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中部電力・浜岡原発のデータ不正
2026-09-17 12:47

中部電力・浜岡原発のデータ不正

科学環境分野を中心に、テレビ番組のコメンテーターとしてもおなじみの毎日新聞客員論説委員・元村有希子が毎週気になるニュースを分かりやすく解説します。

田畑竜介
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サマリー

中部電力の浜岡原発で発覚したデータ改ざんについて、福島第一原発事故後に厳格化された安全審査との関係から解説します。不正の背景には、長期化する審査への経営側の焦りと、現場が「安全に影響はない」と改ざんを正当化したことがあるとされます。問題は、地元住民の不信、年間1000億円に及ぶ維持費を抱える中部電力の経営リスク、専門家への信頼低下、そして原子力規制委員会の審査能力への疑念に広がっています。内部通報をきっかけに発覚したことで、政府が原発再稼働を急ぐ中、日本の安全文化や権力構造、ガバナンスの弱さも問われています。

浜岡原発データ不正の背景
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おはようございます。
日本の原発の安全審査は世界一厳しいと呼ばれています。
教訓は2011年の福島第一原発の事故ですよね。
あの時は一時は東日本が本当に人が住めなくなるんじゃないかとさえ恐れられたぐらいのインパクトのある事故でした。
それをきっかけにもともとあった審査基準をもっと厳しくしました。
原子力規制委員会が年入りに電力会社が提出したデータを調べて、
ここには穴がないのか、本当にこのぐらいのレベルでいいのかということを年入りに審査をします。
それもあって審査が長期に渡る、時間がずっとかかっていくというようなことも電力会社の間では評判が悪いんですね。
ただそれだけ年入りにしないと原発の安全は守れないということを国民全体で共有しましょうということが前提にあります。
今回のこのデータ不正は報告書が発表されて200ページに渡るものなんですけれども、
そこでその不正が生まれた背景というのはいくつか挙げられていて、
一つには長い審査に経営人が苛立って、早くしろ早く進めろというプレッシャーが現場に届いていて、
現場がそれを忖度してというかそれに促されて、本当はやっちゃいけないデータの改ざんをやっちゃったということですね。
あとは現場にも一番わかっているのは俺たちなんだと。
原子力規制委員会もそうですけれども、外からやいのやいのといろいろ言われても一番わかっているのは俺たちなんだから。
データを少々改ざんしても安全には影響ないと。
そういうふうに思い込んでいたというか、そういうふうに正当化していたということですね。
地元・経営・専門家への影響
これがどれだけ深刻かというのを4つのポイントで言いたいんですけれども、
まず一つは地元がすっごい不審に陥っているということですね。
だって自分の町に原発があって、安全です安全ですなぜならという示されていたデータが嘘だったということになるじゃないですか。
何か起きたら避難しないといけない住民が何十万人っているんですよね。
このようなマイナスからの再出発というのは相当に大変だと思います。
中部電力にしたら自分で巻いた種ということになるんですけどね。
それから2番目は経営のリスクです。
中部地方に電力を安定供給するというためにある企業ですよね。
ただ企業なんで経営が成り立たないと難しくなるわけですね。
その経営の柱の一つが原発ということで、なるべく原発を安全審査に合格して動かしたい。
動かせばお金が稼げる。
でも動かせないと動くまでの間の維持・メンテナンス費用を永遠と支払うということになるんです。
動いていないとしても核電量を抱えている議会ですから、
日々の点検とかたくさんの人数とお金をかけてやっていて、
維持費だけで年間1000億円かかっているんですよ。
それを今回反省して一旦安全審査への申請を取り下げて出直しますって言ったんですね。
つまり運転を諦めていないということです。
ただこういう状態だと審査の申請がいつ出せるかもわからない。
