ポジティビティ問題の研究
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では心理学の専門用語を毎日一つずつ紹介しています。
今日の一語は、ポジティビティ問題という言葉です。
オンラインレビューの論文なんですけれども、オンラインレビューが過度に高評価へ偏っているために、
どれが本当に先行するかを星評価だけで見分けられなくなる問題のことをここでは言っています。
星評価は、例えばAmazonのレビュー、あれも5段階ですよね。
4点なんぼだったら結構いいなとか、僕のよく使っている映画レビューのフィルマークスというサイトもあれも5点満点ですね。
星をつけるわけですよね。星をつけて、その後にレビューをする。
Googleマップとかだったら星5個だし、Booking.comだったら10個だったりとか、ちょっと例を出しすぎるとあれですけど。
いろんなところで星評価とレビューというのをセットになって提示されているということがあると思うんですけど、
それが星評価がそんなに効かないんじゃないかというところの問題から始まった研究になっています。
レビューを使って、最近は分析の精度とか、自然言語といって私たちが普段使っている言葉を分析することが容易になってきているので、
本当にたくさんのデータを使って、その言葉たちが実際のいろんな指標にどういう影響を与えているか、
星空の指標は分野によって様々だと思うんですけど、それをどういうふうに予測しているかということを調べた論文になっています。
具体的にどういうフィールドで調べたかというと、すごく大規模で4つのフィールドを扱っています。
1つが映画の話。フィルマークスというのは日本のプラットフォームだと思うので、アメリカのサイトを使っている。
2005年から2018年の2400本の映画についてレビューを見る。
星空の指標は工業収入ですよね。分かりやすい。何億ドル、何億円の工業収入があったかみたいな話です。
最近だと鬼滅の刃が大ヒットしたり、無限城のシリーズがヒットしたり、国宝も実写の中では大成功されたみたいな報道があると思うんですけど、
いった指標を星空の指標にしているということです。
書籍が2つ目ですね。これは160万冊というので、本当に膨大な数なんですけど、その中のレビューと、あとは星空の指標は購入した数というので、これも分かりやすいと思います。
3つ目がスーパーボール。アメリカで一番見られているテレビの放送なのかな。アメリカのフットボールの優勝決定戦みたいなイメージですけど、
本当に国民的な祭りの日なので、いろんな人が見るので視聴率もすごく異なっていて、そこで使われるCMは本当に影響力が大きくて、1本15秒のCMを出すだけでも莫大な予算がかかるので結構有名だと思うんですけど、
あれのCMとその当日の18万件のツイートを分析したそうです。だからそのCMについて言及しているツイートですね。星空の指標が放映後2週間の新規フォロワーの増え方というのを使ったそうです。
これも面白いですね。最後はレストランです。シカゴにある1052店舗のユーロップというサイトのレビューと、あとは2ヶ月間の予約がどれくらいあったかというデータを使っている。そんなリッチなデータと面白い着眼点の仕様になっているかなと思います。
これらいろいろ観点はバラバラだし、フィールドも全然違うんですけど、やっていることは一貫していて、さっき言ったような星の評価とレビューの中の分析、自然言語の処理を行った得点とかどっちが成功指標につながっているかということを調べています。
情動性と成功の関係
結果、おおよそ一致しておりまして、どの分野でもレビューの中の情動性という観点が成功を強く予測するということがわかったそうです。
情動性って何なのかという話なんですけど、例えば鳥肌が立ったとか、涙が出ましたとか、感動しましたみたいな、そういう言葉で表される指標で、そういう言葉が多かったりとか、その言葉の力が強かったり、この指標の点数化の仕方はちょっと複雑だと思うので、今日は割愛するんですけど点数ができるんですよ。
レビューとか文章であったとしても、例えば鳥肌が立ったという文章が使われているほど、興行収入が高かったりとか、スーパーボールの話でいうと新規フォロワーの増え方が一番大きかったりするみたいなことがわかったそうです。
面白いですよね。星の評価もあるんですけど、星の評価が何が問題かというと、最初の今日の一言で言っていたポジティビティ問題、ポジティブ問題みたいなところがあって、少し心当たりがある方もいらっしゃると思うんですけど、レビューとかって結構4とか5とか多いですよね。
特に5に偏っている。もちろん1とか2の評価もあるんだけど、だいぶポジティブな方に偏っていて、これってその分布だと何かを予測する上では不都合というか良くないと言われているので、
そういうレビュー、星の4とか5に偏っているものじゃなくて、言葉の方のレビューを使うのがいいんじゃないかというところもあったりするわけです。
浄土性、人の感情の高まりみたいなところがいろんな成功主義につながったわけなんですけど、これは解釈シンプルだと思いますね。浄土とか、そういう心を動かすということがその後の行動につながるわけですよね。
映画で言ったら映画を見に行くということだろうし、レストランで言ったら予約をするということで実際に行くということだと思うんですけど、心が動いた度合いが人の行動にもつながっているというとても顕著な例なのかなというふうに思いまして、シンプルだけども力強い研究結果だなというふうに思いました。
あとやっぱり分析がいいですよね。自然言語処理というのはいくつか僕も論文のテーマで書いたことがあるんですけど、可能性しかないですね。
人の心について数値だけで何かを評価するというよりも感想を語ってもらう、そっちのデータにパワーがあるのかなというふうに思いますので、この研究から僕もまた何か発想を膨らましていい研究をしていきたいなと思いましたね。
視差としては何かありますかね。レビュー見る機会とか多いと思うので、もしよかったら注目してみてください。あまり星の評価の方に惑わされるというか、惑わすつもりはないと思うんですけど、そっちばっかり重視するんじゃなくて、レビューの方もね、言葉のレビューの方も見ていただければいいんじゃないかなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。今日もいい一日にしていきましょう。
じゅんぺいでした。心を込めて。