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2025-08-21 13:00

#750【音楽誘発性鎮痛】音楽を聴くと電気ショックに対する痛みが和らぐ (Becker et al., 2025)

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【本日の一語】
音楽誘発性鎮痛 (Music-Induced Analgesia):音楽を聴くことによって、痛みの知覚が軽減される現象

【本日の論文】
Becker, A. S., van der Valk Bouman, E. S., Schaap, J., van Eijck, K., Bierman, Z., Saat, C., Jeekel, H., de Vos, C. C., & Klimek, M. (2025). Self‐chosen music as a contributor to music‐induced analgesia across diverse socio‐cultural backgrounds: A crossover randomised controlled trial. European Journal of Pain, 29, e70095. https://doi.org/10.1002/ejp.70095

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サマリー

音楽誘発性鎮痛に関する研究が紹介され、音楽を聴くことで痛みの知覚が軽減されることが示されています。特に、自分で選んだ音楽は痛み耐性を高め、痛みの強さを下げる結果が得られています。

音楽誘発性鎮痛の概要
おはようございます、心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語の司官です。
この番組では、心理学に関するキーワードを毎日一つ取り上げて、それに関連する最新論文も併せて紹介しています。
今日の一語は、音楽誘発性鎮痛です。
音楽を聴くことによって痛みの知覚を軽減するんじゃないかというようなことを検証したような研究を今日は紹介したいと思います。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
8月の31日に京都であいまい会議2025というイベントを開きます。
美しさについて多様な観点で活躍されている方をゲストにお呼びして、美しさの何だろうかということと、あとはその可能性みたいなことを探っていきたいと思っています。
京都でお会いできたら一番嬉しいんですけども、オンラインでも参加できますので、ぜひチケットチェックしてみてください。
概要欄に貼っておきます。その他のイベント等の情報も合わせてチェックをよろしくお願いします。
本題の一語に行きたいと思います。
今日は音楽誘発性鎮痛ということで、その名の通りではあるんですけども、
これは音楽を聴くことによって痛みの知覚が軽減される現象のことです。
さっき言ったそのままな感じになってしまいましたが、英語だとMusic induced analgesiaというようなあまり聞きなじみのない単語も混ざっていますが、鎮痛という意味だそうです。
音楽を聴く理由というのは人それぞれだと思います。
気晴らしみたいなこととか、落ち込んだ時にそれも気晴らしか、テンションを上げるとか、いろんな効果があると思うんですけど、
今日は痛みを和らげるというような意味で音楽というのがどういう役割を果たすかということを調べた研究を紹介したいと思います。
ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・ペインという学術雑誌に今年載った論文です。
やっていることとしては、すごくシンプルで音楽を聴く。音楽を聴くんですけど、今回はすごく丁寧に実験の設定をしていて、
自分で好きな音楽を持ってくるという群と、研究者が用意した音楽を聴くという群。
クラシックだったそうです、その研究者が選んだのは。
あとは、他の音楽を聴かない群ということで、これはポッドキャストですよ、まさに。
今みなさんも聴いているこのポッドキャストを聴くという群に分かれて、その後の痛みの感じ方というのを調べたそうです。
音楽を聴いた時間は合計20分間。その後に痛みを与えていくわけなんですけど、このあたりは自分はあまりやらないですね。
このような実験はすごく倫理的にも注意が必要な研究だと思うんですけど、痛みの与え方はいろいろあります。
氷水に足とか手をつけさせてそれを何分で放すかみたいなのが割と古典的な研究だったりするんですけど、今回もまたそういう古典的なやり方で電気です。
電気ショックというとちょっと怖いんですけど、聴き手じゃない手の人差し指に電極をつけて、たぶんピリピリする感じだと思います、どちらかというと。
それをちょっとずつアンペアを上げていくということをして、例えば行き地ですね、どこで痛いというふうなことを感じ始めるか。
たぶん最初は何かなっているわという感じで、痛いとまでは言わないと思うんですけど、それがどこかのレベルに達すると痛いというふうな表現になるだろうし、
あとはもう痛みに耐えられなくてもうやめてくださいという、いずれもやめられるようになっているんですけど、というパターン。
あとは不快感みたいなことも視観的な表提として聞いていたりとかしますし、心拍を測ったりとか、そういうふうな実験の環境になっています。
結果を言いますと、やはり音楽に痛みを和らげる力があったというのが全体的な結果になっています。
具体的に言うと、自分で選んだ音楽が特に効果が大きくて、痛み耐性、耐えられる程度が優位に向上したとか、
痛みの強度、強さの感じ方とか不快感とかが優位に下がったというような研究結果になったりとかしたそうです。
