2025/12/02
サマリー
スマトラ島や周辺のアジアでは大雨による洪水や土砂災害が頻繁に発生しており、気候変動やラニーニャ現象が影響を及ぼしています。また、日本では降水量の変化や土砂災害のリスクが高まり、地域の備えが重要視されています。
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おはようございます。花火鑑賞士、気象予報士の鶴岡慶子です。
この配信では、花火や天気、言葉に関することなどをお話ししています。
アジアの大雨と災害
スマトラ島では、先週大雨が続いて洪水と土砂災害が広い範囲で発生しました。
これまでに442人が死亡、400人以上が行方不明、避難は30万人以上に上っています。
日本人8人も一時孤立したんですが、日本の外務省によりますと、7人は無事救助されました。
本人の遺構で現地に残った1人も、健康状態は問題なく滞在を続けているということです。
さらにアジアでは同じタイミングで、タイ南部で170人死亡、
ツリランカでは355人が死亡、366人が行方不明となっています。
こんな風に大雨による災害が同時多発しています。
一つの国の異常な災害ではなく、アジア全体での現象になっています。
衛星写真を比べてみると、スマトラとアチェ州は6月の画像に比べて、
11月は海岸線が一面茶色に見えています。
これは河川の氾濫で泥水が海に流れ込んでいるということ、
それから地面が保水しきれずに一気に土砂が崩れ落ちたということ、
つまり普通の大雨では説明できない規模の増水と土砂崩れが起きているということです。
ではなぜそこまで雨が激しくなっているのかということですが、
今回の大雨は専門家はこう分析しています。
キーワードはラニーニャと地球温暖化です。
ラニーニャは数年に一度起きる自然現象ですが、
温暖化は常に底上げされた状態になっているんです。
つまり、自然現象と温暖化の増幅効果、この2つが掛け合わされて、
災害の激甚化につながっているということです。
これが近年どんどん現実になっています。
日本も例外じゃないですよね。
線上降水帯も増加しています。
記録的大雨が頻発しています。
観測史上初が毎年更新されています。
実はトータルで見ると降水量ってそんなに変わっていないんですけど、
降り方が変わっているということですね。
日本は島国で海に囲まれていますから、
アジアの話でもちょっと遠くに感じると思うんですが、
実は日本の未来の姿を先に見ているという可能性もあります。
日本の孤立と備え
温暖化が続く限り、アジア共通の課題と言えるんです。
短時間に昔の1ヶ月分が降ったりとか、
夜間に急激に水位が上がったりとか、
避難判断のタイミングが格段に難しくなっています。
災害のスピードが速い時代になっているということを、
まず私たちは頭に置く必要があります。
今回スマトラでも連日の雨で土壌が飽和していました。
土砂災害って、土壌雨量指数という指数で判断したりするんですけど、
昨日までの雨とか、その前の雨の蓄積で起きることが多いです。
日本でも今日はそんなに降っていない、
すごい強い雨じゃなかったのに崩れた、
土砂災害があったという事例はすでに増えています。
そんなに強い雨じゃなくても、だらだらと長く降っていっても、
土壌って水をたくさん含むんですよね。
その含んだところが、さっき言った指数の名前ですけど、
土壌雨量指数っていう指数に現れてくるってことでもあるんですが、
土砂災害がそうやって起きるわけですね。
前日までの雨の蓄積を見ておく習慣がとっても大事です。
スマトラでは道路寸断で日本人も孤立をしました。
日本も山間部とか温泉地、海沿いなんかは、
孤立リスクが高い地域、たくさんあります。
人ごとじゃないってことですね。
孤立の備えとして重要なのは備蓄品です。
スマホの充電手段ありますか?
飲み物や食料、備蓄はありますか?
情報を受け取れる手段ありますか?
薬や常備品、分かるようにしておいてください。
1日2日、できれば1週間、耐えられるようにしておきましょう。
豪雨の時代では避難、それから孤立に備える日本建てが必要です。
今回のインドネシアの災害というのは、
気候変動の影響がどこまで深刻になっているかというのを、
私たちに示している大きな継承でもあると思います。
ニュースをただ事実として受け取るだけじゃなくて、
地球で今何が起こっているのか、
何がどう地球は変わってきているのかというのを考えることで、
自分の地域の備えにもつなげられると思います。
大事なのは、自分の住む地域でこれが起きたらどうするかを、
想像してみることだと思います。
いざという時に命を守る大きな力になるのは、
その想像力だとも思います。
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それではまた明日。
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