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2025-12-03 13:06

【映画】文字は音楽だった。坂本龍一『diaries』の行間に聴く「命の響き」

日記の朗読から立ち上がるのは、意味よりも切実な彼の「生き様」。行間に滲む静寂と波動を、全身で受け止めた記録映画を鑑賞した印象について。
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サマリー

坂本龍一のドキュメンタリー映画『diaries』では、彼の音楽活動や病との闘いが描かれています。シンプルな日記の描写を通じて、彼の深い感情が伝わってきます。特に朗読や映像が組み合わさることで、観客は坂本氏自身の命の響きを感じることができます。

映画の概要
はい、お疲れ様です。小松でございます。
今ね、6時半、夜、夕方なんですけど、
映画を観てね、その帰りの道中ということでね、
ちょっと喋ってみます。
えっとですね、観てきたのは、ドキュメンタリー映画ですね。
坂本龍一さんの最後のね、3年半ぐらいの
ドキュメンタリーの映画で、タイトルがですね、
【diaries】っていうね、日記を中心にした、日記のテキストを中心にした
映画だったんですけど、映画というよりドキュメンタリーですね。
素材というか、坂本龍一さんの、もちろん映像ですよね。
そして坂本龍一さんの日記、音楽、周辺の人のインタビューっていう感じで
展開してるやつなんですけども、
ドキュメンタリーが僕すごく好きで、割とたくさん観てきたんですけど、
今回のはですね、受け手とか読み手、聞き手にすごく
重ねるような感じのやり方だったかなと思いました。
時系列的に、2019年の12月上旬ぐらいから始まってましたけど、
2019、1211みたいな、そういう数字が8桁で、
写真であるとか日記であるとか、ドキュメンタリーの映像の立て付けになっているわけなんですね。
それでどんどんどんどんがんが宣告されたのが、2019年の末とかね、
2020年の末か、12月だったかな。
肝臓がんで腫瘍が3センチほどが見つかってっていうような、
その時の心の変容みたいなところも日記で、日記って言ってもすごく短い日記ですね。
長いんじゃなくって本当に1行2行とか、最後の日記はちょっとネタバレになってしまいますけど、
日記の表現
本当に数値が書いてあるとかですね、そういうシンプルなところなんですけども、
シンプルがゆえに何か受け手に強く感じさせるというかですね、歓喜させるものがすごくあるなと思いました。
それで日記の提示の仕方っていうのは、坂本隆一さんの実際のメモというかね、
メモ的な日記の字ですよね。
それと並行してアプリですね。
iPhoneとかのアプリでテキストで書いてある字ですね。
画面上の字もありますしね。
本人のしゃべりももちろんありますしね。
そういうふうにテキストを中心にたどっていくような、そういうドキュメンタリーなんですね。
一つの軸に命を吹きかけているのは朗読というか、その日記を淡々と伝えるというか、描写して朗読されるお声ですね。
田中敏さんというダンサーの方なんですけどね、何とも言えない独特の渋みと冷静さというか、
温かみと冷静さがある中間地点っぽいしゃべりなんですけど、その方がずっと同じトーンでナレーションですね。
多分視線としては坂本さんと見てる人の間に立ったようなしゃべり方ですね。
そんなような感じがしましたね。
中間地点で接続しているようなしゃべり、そういう感じの表現というか、発音のされ方をしているなというふうに思いました。
そこで淡々と見ていくというか、途中で演奏があったりとか、様々なところでピアノをライブで弾く姿であるとか、
自宅での音楽制作の中で鍵盤を触ったり、PC、Macを触ったりされるようなところもあったりとか、すごくカメラが近い感じがしましたね。
動画で伝えられないところは静止画というかね、スチール写真で補っているところもあって、
割とたくさん映像の素材が入っているんだけど、バラバラになるんじゃなくてですね、
本当に集中というか厳選して伝えている。
その都度の場面とか風景にふさわしいものを写真で、坂本さんが撮られた写真もだし、
おそらく今回作られた方が撮った写真もあると思うんですけど、そこはパッと見れているという、
行間を読ませるような感じの雰囲気でしたね。
中身のことはあまりしゃべるとネタバレだから、これ以上伝えづらいと思うんだけど、
音楽との関係
やっぱりBを伝えたいというかね、坂本リーさんはものすごくメディアにも露出されているし、
YMO中心に様々な履歴、ご経歴がおありなので、すごく表に立たれる、華のある方ですよね。
それであるがゆえにズーが多い仕事があったというか、かなりご無理されたところもあるかもしれないんですけど、