痛みの位置については、自分で選んだ時であれ、クラシック音楽であれ、優位に上昇したそうです。
この位置が上昇するということは、痛いと感じる最初のスタートが高くなったということなので、
普通だったらレベル10くらいで痛みを感じていたのが、15くらいになると息地が上がったということになるんですけど、
音楽を聴いた後だとそれらが上がったということのようです。
ポッドキャストを聴いているわけなんですよ、音楽を聴いていない人たちも。
何かを聴くという行動自体は一緒なんだけれども、音楽を聴いた人たちだけでそういった痛みに対する感じ方が違うという結果になったので、
やっぱり音楽に何か力があるだろうということがわかりますというのが今回の研究です。
結果と考察
他にも、音楽を聴いている人たちの方が心拍が優位に上がったりとか、
クラシックを聴いた人たちで不安感が低下したりとかするような研究結果になったそうです。
なぜこういうことが起こるかというメカニズムの話は興味があると思うんですけど、
まず一番わかりやすいのは注意の分散みたいなことだと思うんです。
音楽が注意を反らして痛みに意識を向けにくくなるということなんですけど、
今回はこれはあまり違ったんじゃないかというところで、
というのも何も聴いていない人というよりはポータキャストを聴いていたわけなんですよ、音楽を聴いていなかった人たちも。
なのでポータキャストもおそらく注意を分散するという意味では一定の効果があるだろうと思うので、
もちろん音楽の方がその力が強かったというパターンはあり得ますが、
これじゃないだろうというのが一つ、強くは言えないというのがあると。
一番あり得るのは感情の変化みたいなところで、好きな音楽というのは快感情を増やしたりとか、
安心感を増やしたりとか、あとはコントロール感というのが今回も割と肝なんですけど、
自分で自分をコントロールできるとか、今の状況をコントロールできるという感覚のこと。
これが自分で選んだ音楽を聴いていた人たちで高まったということだったので、
もしかしたらこれが一つ、その痛みの感じ方にもつながっていたんじゃないかということも考察がなされていたりとかします。
あとは自律神経系への影響みたいなところで、今回心拍というのを測ったんですけど、
自分で選んだ音楽は交換神経を優位にさせた可能性があると。
その心拍が上がっているというのはその通り。
研究者が選んだクラシックみたいな音楽だと副交換神経が上がったという結果になります。
これは先ほど言っていなかったですけど、ざっくり解釈するとそういうふうになっていて、
こういった交換神経、副交換神経、どちらがどうというのはおそらく、
はっきり言ってはこの研究だけでは言えないんですけど、
そういった自律神経の状態というのも痛みの感じ方に影響を与えるであろうということが考察されていて、
音楽ってすごい力がありそうだなというのを改めて思い知らされました。
どうでしょうね、気分を上げていくか。
この論文を読んで思い出していたのは、もう4ヶ月も前になるんですけど、
妻が出産する時に音楽を自分で持っていくというので、結局あまり流していなかったんですけど、
出産くらいの痛みだと聞かないかと、それぞれだなと思うんですよね。
本当にこれから痛みと戦うというか、対峙するという場面に遭遇した時に、
気分を上げるというパターンもあれば、とりあえず落ち着かせようという、
まさに交換神経か交換神経の話と近いと思うんですけど、
どっちを選びますかね、皆さんだったら。
結構自分はテンションで乗り切ろうとしちゃうかな、どうなんだろうな。
まだわからないですね。
これからもっと研究されていくテーマであろうというふうに思います。
ただ今日紹介した一語、音楽誘発性鎮痛という現象については、
今回が別に初めての研究じゃないみたいで、
過去にも同じように音楽ってやっぱり痛みを和らげるよねという研究があったようなので、
割とこの効果自体は示されつつあるのかなというのは思っています。
なんかね、歯医者とか行く時とか、注射しないといけない時とか、
ぜひ音楽をお共に連れて行っていただけるといいと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
陳平でした。心を込めて雑談をしたいと思います。
今日ですね、21日からまた学会に参加をしていきます。
ドイツのビースバーデンという町に来ています。
そんなに町を見たわけじゃないんですが、なんか良さげな町ですね。
ドイツは結構、ベルリンとかフランクルートとか本当に大きい町とか行くとちょっと雑多としている感じがあってソワソワするんですけど、
それ以外の小さめの都市とか、小さめと言っても20万人くらいビースバーデンに住んでいるみたいなんですけど、
緑がそこら中にあってすごくうるさいってこともないし、いいなと思っています。
参加する学会はビジュアルサイエンスオブアートという学会で、
視覚芸術に関する、ちょっと訳しかたへんか、アートの視覚ビジュアルサイエンス、
ビジュアルサイエンスってなんていうんだ、視覚科学。
ビジュアルに関する研究者がアートのことを研究するっていう、そういう学会になっていまして、
技術館でやるのかな確か、アーティストの方もたくさん来られて、
研究者とアーティストが交じれるような場所になるというふうなことを聞いていますので、
そのアーティストの実践みたいなことも聞いて勉強したいなというふうに思っています。
私自身はアイキバラの対称性・非対称性の研究結果、もう本当に3月ぐらいにデータを取ったばかりですけど、
これを発表していきたいなと思っています。
明日も発表なんでね、明日というか流れている今日ですね、発表なんで頑張っていきたいと思います。
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