変動の影響は今後もなくならないため、常に防災意識を持ち、適切な情報に基づいて命を守る行動をとることが重要です。

線状降水帯の定義と普及の歴史
この時間はZoom Up。毎週木曜日は科学です。
先月は千葉、石川、富山など、そして今月に入っては先日ね、名古屋。
そして岐阜などで線状降水帯が発生して、甚大な被害をもたらしています。
その線状降水帯に今日はZoom Upしていきます。
毎日新聞客員編集委員の元村有希子さんです。
元村さん、おはようございます。
おはようございます。
今年の夏もあちこちでこういう線状降水帯が発生して、甚大な被害が出てますね。
線状降水帯って聞くと、なんか頭が防災モードに切り替わる人もいるんじゃないですか。
すっかり定着した専門用語なんですけどね。
命名したのは、日本の気象庁の気象研究所の部長さんなんですよ。
でも最近でしょう、結構聞くの。
そうですね、ここ10年ぐらいですかね。
2000年頃から、いわゆる専門家、気象の研究者の間で使われ始めたと言われています。
私たちがいわゆる一般の人たちの耳に入るようになったのが、きっかけが2014年の8月。
広島での大規模な土砂災害で70人以上の方が犠牲になりましたけども、これが最初のきっかけって言うんでしょうかね。
2014年に岡山とかで西日本豪雨と言われる大雨が降りました。
2018年ですね。
2018年でしたっけ。
西日本豪雨がね。2017年に浅倉の九州北部豪雨があって、その翌年が西日本豪雨でしたね。
2018年ですね。ありがとうございます。
気象庁が例えば線状降水帯が発生しそうですって予測を発表するようになったのは4年前、2022年のことです。
ここから制度に組み込まれたというところですね。
ここから私たちの耳に聞こえてくるようになったのはこの10年ちょっとぐらいかなっていうところなんですね。
線状降水帯の予測精度とその実態
線状降水帯っていうのは、読んで字のごとく雨を降らせる石欄雲なんですけど、石欄雲が線状に帯状に連なるっていうことなんですね。
普通、夕立って言うと石欄雲が一つなんですね。
なので石欄雲が通り過ぎれば雨は上がるんですが、これが次々と連なるというのが悪質でして、
なかなか降りやまない。大雨が降り続けることから災害の危険が格段に高まると言われています。
この夏もたくさん起きましたが、8月30日現在で気象庁が成績を発表してるんですね。
例えば、半日前予測が福岡県で12時間以内に起きそうですみたいな発表をすることがあるんですけども、
この半日前予測の適中率、どれぐらいでしょうか。
何パーセントだったっけ。
低かったってのは覚えてるんですけどね。
打率で言うと1割5分。
かなり低いですね。
15パーセントですね。
53回発表してるんですけど、今年1月1日から8月30日まで。
発表した後に実際にそこで発生したのは8回でした。
53分の8ということで15パーセント。
今度は今後3時間以内に発生しますって直前予測っていうのも今年から始まってるんですね。
こちらの方が直前ということで当たりやすいと普通は素人は考えますよね。
半日だとちょっと当たらない時もあるけど、3時間以内ならちょっと当たる確率高いかなっていう気もしますが。
思いますよね。
これ的中率3割。30パーセントでした。
倍にはなってはいますけどね。
でも3割。
打率3割のバッターって言えば。
野球であれば素晴らしいバッターですけど。
災害につながる。
的中率で考えるとね。
できればもう少し高くあってほしい。
そうですね。
ただ低いようにも見えるんですけども、こういう見方もあって。
例えばこの直前予測をここに発生しそうです。
3時間以内に発生しますという発表が出てから、その後に実際洗浄香水体は発生しないけれど、実際に100ミリを超えるような、3時間雨量が100ミリを超えるような大雨になったケースっていうのはめっちゃ高いです。
53回発表したうちの48回は大雨になった。
つまりそれで見れば打率9割超です。
それは当たってますよね。
的中してると言っていいですよね。
そうなんです。
予測の難しさと情報活用のポイント
ここのからくりというのは、やっぱり洗浄香水体と断定するのに結構なハードルがあるんですね。
気象庁は4つの条件を全て満たしたときに洗浄香水体が発生しますっていうふうには公表するんですけど、
例えば4つの条件のうち3つを満たしていて、1つ満たさないと、例えば洗浄香水体と言わないみたいな、つまり大雨の状況っていうのはもう結構把握できてるわけですね。
発表しないまま実際は洗浄香水体になっちゃったみたいなこともあったりするので、
なかなか単純な台数で言うと低くなるんですけど、もう十分に大雨の条件は揃っているという状況での発表ですから、
これはもう洗浄香水体の予測が出る前にすでにもう大雨の警戒情報などが出されていることが多いんですよね。
