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2025-08-23 12:45

#752【脱人間化】AIを使うと3つのレベルで人間らしさが損なわれる?(Dang, & Liu, 2025)

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【本日の一語】
脱人間化 (dehumanization):ある人を「人間らしい存在」として扱わず、感情や理性、道徳性などの人間固有の特性を否定すること

【本日の論文】
Dang, J., & Liu, L. (2025). Dehumanization risks associated with artificial intelligence use. American Psychologist. Advance online publication. https://doi.org/10.1037/amp0001542

【8月31日(日) から 「あいまい会議2025~伝統・ビジネス・科学から「美」の可能性を考える in 京都~」】
https://aimaikaigi2025.peatix.com

【8月28日(木) から 「業界を超える「学際」で新たな価値をつくる - 京大・宮野公樹氏と探る、研究と社会のこれから」】
https://academist250828.peatix.com/

【研究サポーター募集中!】
https://academist-cf.com/fanclubs/358

サマリー

本エピソードでは、脱人間化とAIの利用がどのように人間らしさを損なうかが考察されています。具体的には、メタ的脱人間化、自我脱人間化、他者による脱人間化の3つの側面が解説されており、AIが人間性に与える影響について深く掘り下げられています。

脱人間化の概要
おはようございます。心理学者のじんぺーです。心理学に触れる一日一語のお時間です。
この番組では、心理学に関するキーワードを1つ取り上げて、それに関連する最新論文を併せて紹介しています。
本日の一語は、脱人間化です。
ちょっと怖い言葉に聞こえるかもしれないんですけど、
この脱人間化とAI利用との関連を調べた最新の論文を紹介したいと思っています。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
8月31日、京都あいまい会議2025を行います。
もう1週間後ぐらいになりまして、準備の方も加速させていきたいところであり、自分自身もとても楽しみにしています。
ぜひ京都でお会いできると嬉しいです。オンラインでも参加できます。
もう1つ28日、これも来週ですけども、東京で研究のピッチのイベントもあります。
5分ぐらいですが、自分も話しますし、交流の時間もあるかと思いますので、ぜひ会場の方に遊びに来ていただけると嬉しいです。
こっちもオンラインに参加があります。概要欄にどちらも貼っておきます。よろしくお願いします。
今日の一語、立つ人間化について紹介します。
立つ人間化とは、ある人を人間らしい存在として扱わず、感情や理性、道徳性などの人間固有の特性を否定することを指しているそうです。
例えば誰かを機械のようだとか、動物みたいと見出すときに、その人から人間性を奪っていると言えるかなと思います。
今回の論文はアメリカンサイコロジストという雑誌に載ったレビューの論文になっていて、
この立つ人間化がAI利用の中で結構起こっているんじゃないかということを主張しています。
今回実験しているわけではないんですけど、他のたくさんの実験とか調査を参考にしながらこういう主張をしています。
具体的には3つのレベルで立つ人間化が起こっているということを主張しているので、それらについて1個ずつ見ていきたいと思います。
あとは重要な先行研究も多分簡単にはなるんですけど、添えながら紹介できればと思っています。
自己の人間らしさの喪失
まず1つ目がメタ的な立つ人間化ということで、これはAIに人間扱いされていないと感じることです。
ある種被害者みたいな視点のことだと思います。
AIを使っているユーザーがAIから一律な存在とか、数値として扱われていると感じるような傾向のことで、
AIによる医療診断であるとか、推薦アルゴリズムとか採用選考とか、これどれも今実装されていますよね。
これらの文脈で個人の特性が無視されているという感覚が生まれる現象のことです。
代表的な研究例としては、例えばまさにAI診断の話で、2022年の論文では、
AI診断を受けた患者というのは、医師からの診断と比べて物として扱われたというふうに感じると報告があるそうです。
あとは、AIアルゴリズムが個人の感情や特性を軽視すると感じることが、
AI敬語、アルゴリズム敬語みたいな論文も最近紹介しましたけど、
に繋がるんじゃないかというような、どういうふうにAIに対して感じているかということが、
確かにこの二つ人間化の側面と関わっていそうだなというふうに思います。
ありますかね、これね。
人間として扱われていない。
ちょっと自分はあまり分からなかったんですけど、自分自身としてはあり得るかなとも思います。
二つ目の立つ人間化は、事故立つ人間化という側面で、
AIとの関わりの中で、自分が自分のことを人間らしくないと感じる。
さっきはAIに人間らしくないと感じられているんじゃないかみたいなことだったんですけど、
今回は自分のことを言っている意味で、さっきとちょっと側面が違うかなと思います。
能力とか繋がりとか自立性、これらの基本的な心理欲求がないがしろにされることで、
自分を生きた存在ではなくて機械のような存在であると感じやすくなるというふうなことが傾向としてあるそうです。
