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2025-08-12 11:26

#740【流動性知能】計算力も読解力も使い続けていたら65歳まで衰えない (Hanushek et al., 2025)

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【本日の一語】
流動性知能 (fluid intelligence):これまでの学習や経験に依存せずに、新しい問題を解決したり、情報を素早く処理したりする能力

【本日の論文】
Hanushek, E. A., Kinne, L., Witthöft, F., & Woessmann, L. (2025). Age and cognitive skills: Use it or lose it. Science Advances, 11(10), eads1560. https://doi.org/10.1126/sciadv.ads1560

【8月31日(日) から 「あいまい会議2025~伝統・ビジネス・科学から「美」の可能性を考える in 京都~」】
https://aimaikaigi2025.peatix.com

【8月16日(土) から 「『研究』の未来をみつめる―“良き研究者”をめざす若者と科学の行く末に関心をもつ市民の対話」】
https://www.shiminkagaku.org/sciencedialogue_03_20250816/

【8月18日(月) から 「近藤弥生子さんと対談:台湾感性―台湾と日本の美意識の違いに迫る」】

【8月28日(木) から 「業界を超える「学際」で新たな価値をつくる - 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから」】
https://academist250828.peatix.com/

【研究サポーター募集中!】
https://academist-cf.com/fanclubs/358

サマリー

流動性知能に関する研究が、計算能力と読解力の変化を示しています。特に、頻繁にこれらのスキルを使用している人々は、65歳までその能力が衰えない可能性が高いことがわかります。