そういうズーがとても多い中で、お忙しくされている中で、今回は病室であるとか、
ご自宅の音楽室とか空間もあるように、やっぱりBの中での、Bを基盤にした坂本さんの生き様みたいなものね。
最後の生き様。僕はもう本当に計り知れないですけど、
死の戦国、そしてその辺りの心の葛藤、そのような生々しいところ。
ただ生々しいというよりも、淡々と表現されているので、そこまで情感がグワッと来るというようなものではないですね。
それがないからこそ自分の中でググッと来る感情とかそういうものはありましたね。
あまり情報が多すぎると、どうしても引っ張られちゃうんですよね。
そうじゃなくて、自分なりの受け手がそれぞれ思われるような捉え方ができるような、すごくいい空間があるというか、そういう感じの映画だったですね。
ところどころで、本当にBを感じるというか、そういうところで感じましたね。
坂本さんのお父様が有名な出版社の編集をされている方で、その影響もおありになって、本がすごく好きだったり造形が深かったりするんですね、坂本さん本人もね。
そのあたりの本の紹介とかもちょっとあったりとか、本当に活字が割と多い感覚があります。
ただですね、活字っていうのは特に小説側の典型的なんだけども、テキストそのものを情報として見ていくようなものっていう、そういう考え方はもちろんありますけれども、
そこから滲み出るパラレルワールドっていうんですかね、活字そのものから出てくるような質感みたいなもの、それを感じさせるような展開っていうのが今回はすごく強く感じましたね。
響きって僕よく言ってるけれども、意味というよりも音を響きとして全身で浴びていくっていう、この音声配信もテキストでこの内容を把握される方もいれば、あえて小松の声で聞きたいなっていう方もいらっしゃると思うんですけれども、
そういう声というか響きとして日記が立体的に浮かび上がってくる感じがしましたね。それによってやっぱり人って生身の人間、そして感情を揺さぶり合うような人間同士なので、やっぱり惹かれるよね。
そのあたりがですね、今回のダイアリーズっていう映画の中ではすごくほとばしっていうような感じがありましたね。そこのあたりがどうしても見てみないとわからないというか、パンフレットもあったりテキストもあるんですけれども、
やっぱ田中さんの声が残ってますね。田中みんさんの声が。何とも言えない距離感なんですよね。人それぞれ声の特質はあって、音質とかね、喋り方とかありますけど、そこで感じる感覚っていうのがすごく良かったかなっていうね。
100分ぐらいの映画なので、それほど長くはないんですけど、途中途中ね、最後の映像、オーパスの映画の何曲かがそこでそのままたっぷりと見るような感じの展開があったりとかですね、そういうところがありますけれども。
なんかそうですね、僕はテキスト的にすごくあの弾かれるとすればピアノと坂本さんの向き方が向かい方が結構ねすごく共感しましたね。何かというとピアノっていうのはまあ身近でありダイレクトなんだっていうことをちょっと中でおっしゃられてですね。
ピアノ、僕はずっとね小さい頃から鍵盤楽器を弾いたりしてるわけですけど、なんで弾かれるかっていうのはやっぱり親しみがあるとか近いんですよね。近いところにすぐ音の鳴るような楽器があって、しかもそれがですね近いしダイレクトに伝わるというか指を動かして一切すればですね音が出るわけですから。
そんなあたりがねピアノの本当最大の魅力っていう、そこがねすごくね僕は共感したかなっていう感じですね。しかもねあのがんというもう本当になかなかこう厳しい病の中で音楽やってる時、楽器触ってる時がそのことを忘れられるっていうね、やっぱ心に自分の心に響くっていうことですよね。自分のその弾いた曲が演奏がね。
そこってすごくね、あの音楽することの本質の意味ですよね。Doでやるんじゃなくて、やっぱBとして確認するというか確かめるっていうことで弾くわけじゃないですか。僕もそういうところすごく大事にしてるので、今ねちょっと弾くことがあんまりないというか、あえて距離とってますけど、大切であるがゆえに距離をとってるというかね。別にあの距離というか意図的にしてるわけじゃなくて、今弾く時期じゃないなってすごく思うので。
距離を置いてますけれども、またピアノが好きになったらですね、また同じように定期的に関わっていくとますます好きになるだろうなーっていうのがすごく実感されたというか、次の自分の音楽人生、音楽制作、音楽表現の中でやっぱりすごくその都度思い出すことをしたい映画かなって思いましたんで。
ぜひともね皆さんも12月の最初頃までやってるので、機会があれば坂本隆一さんのダイアリー図、それをまた見る方は見ていただければと思います。それでは失礼いたします。
13:06

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