能力はAIが大体していたりとか、一部ですけどね、していたりとか、
繋がり、確かにAIと会話していたら繋がりが気迫化するような感覚もあるしということだと思います。
代表的な研究例としては、
AIに頼らないと業務を完遂できない状況に置かれることで、自己効力感が低下するという研究があるそうです。
これはちょっとあるかも。
最近Wi-Fiがないところとかだと仕事する気だいぶ失せますからね。
飛行機の上とか。
前だったら別に論文を読むのも論文を書くのもダウンロードしておいたらいいだけの話でできたはずなんですけど、
最近はAIとやり取りしながら研究を進めているのが当たり前になりすぎて、
ちょっと無しだと完遂できないなというふうに思い始めてますね。
自己効力感が下がるというのもあり得るかなと思います。この論文を読んでみたいですね。
他には、2024年の論文、AIによるマネジメント化による社員は自分の職務や存在が尊重に値しないと感じる傾向があるそうです。
これも読んでみたいな、面白そうですね。
これが2つ目の自分のことを人間らしく感じられなくなるような脱人間化の側面でした。
他者からの評価
最後が3つ目。他者による脱人間化ということで、AIユーザーが人間らしくないと他人から見なされるという視点です。
AIを使う人が冷たい、非創造的、非道徳的など人間性に欠けると評価されやすいのではないかというような傾向のことです。
代表的な傾向としては、AIユーザーは感じない人、感情を感じにくい人、信頼できない人として描写されやすいとか、
AIを導入している企業やその従業員は効率ばかり重視している倫理感が希薄と見なされやすい。
興味深いですね。もう1個ぐらいいきますかね。
AIを活用する医師はそうでない医師と比べてプロフェッショナリズムが低いと患者に評価される。
お医者さんがAIを使えば診察を受ける側が人間として扱われていないのではないかと思うし、
AIを使うお医者さんに対してもプロ意識が低いと見なされるので、
結構弊害も大きそうだなというのを感じざるを得ないような先行研究が今のところは示しているのではないかと思ったりします。
今日は脱人間化の話で3つの側面を紹介して、これぐらいで終わりにしようと思うんですけど、
もう1回振り返ると、メタ的な脱人間化。AIに人間扱いされていないと感じるようなこと。
2つ目が自分のことを人間らしくないと感じるような脱人間化。
3つ目が他者による脱人間化。AIユーザー、使っている人が人間らしくないぞと他人から見なされるような脱人間化という側面を紹介させていただきました。
これいつも言ってるんですけど、2025年現在でというふうな前置きがあった方がいいかなと思いますし、
多くの研究が2023年、2024年みたいな論文なので、今後AIと距離が近づくとまた変わってくるかもしれないし、
みんなが当たり前に使うようになると変わってくるかもしれないしっていう変化がありそうな研究分野だなというふうに思ってますし、
その分エキサイティングだなというふうに思っています。
個人的にもこういうAIに対する態度みたいなこととか、今回はちょっとあれかな、脱人間化なので人の方に視点が当たっているような気がしますが、
興味がある分野ですね。今まさに授読中のAI態度の論文もありますし、動向を追っていきたいと思っております。
一緒に勉強をこれからもしていきましょう。最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今日もいい一日にしていきましょう。
じんぺいでした。心を込めて。
はい、雑談をしようと思います。
今、ピースバーデンという町に来ていて、学会期間中なんですけど、今朝早くで撮っていて、
しかもバスルームで撮っているので声が聞こえにくかったらすみません。
前にもチラッと言っていたんですけど、パートナーの教え子の子が実はドイツに来ていて、
昨日かな、合流しました。まだ2人ともというか3人とも、子供も含めて寝ているので、
こういう収録スタイルを撮っているわけなんですけど、楽しいですね。
人がまた増えて、2人はね、結構昔話、まあそうでもないかな、1日目から濃厚な語られをしていて、
僕も初めましてだったんですけど、楽しく混ぜていただいて、ドイツにせっかく来てもらったので、
中学生かな、来てもらったので、楽しんで帰ってもらいたいなというふうに思っています。
ドイツがいい国だなと思ってもらいたいし、この1週間とかがいい1週間だったなと思って帰ってもらうようにしたいなと思っています。
学会は自分はあるんですけど、それ以外のところではそういうふうにしたいなと思っています。
学会は昨日発表が終わりまして、楽しかったですね。たくさん来てもらったかな。
1時間半くらいポスターのセッションがあって、長いなと思いながらも、
僕も他の発表を聞きに行きたかったので、結構うろついてはいたんですけど、楽しかったですね。
何人くらい来てくれたかな。わりと20人くらいは来てくれたんじゃないかな。
生け花の発表をしたんですけど、生け花を知らない人も結構多かったですね。
それだけでも来てよかったなと思います。生け花というクールなジャパンのアートがあって、
アーティストの方とかアートを研究している研究者ばかりの学会なので、知ってもらえてよかったなと思うし、
結果自体は発表の時にも言っていたんですけど、あんまり見たかった結果では今のところないんですけど、
研究の方向性とか価値のある研究だということはわかっていただけたんじゃないのかなと思っているので、
それはよかったなと思っています。今日と明日もまた楽しんでいきたいなと思っています。
12:45

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