1. 小松正史『耳の保養』
  2. 新しいテクノロジーは積極的に..
2024-08-15 10:03

新しいテクノロジーは積極的に使った方がよい話

新しい道具=テクノロジーを積極的に使うことで、今までできなかった作品づくりが別次元の展開になったことを何度も体験してきました。そんな事例を交えながら、新しいものが引き寄せる世界観を語ってみました。
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みなさん、おはようございます。作曲家で大学教員の小松正史です。
今日も路上からの収録となっておりますので、多少ちょっと音感覚を聞き取りづらいところがあったら申し訳ございません。
今日はですね、常に新しい技術を取り入れようという、そんな話をしてみたいなというふうに思います。
僕がですね、大学で所属しているのが、メディア表現学部という、今のAIとか様々な技術がありますよね。
コンピューター上の技術や、様々なプラットフォームの技術があると思うんですけれども、
それをうまく活用して、社会をより良くするための色々なものを社会実装していくみたいな、
そういう感じの分野の学生を育てる立場にいるわけなんですけれども、
僕はですね、結構新しいもの好きというか、色々なものを試したくなるというような、
そういうことがあって、その結果、色々とその経験をですね、学生に伝えたりしているところでございます。
でもね、もともと僕そんなに頭が柔らかくなかったんですよね。
例えば僕の作曲の活動で言うとですね、僕ってピアノが作曲のツールのメインでして、
自分で頭で出てきた曲とか断片をですね、ピアノで実際に自分で手で弾いてですね、
それをピアノで再現して、それで曲を作るということをずっとしてきました。
で、それって楽譜も使ってないんですよね。自分の記憶と身体、感覚だけで曲をですね、
特に2000年ぐらいから曲作ってますけれども、ほとんど記憶で曲が2、300曲できたっていうね、
僕の今の音楽活動、本格的に始めた音楽活動がですね、25年ぐらい経つんですけどね、
その前半部分ですかね、10年分ぐらいかな、2000年から2010年弱ぐらいまではですね、
そういうほとんど録音もですね、実際にピアノを弾いて、それをレコーディングして、
そして間違えずに弾けたやつをピックアップして、その音源を並べ替えてですね、
人にミックスマスタリングをお願いしてたっていう、そういう時期が結構ありました。
なので僕としては作曲を感覚的にね、鼻歌的にやってですね、
それを曲を作るということで、ピアノで演奏して、それで作っていくっていうことをやってました。
このスタンス、今でも全く変わらないんですけども、
ちょっと変化した、ツールを使っていったっていう、そういう時期の話をちょっとしましょうかね。
それで2006年なんですけども、京都タワーの展望室の曲を作るときにですね、
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僕の実家に雛人形があってですね、その雛人形を直される雛人形師さんが、
僕の家の近くにいらっしゃるんですよ、京都市内の。
今亡くなっちゃったんですけど、その方がですね、伝統工芸師さんなんですよね。
雛人形の伝統工芸師、日本でも京都でもそういらっしゃらない方の一人なんですけども、
その方といろいろね、クリエイティブな話をするのが好きで、
ちょこちょこお店というか、仕事場にちょっとお邪魔してたことがあったんですけど、
そんな時に、ちょっと新しいものを使っても面白いんじゃないかな、みたいなことをおっしゃってたんですよね。
そんな伝統工芸のね、携わる超トップクラスの方にそんな風に言われて、
そうなのか、新しい道具使ってもいいのか、みたいなことで思ったのがですね、
今の今日の話の繋がりなんですけど、それで簡単に言うとですね、
今までやってたピアノの録音みたいなローティックみたいなやり方をですね、ちょっと変えて、
コンピューターで作ろうかなというふうにちょっと思い立ったんですよね。
もともとコンピューターは割と音の録音とか、統計解析とか文章作成とかで、
ずっと大学生の頃からコンピューターは使っていたんですけれども、
いまいちね、DTMみたいなサウンド、デスクトップミュージックというコンピューターで色々と曲を作ったりすることに、
結構怪異的だったんですよね。
そんなので曲作れるのかなっていうような、
一回性で弾くのに意味があるんだろう、みたいなすごく頭の堅い考え方してたんですけども、
そうじゃなくて、そこで人形師の方から言われたことを応用するとですね、