なので私たちは洗浄香水体って言われてから動くんじゃなくて、
もともとその前にも大雨が降りそうです大変ですっていうのも2日ぐらい3日前とか2日ぐらい前から言われているので、
実際に正しい行動の仕方はその時からとりあえず災害を減らすための準備備えを始める。
洗浄香水体って言葉が聞かれ始めたら本気で備えるっていうことですよね。
そうですね。
線状降水帯予測の課題:メカニズムと観測網
このように予測がなかなか難しかったり当たりにくいということの背景についても今日説明しておきたいんですけれども、
やっぱり発生のメカニズムがまだ未解明なところが結構多いというのもあります。
だって2000年頃からの新しい現象として今データや経験値を蓄積しているところなんですね。
もう一つはですね、やっぱり未解明なことに加えて観測網がまだ発展途上と言っていいと思います。
洗浄香水体の元、つまり石乱雲の元っていうのは水蒸気ですよね。
雨の元になる。
その水蒸気を一番供給する場所っていうのは海なんですよ。
海には水がたっぷりありますよね。
気象庁、今までの長い天気予報の歴史の中で、
例えば気象衛星から見る雲の流れとかはだいぶ見えられるようになっているんですけど、
海の表面からどれぐらいの水蒸気が上に上っていくかみたいな水蒸気の三次元分布っていうのが、
なかなか正確に把握できない時代があったんですね。
特に海の上っていうのは観測装置を常に置いておくってなかなか難しくないですか。
浮遊させておかなきゃいけないですよね。難しいですよね。
難しそう。
あともう一つは、洗浄香水体って私たちの暮らしのサイズから言うと大きいですけども、
台風とかに比べたら小さくないですか。
そうですね。
局所的。
局所的なんですよね。
局所的でゲリラ的に発生しやすいっていうことが、なかなか正確な予報を阻んでいるということがあります。
観測技術の向上と将来展望
もちろんここはもう甚大な被害を何度も出していますから、
政府は予算を投じて観測の充実を図っています。
例えばもう観測の船、観測船に搭載して、この季節は綿密にデータを取るとかですね。
あとは期待されるのが気象観測衛星のひまわりですね。
これのアップデート。
今ひまわり9号が稼働しているんですけど、ひまわり15号っていうのがですね、
この綿密な精密な観測を可能にすると期待されています。
この次期気象衛星ひまわり15、30年の打ち上げを目指して今準備中です。
4年後。
4年後ですね。
ただ、すでに決まっている出来事があって、市町村単位で線上洪水災害の発生を半日前に予測するという目標があるんですよ。
それすごいですね。
ピンポイントでかなりいけそうですね。
今都道府県まで来てますからね。
そうです。この半日前市町村単位の予測っていうのが2029年の開始なんです。
打ち上げ前。
ひまわりの打ち上げる前。つまりひまわり10号は最初は当てにならないとか頼れないので、
ひまわり15号なしでも精密にデータを取れる、そういうインフラ整備を今急いでいるということです。
コンピューターの進歩も目覚ましいですし、最近は。
そうですね。
広大なデータを素早く計算する。
AIも発達してますから。
そうです。あとはたくさんの発生事例があるので、人工知能なども部分的には使って予測に役立てるというようなこともあるでしょうから、
実際のインフラの向上と経験値の蓄積、そういったものは相まって、これから多分適忠率としては上がっていくのは間違いないです。
予測精度向上と人間の心理、そして心構え
ただ、これは私たちの実感としてあるんですけど、正しく精密になってくると、今度は油断が出てくるっていうね。
なるほど。
確実に当ててくれるんだったら、それからでいいやみたいな。
なるほどね。
人間の心理っていうのは、微妙なところなので安心してしまいがちなところもあるので、そこはバランスが難しいんですよね。
結局精度がどれだけ上がっても、その情報を使うのは人間ですから、人間がそこできちんと判断できるかどうかが本当は一番大事なんですよね。
そうなんです。だから肝に銘じておきたいのは、油の温暖化とか気候変動の影響がこれからなくなることはないっていうことですね。
日常ではない気候になっているということを念頭において、なるべく命を守る行動を適切な情報をもとに取り続けるという心構え、ここだけはもう崩さずにいましょう。
そうですね。役立ててもらおうということで、一生懸命今、いろいろと整備して、ここまで今進化してきているというのは、
適中率の低さで判断するんじゃなくて、過渡期にあるというか成長段階にあるんだね。
役立てていきたいと思います。本村さんありがとうございました。
毎日新聞客員編集員の本村幸子さんでした。
14:47

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