申請してからまた10年以上の審査期間がかかる。
その間ずっと年間1000億円ずつコストだけがかかっていくわけですよね。
こうなると、もともと信頼されて信用失墜というリスクもありますけれども、
電力事業者として他の稼ぎどころを何に見つけるのかということと、
安定供給の電力を何で生み出すかということもありますよね。
この経営リスクが2番目です。
3つ目は安全分解への配信行為ということですね。
現場の人たちは確かに大学で原子力工学とか勉強して、
原発のことをすごい詳しくわかっている専門家なんですよ。
その専門家の人たち、つまり理系の人たち、科学とか工学をやった人たちが
一番守らなきゃいけないのは、データに嘘をつかないということですよね。
そうですね。
だって科学なんだから。
それを自分の倫理観をふたして操作したりして、
それを正当化するような辺り屈をこねるということ自体が、
もう技術者とか工学者としていいわけですね。
なりますよね。
だからこれは住民の人とか周りの人から見たら、
世の中の工学者ってこんないい加減なことをしているの?というふうに
見られかねないわけですよ。
私たち専門家じゃないと難しいことがわからないから、
あなたたちに任せますけど、任せる代わりに嘘はつかないでね、
という信頼関係で成り立っている。
そうですね。
そうなんですよね。
それがもうガラガラガラっと揺らぎかねない。
この影響はかなり長いこと続くんじゃないかなと思います。
そうですね。
規制委員会と再稼働への影響
4番目の影響、これ一番私は根が深いと思いますけれども、
世界一厳しい規制基準を掲げて
厳しくやっていた原子力規制委員会が騙されていたわけですよね。
そうですね。
結果的には。
発覚の経緯は内部の人、そういう不正を見ていた人か、
社内のコンプライアンス委員会とかに言っても全然聞いてもらえないので、
原子力規制委員会に直接通報しているんですね。
だから事情を知る人が直接通報したからわかったわけで、
地面とかデータ上で誤りを見抜けないという限界を
今回露呈させてしまったんですね。
つまり世界一厳しい安全審査の金看板がメッキだったということに
つながりかねない。
そうですね。
高市政権とか今の自民党政権は原発を再稼働を急いで、
日本のエネルギーの一つの大きなベースロード電源というんですけど、
基盤にしたいわけですね。
つまり原発を最大限活用していくという方針を掲げています。
それに絶対に必要なのが安全なんですよ。
その安全の審査に大きな傷がついたという出来事の影響というのは、
相当に大きいと思います。
つまり規制委員会もこんなことがないようにということで、
さらに念入りに調べて、
今申請が出ているものに関しても相当念入りに、
嘘をついていないかまで調べなきゃいけなくなって、
さらに時間がかかる。
そうですね。
再稼働はさらに遅れる。
政府は方針を掲げている手前、
なんでこんなにノロノロしてるんだ、みたいになって、
中部電力の中で起きていたような構造が、
また政府で起きるんじゃないかということですよね。
これは中部電力だけの問題じゃなくて、
日本の安全文化とか、
そういう権力構造の弱みというのがバッと出たという、
そういう意味では本当に大きな出来事だったと私は思っているんです。
そうですね。
そういう信頼、信用ってすぐできるものじゃなくて、
コツコツコツコツ積み重ねて、
その関係性が構築されるものなのに、
一瞬で崩れてしまうというものさ。
でも本当に内部通報とかがあったのにもかかわらず、
ガバナンスが機能しなかったというところも含めて、
本当にショックが大きいですね、今回のこの一件というのは。
真面目にやっている人たちも大勢いるんですよ。
そうですよね。
大半がそうだと思うんですよ。
でもやっぱり世の中はそういうふうに優しくは見てあげられないというような状況まで
貶めてしまったという意味なんですね。
そうですね。
今日はこの中部電力の天岡原発データ改ざん不正の問題について解説してもらいました。
本村さんありがとうございました。
ありがとうございました。
この時間は毎日新聞客員編集委員の本村幸子さんでした。
12:47

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