流動性知能の概念
おはようございます。心理学者のじんぺーです。
心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学に関わるキーワードを一つ取り上げながら、最新論文を紹介しています。
今日の一語は流動性知能です。
認知スキル、計算とか読解に関わる認知の能力が過励に伴ってどう変わっていくかということを調べた研究を紹介したいと思っています。
本題に入る前にお知らせをさせていただきます。
8月のイベント情報を概要欄にまとめております。
8月の31日、あいまい会議2025、京都で行います。
美しさについて研究者の方や経営者の方、伝統実践者の方に来ていただいて、いろんな角度から議論できればと思っています。
ぜひ京都に遊びに来ていただきたいなと思います。
その他は28日東京、16日はオンラインで研究のお話をすることになっております。
そちらもぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
それでは本題に入りたいと思います。今日の一語は流動性知能です。
流動性というのは流れる動きと書いて流動性なんですけど、
これまでの学習とか経験に依存せずに新しい問題を解決したり、情報を素早く処理したりする能力を指しています。
今回は流動性知能として計算能力みたいなことがこっちに当たるというふうに言われている。
初めて見る課題とか未知の状況、計算問題とかそういう時が多いですよね。
それを解いていくということがこれにあたる。
逆に結晶性知能というのもあって、これは読解力、これまでの知識とか語彙とか、
経験に基づく能力であるためにこういう分類が便宜的になされています。
今回すごく大規模な研究で、ちなみにサイエンスアドバンシーズという雑誌に載った、
研究の結果
これはサイエンスという本当に一番有名な雑誌の一つがあるんですけど、の姉妹ジャーナルみたいな感じです。
とてもインパクトのある論文、学術雑誌なんですけど、ここに載った論文です。
ドイツですね、2011年と2015年に同一個人をテストしているということです。
再テストに参加したのは3000人超の方で、16歳から65歳の方がいると。
なのでもし仮に20歳の時にテストを受けたとしたら、1回目のテストを受けたとしたら24歳の時にもう一回受けるみたいな感じで、
4年間くらい、3年の方もいたみたいなんですけど、3、4年でどれくらいその認知スキルというのが変わっているかということを調べる。
いろんな年代の方がいるので、それが年齢によってどう違っていくかということをモデル化するということをしています。
言っていることはシンプルですね。測定の尺度はいろいろあって、読解力を試したり、計算力をテストしたり、
あとは学歴とか触手とかを聞いたりしています。
結果がとても興味深くて、早速紹介していきたいんですけど、
まず今回キーワードにした流動性知能に当たる、どちらかというと当たると言われている計算力に関しては、
40歳前後くらいにピークを迎えると、その後に落ちていくというようなことが示されたそうです。
読解力の方は46歳前後がピーク、その後下がっていくというのが大まかな結果になっているんですが、
これって結構これまでも言われてきたような奇跡と似ていて、先行研究と似ているという話なんですけど、
この研究で特に面白いのが、ある職業に就いている人は、そういったスキルというか能力をよく使う、能力をよく使う点ですね。
論文の言葉で言うと、スキルというか、低使用群と高使用群と書いてますね。
例えば、研究者もそうだと思いますし、ホワイトカラーの人とかの、こういうスキルをよく使う。
例えば、仕事でよく電卓を使って計算したりとか、統計で解析したりとかというのは計算ですよね。
読解で言うと、何かいろんな読み物があったり書いたりしないといけないという人とかが、スキルをたくさん使っているという人たちだと思うんですけど、
そう分けた時に、よく使う人、その能力、スキルを使う人、これちなみに職場の話ばっかりしましたけど、日常生活でもそうです。
趣味で数学するみたいな人もいると思いますし、日常生活とかでよく使う、買い物とかもそうか、
という時によく使っている人というのは、65歳までスキルの低下が見られなかった、そうです。
逆に使わない人、ほとんど使わない、停止要群というのは30代半ばから、
さっき40歳とか46歳とか言っていたんですけど、それよりも早い30代半ばから低下が始まるというのが今回一番面白い結果だなと思います。
AIと認知能力
だから言いたいことは、使っていたら衰えないんですよ。
少なくとも65歳まで今回の年陣に入っているというのは、すごく希望のある結果だなと思っています。
もう一回振り返ると、流動性値の40歳ぐらいでピークを迎えてその後低下する。
読解力とかは46歳をピークにその後低下するというふうなことを言われているわけなんですけど、
それは全体を見たときにそうであって、よく使っている仕事とか日常生活で使っている人というのは65歳までその低下がほとんど見られないというのが結果なので、
使っていきましょうということですね。それでいいのではないかなというふうに思います。
仕事の属性的によく使うというのと使わないというのもあると思うんですけど、
日常生活でも日常で統計の解析をするということはあまりないと思うけど、
例として他に何か書いていたかな、ちょっと待ってくださいね。
予算を計算する、書き読むとかそうですよね、つけたりとか、グラフとか表を作成する、
数式を使うということはあまりないかな、こんなところですかね。
読解の方だと新聞雑誌の記事を読むとか、専門誌や学術論文を読む、手紙を読むとか書いてますね。
もしかしたら一旦結果は終わったので、この後感想なんですけど、よく見るんですよ、AIを使うと認知能力が下がるみたいなね、
そういう研究結果もちょっとあるのかな。
議論が今まさに起こっているところですけど、これからますます検証されていく領域だと思うんですけど、
確かにこれを思うと、例えば論文とかもChatGPTに要約してもらったりとか簡単にできたりするし、
統計とかも自分が収支過程のときとかChatGPTがなかったときは割と自分で調べて、
これってどうなんだろうって、またエラー出たみたいなことを繰り返してたんですけど、
最近はChatGPTにとりあえずエラーのメッセージと一緒に投げれば解き方が返ってくるみたいなね、
そういう世界線になったので、確かに使ってないこともないんですけど、
使い方はだいぶ変わっているなというふうに思うので、何かしらの影響があってもおかしくないなというのは肌感としてはあります。
今回の結果を踏まえると、これを続けていれば、もしかしたら良いか悪いか分からないですよ、
変わっているだろうなと、これがなかった世界と比べてはというのはちょっと思うかなと思います。
それも割と研究してみたいところがありますね。
AIを使うと思考力が落ちるかとか読解力が落ちるかということとかは、
なかなかそれだけでやるのは難しいんですが、でも興味のある領域なので、論文は紹介しようかな、今度ね。
また調べてみたいと思います。
今日の結果は希望が多いと思いますので、
ぜひ一緒に、ボイシー聞くのでどれくらいか分からないですけど、
でも少し立ち止まって、最新の論文ってそういうことを言っているんだということを考えてもらうだけでも一つ良いのかなと思いますので、
ぜひお役立ていただけると嬉しいなと思います。
もし興味があれば、論文のリンクも毎日毎回貼ってますので、そっちを覗いてみていただけると。
アブストラクトって言って、要約だけでも読んでみてもらうと、それは読んでいるということにはなると思うので、
論文の中身まで入るのってなかなか統計の知識がいったりとか、心理学とか認知科学の専門知識がいったりとかするので、
そこまではなかなか難しいと思うんですけど、ぜひこの要約とかでも読んでみていただきたいなと思います。
今回の論文はオープンアクセスといって誰でも本文丸々読めるようになってますので、それも付け加えておこうかなと思います。
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
神平でした。心を込めて。
11:26

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