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2025-12-13 13:29

#855【アクセント差別】非ネイティブスピーチはエンゲージメントが低い (Zewail et al., 2025)

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【本日の一語】
アクセント差別 (accentism):話し方や発音の違い(アクセント)を手がかりに、話者の能力・信頼性・好意度などを不当に低く評価したり、不利益な扱いをすること

【本日の論文】
Zewail, A., Sepehri, A., Boghrati, R., & Atari, M. (2025). Public speakers with nonnative accents garner less engagement. Psychological Science, 1–14. https://doi.org/10.1177/09567976251398471

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サマリー

このエピソードでは、英語を母国語としない話者のアクセント差別がエンゲージメントに与える影響について探求されています。特にテッドトークを用いた研究データに基づき、アクセントの違いが視聴数やいいね数にどのように影響するかが詳しく説明されています。研究結果によれば、アクセントがエンゲージメントに影響を及ぼし、非標準アクセントやペルシアアクセントを持つ場合、エンゲージメント意図が低くなることが示されています。

アクセント差別の概要と研究背景
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。
今日の一語は、アクセント差別という言葉です。
私も初めて聞いたんですけど、英語の非ネイティブの人が話すスピーチというのがネイティブの人と比べてどうなのかということを調べた。
面白い研究になっています。方法論が新しくてすごく勉強になりました。
ぜひ聞いていってもらえれば嬉しいです。
先にお知らせをさせていただきたいと思うんですが、また今週も生配信をしたいと思っております。
明日の16時から生配信をしたいと思います。
近況を報告したりコメントを返したりしたいので、ぜひ集まっていただけると嬉しいです。よろしくお願いします。
今日の一語、アクセント差別とは何かというところなんですが、英語だとアクセンティズムという言葉があるみたいです。
本当に初めて聞きました。話し方や発音の違いを手がかりに、話者の能力、信頼性、好意度などを不当に低く評価したり、不利益な扱いをすることを指します。
今回の研究はスピーチ環境、特に公共でのスピーチ、本当にいろんな人が見るようなスピーチ環境において、エンゲージメントにどうつながるかということを調べた研究です。
お馴染み、お馴染みというかみんな大好き、テッドトークをまずは研究1で使ってまして、その後の追従する研究でもうちょっと実験的なことをしてます。
このテッドトークの研究がすごく面白くて、データ数的には5367本のテッドトークを使っています。
文字起こしの合計語数は927万5、1本の放送あたり大体1705ぐらいを使っているそうです。
テッドって視聴数もそうですし、あとはいいね数ですね。
この視聴数といいね数がエンゲージメントの指標になっています。
ここまでは結構わかるかなと思います。
一番今回見たい変数としてはアクセントの違い。
これが計算できるみたいですね。
PythonのMyProsodyという関数パッケージを使って発音スコアを推定することができるそうです。
これは誰でもできると思うので、自分のやつもやってほしいなと思うんですけど、現実を見るのが怖いので。
あれですが計算できると。
100がネイティブだとすると、そこからの100から差し引いてというスコア化の仕方をしているのか。
だから高いほど非母語的であると非ネイティブ的な発音であるというふうに点数ができるそうです。
さっき言った5000、何百本みたいなテッドの音声を使って数値化しているということです。
ここからもすごい面白くて、非ネイティブということはアクセント以外にもいろんな要素が違うわけですよね。
その要素をできるだけ潰していくという作業をします。
統計を使ういろんな学問で、本当に肝になっている部分かなと思います。
例えばトピックですね。
トピックを絞るので、文字起こししたものを自然言語処理で解析をするということです。
トピック数も計算するときに絞ることができて、この例えば10分の話の中で20トピックに絞るとすると、
前半では教育の話をしていて、途中では企業の話をしていて、
途中では自然言語の話をしていて、その後に自然言語の話をしているときに絞ることができるようになっています。
例えば10分の話の中で20トピックに絞るとすると、
前半では教育の話をしていて、途中では企業の話をして、みたいなトピックがわかるわけですよね。
そのトピックによってエンゲージメントが変わりそうじゃないですか。
だから、なかなか言い当てることは難しいんですけど、ネイティブほど面白いトピックを話しているみたいなことになったら、
それってトピックがよりエンゲージメントを説明しているはずなので、予測しているはずなので、その要因を潰すことをします。
研究結果の分析
なのでトピックをこのモデルに入れる計算の統計に入れる。
そうするとトピックじゃないネイティブのアクセントの部分だけ抽出できる。
これは一例ですね。他にもいろいろ面白いので、ここだけ話したかったんですけどね。
他には写真から人種を推定する。
5千何百本というデータ数になると、5千くらいだったら何とか人理系できなくもないんですけど、こういうサブ的な変数じゃないですか。
こういうサブ的な変数はAIを使ったりするととても便利ということで、しゃべっている人の写真から人種を特定する。
白人か非白人かみたいな、これぐらいだったら確かに精度がとても高そうなので使えると。
