今回の研究はルーマニアの研究者がやっているので、ルーマニア語の知なんですけど、
もちろんと言っていいのかな、俳句にはあまりないんだけども、
リズムがあったりとか、あとは韻ですね。
韻も俳句にはあまりないんだけども、韻を踏む、踏まないというその区別が、
記憶の定着にどう影響しているかということを調べています。
あとはいくつか観点があって、感情ですね。感情の高まり、
特に覚醒度って我々は言ったりしますけど、より覚醒する、逆は眠くなるみたいなことですけど、
覚醒する、その感情の高まりみたいなものが記憶の定着につながっているんじゃないかとか、
あとは個人差としての聴覚イメージ能力というものも聞いています。
これは個人差ですよ。自分とこれを聞いている皆さんの聴覚イメージの鮮明度の違いみたいなのを質問して測れるわけです。
例えば、家のインターホンが鳴るみたいなことを言われたときに、
イメージできましたか?今聴覚で再現できるというか、頭の中で鳴っている感じが鳴りましたかということとか、
セミの鳴き声とかね、川のせせらぎとか、この間の小松先生との対談じゃないですけど、
そういったいろんな音を、その言葉を聞くだけでイメージできるかという聴覚イメージ能力というのがあるんですけど、
それも高い人の方が詩の記憶、成績良さそうじゃないですか、ということとかを調べています。
やったこととしては、170名ぐらいの参加者の人にひたすら詩を読んでもらって、
各行の、配句ほど短くないので、基本的には何行とか十何行とかで構成されている詩を何遍も読んでもらうんですけど、
何遍もってややこしいな、いくつもね、いろんな種類の詩を読んでもらうんですけど、
その詩の各行の感情の高まりみたいなことを評価させます。結構大変ですよね、やってもらうと。
ブラストで、そもそも詩に改編を加えて、韻が踏まれているところを、
意味はほとんど変わらないんだけども、言葉を変えることによって韻を踏ませなくするという、
そういった改編を加えたバージョンというのを用意して、その韻の効果を調べたりとかしている、そんな研究になっています。
大事な話を忘れていました。それを読んだ後に、今度は記憶のテストですね。
オリジナルの詩のある行を、さっき読んだ詩の中で使われていたのはどっちですかという感じで、
実際に使われていた行と、それをちょっと改編した、またここでも改編した行を見せて、
実際に使われていたのはどっちでしたかということを聞くようなこともしています。
なんとなくわかりましたかね。そんなに難しいことはしていないと思います。
詩を読んで感情の評価してもらって、記憶テストをしてもらうという、そういった流れです。
結果いきましょう。まずは韻の効果です。
韻のある詩、というか行ですね。各行で記憶のテストをしていたので、
韻のある詩の行というのは、韻のない詩の行よりも正しく覚え出されやすかったというのが結果になっています。
これはなんとなくこれまで言われてきたことを確かにそうなんだということを実験で明らかにした、とても重要な結果かなと思います。
詩の応韻というのは、とても記憶の定着に役立っているということです。
これね、次の結果個人的にめっちゃ面白いんですけど、個人的にね、マニアックかも。
韻って一行だけで韻を踏んだって言わないわけですよ。もちろん一行の中だけで韻を踏めるんですけど、
そうじゃなくて大体の詩って、特に英語とか今回ルーマニア語も大体そうだと思うんですけど、
前の行とか前の前の行とかの同じ語尾みたいなものをもう一回持ってくるわけですよね。
だから一行だけで完成するというよりも、前の行があってもう一回出てくることによって、
あ、韻が踏まれたなってわかるわけです。
この時に後に出てきた行よりも前に出てきた行、だから一回目に出てきた時の記憶成績の方が良かったですよね。
韻の効果がより強かったというのが研究結果になっています。
面白くないですか。
なんでこういうことが起こっているかというと、一回目出てくるじゃないですか。
その後にもう一回出てくる。もう一回出てくるって別に内容は違うんだけども、
この韻が踏まれたことによって前の行がもう一度活性化するわけですよ。
再活性化って言葉使われてましたね。