混合感情の定義と研究の目的
おはようございます、心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語の司官です。この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。
今日の一語は、混合感情という言葉です。混合感情というのは、互いに価値付け、感情化といったりしますね。
価値付けの異なる感情、例えばポジティブとネガティブが同時に一つの対象に対して経験される感情状態のことを指します。
ポジティブとネガティブ、幸せと悲しみ、恐怖と安心感、恐怖と喜び、いろいろパターンはあるんですけど、そういうのを混合感情と言ったりします。
今日は絵画の研究を紹介しようと思います。専門にすごく近い論文で、近日中にこの論文を書いた方と対談することになっておりまして、
ホスさんという方なんですけど、関西大学に今いらっしゃいますが、ホスさんと対談するので、その予習で今日は紹介したいと思います。
対談はレコーディングで行われるので、ちょっと生配信はないんですけど、楽しみにしていただけると嬉しいです。
今後感情というのは結構自分もずっとやってきているというか、何を今後感情とするかという感じなんですけど、
例えばたまに話に出している懐かしさ、ノスタルジアという感情は、ネガティブな感情とポジティブな感情が混ざっているような感情であると、
過去のもう取り戻せないような経験が懐かしさにつながる。そういうちょっとほろ苦さもありながら、
基本的にはポジティブな価値感情化を持っているというので結構混合しているような話で使っていたりしました。
今回は絵画の研究なんですけど、ありそうでなかなかないというのがホスさんたちの注目したところで、
混合感情の研究って例えば詩の研究であるとか、動画とか映画の研究、音楽の研究とかでより多くなされていて、
視覚刺激、絵画のような視覚芸術においては意外と減られていないというのでやったみたいです。
日本人1000人くらいの方に356点の絵画を見せたそうです。
これもなかなか面白くて、ウィーンの大学に自分たちの分野がすごく強い研究室があるんですけど、
そこがウィーン絵画システムみたいなシステムを作っていなくて、
そこで自由に研究に使って絵画を集めている、データベースみたいにしている、それを使ったそうです。
なので基本的には西洋の絵画なのかなと思います。
それらをひたすら評価していくというので、7つの観点があります。
ポジティブが3つ、ネガティブが3つ、あと美しさですね。
ポジティブは楽しさ、幸福感、あと快、心良さの快です。
ネガティブな感情が悲しみ、恐怖、嫌悪という3つです。
美しさは美しさを聞くと。
そうすると、単純にネガティブな方とポジティブな方が一緒にどれくらい評価されるかということが分かるわけですし、
あとは別の分析方法を使って、どの感情が一緒に出てきやすいかみたいなことも調べているという論文研究になっています。
結果がリッチでボリューミーなので、本当に簡単に今日は紹介して、細かいところはホスさんに分かりやすく説明していただきたいなと思っています。
まずは、美しさとネガティブ感情がどれくらい一緒に出るかというところなんですけど、結論に言うとかなり一緒に出るようです。
絵画における感情の評価結果
もちろんポジティブな感情と美しさというのは関連しやすいんですけど、そうだけじゃなくてネガティブな感情もかなり一緒に供給するということです。
特に美しさと悲しみ、悲しい美、美しさと恐怖、恐ろしい美みたいなものがよく現れた。
一方で嫌悪ですね。三つあるというので言ったんですけど、嫌悪はあまり一緒に出てこないという、これもなかなか面白い結果かなと思います。
ちなみに、ジャンルごとの分析もされていて、それも面白いんですよね。
悲しみと美は風景画で特に強い、しみじみとしたメランコリックな美しさというふうに表現されていたりとか、
あとは恐怖と美というのは人物画とか、ゴアとか結構怖い絵とかあるじゃないですか。
ああいうので恐怖と美を同時に感じるというのはあり得るので、人物画とか場面の絵が多かったみたいです。
風景画、人物画みたいなところでもちょっと特徴が違うのも面白いなと思いますし、
嫌悪というのは美しさと関わりにくいというのも興味深い結果かなと思います。
あとはポジティブ感情も聞いていたわけですよね。
幸福とか楽しいとか、そういったポジティブな感情とネガティブな感情というのの混合があまり強くなかったというのが一つ注目すべき結果かなと。
楽しいとか幸福というのはあまり強く混合しないんですけど、美しさは一緒に出るというのはさっき言った通りですね。
だからこの混合感情というのを絵画の文脈で考えたときに結構美しさというのがハブになっている。
美しさと悲しさ、美しさと恐怖みたいな感じで一緒に出やすい。
一方で楽しさと恐怖とか楽しさと幸福と恐怖とか幸福と悲しいみたいなのが同時に出るということはそんなに顕著には出てこなかったというのが面白いところかなというふうに思います。
そういう感じで今日のところは予備にしようかな。
長いんですよね、この論文。
どんだけ丁寧に分析するんだっていうこと。
27ページある。
なかなかこの量で論文書くこと少ないんで、いつも10ページぐらいの論文しか書かないんですごいなと思います。
本人に聞けるので何か質問とかあったらぜひ置いておいてもらえると。
まだまだ明日からしゃべるの。
何かしらの手段で聞きたいと思いますので、そういう絵画とか今後漢字に興味ある方はコメントいただけると嬉しいです。
やっぱり芸術とか絵画のみならずですけど、芸術の面白さってここかなっていうところの一つなんですよね、ずっと。
ネガティブな感情っていうのが、普段の生活とかだったら感じたくないじゃないですか。
悲しい気持ちにできるだけなりたくない。
なりたい人ももしかしたらいるかもしれないけども、なりたくないっていうところだと思うんですけど、
絵画とか芸術とかだとそういう感情すらも体験の一つとして価値のあるものだし、
それがさらに芸術体験とか評価を高めてるんだと思うと、
研究しがいがあるなというのは強く思いますので。
簡単に言うと自分の研究でも今後感情みたいなのをちゃんと今度測ろうかなというのを考えている次第ですと。
例えば生け花とかね、無情感とかと、
この間の研究結果が関連していないとか、
そういういずれ散ってしまうとかね、
寂しさみたいな、まあビサビじゃないけど、
そういったものの一端を今後感情という指標で測れたら面白いのかなと思っているので、
今度ね、大学に行って、
最後まで来てくださってありがとうございました。
今日もいい1日にしていきましょう。
陣平でした。
これからもよろしくお願いします。
ありがとうございました。
心を込めて。