ネイティブはおそらく白人の方が相対的には多いはずじゃないですか。
だから白人の方が話しているからエンゲージメントが高いんだという理由を潰すのがこの人種の話。
これはすごく重要なところだと思いますし、あとは名前からジェンダーゲッサーというジェンダーを予測する。
これも多分AIだと思うんですけど、精度どれくらいかわかりませんが、性別もデータとして入れる。
これも潰す。
次の面白くて、これ全部面白いですよね。
知名度を今度潰します。
これどうするかというと、Google検索で結果件数、例えば筆割人平というふうに調べたら何件ヘッドするんでしょうか。
やってみるか。
余談がすごいけどいいや。
今って件数パッと出てくるんでしたっけ。
どこに書いてるんだろう。
ちょっとわかんないや。
Googleには出てきませんが、この件数がわかるじゃないですか。
この件数でそれをデータに入れる。
なのでネイティブほど知名度が高い人が多くてっていう理由を潰すということです。
こういうことをどんどんやっていくと、今回見たかったアクセントの非ネイティブ具合というのが、
エンゲージメントに与える影響だけをということは言えないんですよ。
無限にそういうのってあるので。
でもできるだけ考えつくことをできる方法で消していくということが、
本当にこれ研究者の腕の見せどころかなと思うので、
個人的にはめちゃくちゃワクワクしてこの論文読んでました。
あともっと簡単なところで言うと、動画の長さももちろん投税で入れるし、
公開した年数、古い方がいい年数多そうじゃないですか、みたいなのももちろん入れるし、
テッドに掲載された日数とかも入れるし、
こういうのを全部入れてどうなんだということを調べる。
結構もう既に満足しちゃってるんですけど、
結果を言うと、仮説通りですね。
やはりアクセントスコアが高い、非ネイティブ度が高いほど、
視聴数、いい年数ともに低い傾向があったそうです。
とても非ネイティブで英語を喋らないといけない、
たまにスピーチをしないといけない顔としては残念な結果なんですけども、
しょうがないなとも思う、しょうがないなとも思うという結果でした。
これがまず1個目で言いたかったこと。
アクセントの影響
こういう現実場面のデータを使ってやるというのはすごく面白いなと思います。
この後は実験のほうですよ。
こういう事象が現実場面で確認されたので、
本当にそれだけに絞ってやってみようということをします。
研究にはどういうことをしたかというと、
同一人物が同一のテッド風のスペースで、
テッド風のスクリプトを読み上げるということをします。
アメリカアクセント、カナダアクセント、
あとはペルシアアクセントのバージョンを作成するそうです。
これは音声のみで内容となおさ揃えるということをします。
音声だけなんでもちろん顔とかは関係ないですし、
同一人物がってどういうことなんだろう。
アクセントを喋れる人いますよね、いろんな。
そういうことなのかな。
要素を極限に減らして、
非ネイティブアクセントの影響を調べるということをします。
実験ではメカニズム的なことも知りたいので、
他にもいろいろ聞いています。
まずはエンゲージメントでいうと、
面白い、どれくらい面白いかと思ったか。
いいねしたいと思ったか。
この音声をシェアしたいと思ったか。
これがエンゲージメントの指標になります。
他にも理解のしやすさということを聞いてみたりとか、
あとはどれくらいこの話し方が暖かいと思ったかという、
なんていうんですかね、
ウォームスそのままか、
暖かさを聞いたりとか、
あとはこの人は有能、知能がある、知識があるみたいなことも聞いたりします。
ということをすることによってわかったことが、
やはり非標準アクセント、
こういうとペルシャーアクセントの方が
エンゲージメント意図が低くなりやすいそうです。
これが何で説明されるかというと、
先ほど言った暖かさ、
非ネイティブアクセントの音声だと暖かさの低いところが
アクセントの音声だと暖かさの評価が低くて、
だからエンゲージメント意図も低くなるという関係性です。
これちょっと因果関係までは媒介分析言えないので、
これがなかなかややこしいところなんですけど、
関係性としてはそういう続く関係になっていたと。
あとは理解のしやすさもそうで、
非標準アクセント、非ネイティブアクセントは
理解がしにくくてエンゲージメントが低くなるということですね。
同じことをしゃべっているんだけども、
そこの処理の流暢性といったりしますけど、
残念ながら低くなるというのがわかったというのが
今回の研究結果でございました。
研究者の視点
研究結果は割と自分にとっては重要なんですけど、
あまり気にしなくてもいいのかなと思います。
もうしょうがないしね。
伝わればいいんじゃないですか。
伝わるように心を込めて話すのを意識して、
もちろん僕もまだまだ英語に苦手意識があって、
うまくいかないなと思うことがいつもなんですけど、
頑張りたいなと思うというのが結果的な感想ですね。
あとは方法論的な感想でいうと、
変数の作り方が痺れますね。
こういうのを読むと研究っていいなと思うね。
論文を読んで勉強して、
これを今度また自分の研究に活かすということを
してみたいなと思いました。
顔写真から人種を測定してとか、
知名度をGoogle検索の検索数で指標化してとか、
考えつくと思えば考えつくかもだけどね、
美しいなと思いました。
そういうの伝わっていたらいいんですけどね、
この興奮が。
ちょっとでも変やな。
でもまあいいか。
研究者が話す意義ってそこにあるんじゃないですかね。
内容だけ話してこういう結果でしたっていうのは、
論文を読めば誰でも分かるっちゃ分かると思うんですけど、
ここが肝ですよと。
ここがこの論文の
一番輝いている部分ですよというのが
自分の仕事かなと思ってますので。
たまにお付き合いいただけると嬉しいです。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
陳平でした。心を込めて。
13:29

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