ちょっと新しいのを作ってみようかなということで、
コンピューター上に打ち込んで演奏ですよ。
演奏を打ち込んで編集した曲を、音源を作ったんですね。
試しに、もうめちゃくちゃ試しです。
それが京都アイメンスという、京都界隈の環境音楽の歴史を塗り替えたと言われている1枚なんですけど、
いまだに京都タワーの展望室で流れてますけど、
それを使った、PC使って曲制作したのがですね、始まりというね。
それでやってみたらですね、めちゃくちゃいいんですよ。
意外とというか、今まで頭で記憶してて、
頭の中で貼り付け合わせていたことがですね、
もう外在的というか、コンピューターの画面でそれできるわけですから、
ちょっとしたミスも修正できますからね。
こんな便利なものなのかと思って、そうしたものって聞いてみると、
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魂がないんじゃないかっていうふうに僕ずっと思ってたんですけど、
いやいや、そんなことないなというのを実感したのがですね、
京都タワー展望室のために作った2006年ね。
リリースが2007年になりますけど、その音源だったんですね。
それ以来、両方併用しましたね。
コンピューターで作るものが大体6、7割ぐらいかな。
そして自分で録音した曲の作り方ももちろんありますからね。
即興演奏のグランドピアノで弾くのはやっぱり、
そういうコンピューターの部分を超えた自分の身体性の極みみたいな
そういう音源作ったりしてますから、
そういうふうに使い分けをしていったっていうのがあったりします。
最近だとですね、ミックス、マスタリングという音の調整、
最終的なアウトプットの段階があるんですけどね。
それは最近はほとんどAI使って、僕が全部やってますね。
ミックスもやるし、マスタリングもやるというような、
そういう曲を製品化した時にデジタル配信してるんですけど、
その時にやっぱりすごいシビアな計算とかレベル調整を求められるんですよ。
それって人間が獲得できるようなレベルじゃないので、
そこは機械に任せるのが一番だなというふうに僕は思ってまして、
結果的に音はめちゃくちゃ良いです。
しかもレベル間隔も整っているので、とても聴きやすいですし、
製品としてもやっぱり機械を使わないとできないぐらいです。
特にAIを使わないとできないぐらいな感じになっていて、
それはもう実感として、やっぱりテクノロジーは使うしかないな。
使わないと取り残されるというか、曲ができないですよね。
そんなふうにして、どんどん人形師さんの言葉一つで、
自分の音楽制作とかコンテンツ作りのやり方も変わってきましたし、
しかもそこから学部の方も、もともと人文学部にいたのが、
コンテンツ系というかメディア系に変わっていたのもやっぱり、
今思えばその一言、新しい道具を使ってみてもいいんじゃないかなみたいな、
そこのスタンスというのがとても重要なのかなというふうな感じがしますよね。
最近で言うと、音声配信にしても文章を文字化したりとか、
声を文字化したり文章化したりするのもやっぱりAIを使ってやっているので、
それが前にお伝えしたように音声の配信の方よりも増えていっているとか、
見ていただいているというところがあるので、十分活用はしているとは思うんですけども、
そんなふうに最後のまとめになりますけども、
いろいろな道具とかものを作るアプローチというのは、
一つにこだまっているんじゃなくて、いろいろなものを変容していくことがめちゃくちゃ大事というか、
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これはいい、これはダメというよりも、自分が実際に自分のアウトプットをするときに使っていって、
それを良し悪しを自分の肌感覚で実感して、それを使うのか使わないのかを決めていきつつ実践する。
何でも使ってみないとわからないんですよね。
なのでそんな感じのスタンスでものを作っている。
今も作っている段階ですけども、強く言えるのはやっぱり自分の道具というのは、
今あるものを有効に活用して使わないともったいないんじゃないかなという感じがするし、
そのあたりは皆さんもどんどんフロンティアというか開拓者というか、
そんな感じでいろいろ取り組んでいただけたらいいかなと思って、
今日は新しいツールを使うことによって広がる世界みたいなものを話しました。
それでは今日も失礼いたします。
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